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#242 作画チェック 乃木坂春香の秘密 第1話『もう、ダメです…』
投稿者:ルイ [2008/07/15 17:28]

公式サイト:http://www.nogizaka-haruka.com/
シナリオ:玉井☆豪
絵コンテ・演出:名和宗則
作画監督:石野聡
原画:小管和久 阿倍伸司 浜津武広 本田辰雄 福地和浩
 塚本哲哉 中田誠 川上暢彦 渡辺義弘 竹上貴雄
 むとうけいじ 加藤やすひさ 石原恵治 名和宗則

スタジオへらくれす
 渡部啓祐 大塚健 ふかざわまなぶ
 猫山道節 斎藤久 石野聡

第二原画:本多美乃 荒川めぐみ 波戸龍太

 オタクは自分の趣味を肯定してもらいたい→美少女のオタク趣味を肯定してあげる立場に立つ…わかりやすい癒し構造というか…(笑)。普通この辺を設定やら何やら、物語という中に包み込むものじゃないのかって思ったりもするんですが、今はここまでストレートに表現する必要(と需要)があるほど、オタクも弱っているんですかね?まあ、今回は作画チェックなので、この辺はさわりだけにしておきます。


 作画は動きだけでなく、キャクターデザインの維持・管理(或いはキャラデザ越えの解釈)などでも称えられうるものです。僕も昔この方向からアニメの作画というものを意識しはじめたクチなのですが、こちらへの意識が過剰になると、動きに特化したような楽しい作画を、下手な作画と一緒くたにして「作画崩壊」などと叫びだしてしまったり。折角作画に対し興味を抱きはじめているのに意識が逆行しかねない気がして、控え気味にしています。ただ、自分の中にある萌えセンサーを叩き起こせば自然とこういうものも良いな、と。俺の中にある萌えオタ成分を総動員して、「せっかくだから俺はこのオタクとして一度はやりたかった上下画面貼り付けをしておくぜ!(長)」…今回、前提として作監の石野聡さんがかなりお上手で、ほぼ全てのカットがキッチリとしていますね。石野さん、本作のキャラクターデザイン、総作画監督も担当していらっしゃいます。こういう回が、作画オタクと萌えオタクの橋渡しをするんだよなあ…と、呟く俺は物語脚本萌え作画声優オタク入門。次は背景美術オタになりたいです、押忍。>

能登坂さん(担当声優・能登さんと混ぜています)め〜…けしからんね!!

 この作品、作画的にはかなりストレートに『涼宮ハルヒの憂鬱』を意識した作品です。ライトノベル→アニメの成功パターン代表格とも言える作品『ハルヒ』は、少なくとも作画面からの分析はし易い。キャラ紹介をめまぐるしいテンポで行うOPと、踊りを中心に据えたEDで話題性を得て、本編は京都アニメーションお得意の「手抜きの無い動作」で締める。実行できるかどうかは別として、構成要素は明白です。…それを、この一話はかなりガチンコでやっているんですよね。EDもロトスコダンス取り入れてますし。本編も、動き一つ一つしっかりと、しかし可愛さは崩さないように描かれている。前提として上手いアニメーターさんがいて、更に作画監督さんもしっかりしてこそ辿りつける「萌えアニメでの良作画」のありかただと思います。

 敢えてこの図書室でぶつかるカットを抜き出したものの、ここが特別に優れているかというと、そうじゃない。全編、こういう動作をキッチリと描いていく事が、作品全体へのイメージ向上に繋がると。省力方法も模索されるアニメ表現ですが、「萌えに近道なし」方向を説いたのがハルヒの価値で、それに追従した作品が本作、という見方はできそうです。

 アニメーション制作はディオメディア。何やら聞き覚えのあるような無いような微妙な社名(謝)ながら、ディオメディアの前身はスタジオバルセロナなんですよね。ここでおっと思えたら君も今日からアニオタ昇段…じゃなくって(笑)バルセロナは最近では「ななついろドロップス」「こどものじかん」などを手掛けていました。それらのタイトルにもやはり前述の「ハルヒ意識」が感じ取れると思います。特に「ななついろ」はアダルトゲーム原作ながら、キャラクターは「ハルヒ」「シャナ」といったライトノベルイラストで人気の、いとうのいぢさんによるものですからね。ターゲット層は同じと言える。それらからの蓄積がここで花開くか、という視点もありそうです。監督の名和さん(第1話ではコンテ演出)は「ななついろ」でもコンテ演出をされていて…2Dキャラの使い方などに、共通点を感じられたかな?

 この第1話、恐ろしい事に「スタジオへらくれす」から6人も参加しているんですよね。現在のTVアニメーターを代表する存在とも言える渡部圭祐さんを代表格として、作業場を同じくしているだけの「名ばかりのスタジオ」ではある彼らですが、その実力は既に折り紙つき。何より凄いのは、「現在のTVアニメ」と書いたように、燃えから萌えまで散乱するこのTVアニメ業界にあって、彼らの作画は基本「凄い」のに「崩さない」んですよね。一部の動かし系アニメーターさんがそうであるように、自分の代名詞的な作画をどこでも空気読まず(まあ、それを求められてるんですが)披露するようなやり方ではない。作品の色に沿って、しかし他よりはちょっと目立つという、とてつもないユーティリティっぷりを発揮するのが「へらくれす」なのだと思います。渡部さんの最近の仕事ひとつ取ってみても、グレンラガンで熱い作画を、ヤッターマンで80年代風のハッチャケ作画を、バンブーブレードでタマちゃんのキラキラしたアクションを、ハヤテの如くでマリアさんとハヤテのロマンスシーン(?)を描いてますもんね。万能。そんな腕利きの彼らが、あくまで「萌え」方向からアプローチしているからこそ本作のクオリティは成立しています。…しかしアニメーターとしての生まれは隠しきれるものでもなし、全体の印象は「とにかくキッチリしてんな!」な本作にも、そんな「本性」がところどころに現れています。


 冒頭、主人公の姉貴が酔っ払うカット。4枚目の大胆なジョッキの線が示すように、ゆらゆらしていて楽しいカットですね。冒頭の酔っ払いシーンはもう1人の女性も含め、全般上手かったなぁ。

 エフェクト光が…(笑)。萌えアニメの殻をかぶっていても、こういうところに出自が出ます(笑)。


 ここは萌え作画と良作画が高次で融合したカット。1枚目の乃木坂さん制服から描き込みが凄いし(ここからコマ送りした数枚の乃木坂さんが、ちょっとタマちゃんっぽいというか…渡部さんかバンブー監督、斎藤さんあたりか?)2枚目の雑巾まで、ちゃんとした影付けなどで無駄にしっかりした質感が…(笑)。そこから叫ぶまでの作画はお見事。ゾワゾワと登ってくる悪寒を4枚目のように髪の毛の線等で表現して、そこから首を振って叫ぶ。間を詰めたようなタイミングが、コミカルながら印象に残る(しかも残り過ぎない)品の良い良作画っぷりをアピールしています。

 多分この回、萌え界隈からの評価も高いはずなんですよね。作監の石野さんは総作監でもある事から、全体のアベレージはある程度保証されているように思います。作画視点でいくと、とにかく「スタジオへらくれす」がどこまで関わってくれるか、それを祈るような状況でしょうか。へらくれす所属の石野さんがキャラデザ&総作監だから、お祝い的に一話だけ駆けつけたってのも普通にありそうなんだよなぁ…(笑)。石野さん、頑張れ!へらくれすを拘束だ!(笑)…ああでも、このクラスのアニメーターさんは他の作品でも観てみた(ry 斎藤久さんが監督された「バンブーブレード」もご祝儀的に渡部さんが数回参加されていたので、まあ、最低一回はこういうことがあると思っています。



 最後に、地味に凄かった登校シーンのモブキャラたち。一見CGが手描きかよくわからないんですが…大部分CG、その中に手描きを織り交ぜる事で、CGにも手描き感を乗せる事に成功しているかな?中には「談笑しながら登校する女生徒たち」「信号を慌てて渡る生徒たち」「待ち合わせしていた男子生徒」なんてのがいて、彼らの「ただ歩いているだけではない仕草」を印象づける事で、そのほか大勢の「ただ歩いてるだけのモブ」にも「敢えてそれを選択している」とでも言ったような、かりそめの命を吹き込ませる事に成功している…いや、この辺全く自信はないので、後で「全部CGでしたwwwフヒヒ、今のCGスゴイんだよwwwサーセンwwww」であったり「全部手描きでしたwww」てな展開があったら(笑)即時訂正したいと思います。現状では上記のように考えていて…モブも楽しみだなぁと。