娯楽のハイエナ

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#53 ハウルのハイエナ
投稿者:LD <2005/01/12 00:13>
※「ハウルの動く城」ネタばれ注意!
観る前にいろいろよくない評判を聞いていて、さらに自分も悪口言いまくっていたせいかもしれませんが、けっこう楽しめました。先によくなかった点を上げておくと

1.動く城を一旦壊してから再度城を起動するのがよく分からない。……つーか“動く城”というより“動く砲台”といった趣なのに、まるっきり砲撃戦をせずに崩壊してしまう展開は如何なものか?あのいい加減に添えられた砲台がグリグリ動いて標準を合わせ、鉄塊飛ばして対空砲火よろしくゴリアテもどきをバンバン撃墜してくれれば、僕は“超燃え!だった。ソフィーを戦わせたくないなら荒地の魔女にやらせればよい。美輪明宏に「あ〜〜はっはっは!人がゴミのようだわ!」とか言わせればよい。
2.多分、ソフィが城で逃避行している間、ハウルはソフィーを守って三面六臂の闘いを展開していたはずなんだけど、その描写がないのは如何なものか。ここぞとばかりに大空中戦を繰り広げればよいものを。そして闘いながらハウルの身体は次第に魔界に蝕まれて行くんでしょ?それで理性もなんもなくなってしまったけどソフィの所に戻ってくるんでしょ?そらもう抱きしめてあげないと!…っていう分かり易いシーンをわざわざ削ってるんだよね。何故?
3.ラストにカカシの呪が解けるんだけど全く不必要なイベントにしか思えない。あれは何だったんだろう?

はっきり言って1、2は宮崎監督の“十八番”なんだからそのシーンを入れるだけで面白さが火薬3倍くらいにはなったと思うだけに残念!総じて考察するに宮崎監督は完全に「戦争批判」のマインドになっており、言葉として安易に「戦争反対!」みたいな事は言わないけど、描写としてはかなり戦争反対になってしまったように思えます。…戦車と軍艦と戦闘機が大好きなくせに!天才が世情に流されてんじゃないよ!…というより世情に流されちゃうあたりも純朴な宮崎監督らしいんですけどね。高畑監督ならそこらへん逆に安定し過ぎ(笑)

まあ、そうではあるんですがでは宮崎監督のもう一つの持ち味である“女の子”は可愛くなかったかというと、それはそんな事はなかった!(笑)というより開幕から10分も経たない内にソフィーとハウルが空を飛ぶので、バッチリというかやっぱり宮崎監督はこうでなくっちゃ!と思いましたね。
基本的な構造を分析すると、この話「名探偵ホームズ」の「ミセス・ハドソン人質事件」です(笑)誘拐したお姫様にみんなメロメロになってしまう“あれ”ですね。最初にやる事は掃除だし。マルクルとかカブとかはトッドとスマイリー(笑)ハウルは教授……というよりはホームズでしょうね。後半は「ドーバー海峡の大空中戦」かも?つまり宮崎テイストは充分楽しめました。アクションもドンパチが少なかっただけで不充分だったわけじゃありません。
そんなワケでけっこう楽しかったのです。いやほんとに(笑)
  • 再起動 投稿者:aki <2005/02/11 01:30>