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#244 背景チェック 作画チェック 魔法遣いに大切なこと 夏のソラ
投稿者:LD [2008/07/17 05:13]



■第一話
脚本:山田典枝
絵コンテ:小林治
演出:小林治、堀元宣
作画監督:堀元宣
作画:堀元宣、伊藤亜由美、芳垣祐介、宮崎康子、松本文男、鈴木彩文、小林治
スペシャルアニメーター:沓名健一
美術補佐:石関伴和
背景:竜美堂
菅原隆昭、岩室雅子、高山聡美、斉藤幸洋、朝倉良介、鈴木大介、岡村純代、西峯研一

■第二話
脚本:山田典枝
絵コンテ:小林治
演出:小林治
作画:堀元宣、鈴木彩史、三木俊明、芳垣祐介、伊藤亜由美、亀井嶺、六本木明美、横手博人
スペシャルアニメーター:沓名健一
第2原画:小林祐、近藤一英、谷口元浩、佐藤千春、スタジオ牙鳴
美術補佐:石関伴和
背景:ムクオスタジオ
石田喬子、前塚太一、新開夏海、窪田忠雄、石田勝則、鹿野良行、田尻健一、浅井和久


「魔法遣いに大切なこと 夏のソラ」の第一話を観た時から背景チェックはしようと思ったんですが、丁度、第二話を観るとヒロインのソラが今回の背景のテーマ…いや、作品そのもののテーマと言えるかもしれない事を言っていたので、第二話の背景と併せて引用します。



みちる、東京…いや、下北沢ってめっちゃすごいところだよ。
おもちゃ箱ひっくりかえしたようなお店が何軒もあって、まるで夢の国みたいだべさ
ふるいものと新しいものが混ざってる。
みちる、わたしこの街が気に入ったべさ。
がんばれそうな気がしてきた。

んんんん〜w「魔女の宅急便」だなあ…w(←こいつ、今、身も蓋もない事言ってないか?)
第一話で描かれたのはソラの育ってきた「世界の美しさ」ですよね。そして第二話になって場所を移しても変わる事なく「世界の鮮やかさ」が描かれている。それはつまるところソラの瞳に写る“ありのまま”を描く事なんでしょうね。
だけど「面白い」事に実はアニメって正確には“ありのまま”が描けないメディアなんですよねえ……。本当に“ありのまま”を映そうと思ったら実写に行くしかない。絵を動かす以上、必ず描き手の意志が介入する。(実写だって撮り手の意志は介入すると言えばするんですが、画を描くというのはその比ではない)…しかし、だからこそ、この矛盾を抱えたアプローチは「面白い」というか、アニメータがどの線に自然を見出すかは非常に興味深い課題です。写実的に描けば“ありのまま”ってワケじゃないんだよなあ〜と、僕は思ってしまうんだけどw
そんな中で静体である背景は比較的“ありのまま”をとりやすく「世界の美しさ」の表現に近い……とかいいつつ、ぶちゃけ、これもアニメで写実的にやれば、それはそれで別の意味がついてくるんですけどねw
しかし、背景は線多く、キャラは線少ないこの作品。背景とキャラの方向性が180度違うように見えて、実は同じ方向に向かっているはずです。…ってな事をつらつら書きながら調べてみるとこの作品、既に“実写映画”が準備されている観たいですね。2008年冬公開予定。そこまで含めてのアプローチと言えるのかもしれません。

…どうも一部ネットで「手抜き」のような話が流れていたりするようなんですが、基本的には「背景に情報が多いという事は背景に注目してもらいたい」はずだと思います。…作品で描かれている内容に沿って行けばその作品が“背景”をどのような位置づけに置いているかは分かるような気もするんですけどね。(また、仮に楽に作れる事があったとしても、それが作品の「愉しさ」を決めるワケではない。作品の「愉しさ」はかけたお金で決まらない)…とは言いながら風呂に入っているのにその背景のお風呂の栓が抜けたままになっているのは、ちょっと失態だったと思います(汗)w
ただ、たとえば動体の自動車などは、CGでは描いていないんですね。最近ではわりと珍しく手描きで自動車描いています。そういう静体は実写的に、動体は手描き…というのはすごく作品の意志を感じます。




まあ、そんなワケで「背景」と併せて「作画」のチェックにも入りたいと思いますwスペシャルアニメーターと銘打たれた沓名健一さんが一体どこをやっているのか。大変気になりますねえ…(汗)何かすっげえ特別な部分なんでしょうか?…雪の結晶とか?まあ、そこらへん分かりませんが、冒頭の「トマト食べる」のシーンはかなり特別を感じましたね。掲示画像はけっこう端折っちゃってるんですが(汗)その“所作”を描くのにどの線が選択されているか?(実写イメージが先にあり、写実的に描くなら引くべき複雑な描線があるとして、どの線を無視してそれが描かれているかという意味)そこらへんをイメージしながら観たいですね。




アニメだと「手は口ほどに物を言う」事が多いと思います。まあ、そこらへんは演技の世界とかでも一緒かな?とまれ、第一話でもう一つ特別に感じたのは「みちるの為に魔法を遣うソラの手」でしたね。…これ、EDで多分、小林治監督自身だと思うんですけど、かなり同じモチーフで「手」を描いていますね(画像、後の2枚)。素材も画の志向も同じはずなんで、その上で両者がどういった「線を選択」しているか?を観比べてみるのも「愉しい」かもしれません。



あと、第一話の「お母さんとソラの夕食」のシーンが好きなんですが、あのシーン、芳垣祐介さんとの事らしいですねw(食卓の料理の描込みも多分、そうなんでしょうねえ…ちょっと割愛しましたが)…そうすると第二話の「重い荷物を持って階段上がるソラ」のシーンも芳垣さんだな!ちくしょっwこの二つのシーンすっごい好きですwこれはこれで、ロングにおいて、どの線を選ぶかという一つの回答なんだよおお!!(←そうか?)