#130 日常に帰るヒーロー 投稿者:LD <2006/04/14 01:08>
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こんにちは!hatikadukiさん > 終わり方自体ははじめから決まってたのかもと思うんですが。 > つまり個々人のハッピーがどうのではなく、どんな世界が理想であるかという。 > @業を背負いすぎた、単一の正義しか許さない正義の組織を解体すること。 > Aヒーローを一般人にすること、ひいては読者一人々々が正義の徒になること。 > B成立し難くなった主体としてのヒーローに代わり、客体としてのヒーロー(=都市伝説)をつくること。パピヨン・ビギンズ。 > の3つで、連載の流れで決まったにしてはあまりに綺麗すぎるかな、と。 僕が思うには@、Aについては、おそらくは最初から予定していた事ではないかと思います。ここいらへんは抽象的に語るとマンガの定型にはまってしまう(大体のプロットなんて誰でも組む)のでもう少し具体性を持たせますと、@の展開、及びそのバックボーンとなる“価値観”は非常に和月先生的というか「るろ剣」の討幕派=錬金戦団と大体かぶりますしね。個人ではなく集団が組織立って義勇を示そうとすると、最初の目的とは違うところに行ってしまうのではないか?という、そこはかとない疑念ですかね?あるいはヴィクターも救済するオールハッピーを目指した時点で解体は必然という事だったかも。 Aについて、カズキは元々「日常に戻れるヒーロー」として設計されていました。なので日常の象徴である妹・まひろや岡倉たちは丁寧に扱われ、また武装錬金させるという選択に行かない事は守られました。しかしながら“再殺編”で彼らが居るフィールドを離れてしまったが故に、ストリーが単調傾向になり、やがれ打ち切りに…という噂も有ったり無かったりするようです? Bは…結局、本題のパピヨンの扱いなんですが、まずパピヨンの復活が決まった時点で、パピヨンの死にエンドは無くなったとは思います。まあ、これは僕なりの和月先生の性格分析としてw ただ、この結末はどうなんでしょうね?僕自身はパピヨンに不満があるとしたら「斗貴子を差し置いてトリを張った」事で、あの結末も決して嫌いではないのですが、ただ全体分析としては「宙ぶらりんな結末」と思えます。 カズキが「日常に戻る事をセットされたヒーロー」である事はA項で述べたとおりで、それを元にカズキが日常に戻る=全ての問題が解決している=戦団は解体、と連鎖的に“物語”が日常に返って行くのですが、それに対してパピヨンの結末は「宙ぶらりん」といえ、やはり彼の復活自体がイレギュラー的なイベントだった事を表していると思います。前レスで書いたようにパピヨンが持っていたテーマ自体は「すまない。蝶野攻爵」でケリがついてますしね。 また、カズキが“日常に戻る者”である以上、パピヨンもまた、戦団が解体したように日常に戻る……具体的に言うと「マスクを外す」といった選択もあったはずなのですが(まあ、それが罪を償うという事かもしれないし)それは「斗貴子を差し置いてトリを張った」時と同じ力学が働いてボツとなったようですw というワケで和月先生の性格を考察するにBまでの流れはパピヨンが復活した時点で、ある程度必然だったかと思うのですが、当初より確定だったかというと、それはどうだろう?というのが正直なところです。 > しかしここまで愛される(=要求される)打ち切り作品は他に見たことがないな… hatikadukiさんが挙げた「道士郎」などと比べても非常に幸せな作品と言えますね。 また全10巻は堂々たる連載だと思います。「ウィングマン」は全13巻、「炎の転校生」は全12巻。ちょっと関係ない話ですが、作者がしっかりと設計した物語を送り、読者がそれを受け止めて感動するのは、大体このくらい(12巻〜18巻?)の“速度”が適切だと思います。 |
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