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#254 作画チェック ストライクウィッチーズ第5話 はやい・おっきい・やわらかい
投稿者:ルイ [2008/08/03 19:21]
公式サイト:http://s-witch.cute.or.jp/
脚本:浦畑達彦
絵コンテ・演出:西本由紀夫
作画監督:小谷杏子
作画監督補:菅井翔
キャラ総作画監督:山川宏治
メカ総作画監督:寺尾洋之
原画:猪狩崇 田中宏紀 伊原巌 赤尾良太郎 阿部慎吾 秋田学 松山光治 清水博幸 新田知子 松浦力 鈴木彩子 赤井方尚 石井久志 三浦一樹 上田祐平 菅井翔



水着回!?違う、田中宏紀回だ!!
 えー、「作画チェック」というのも名目に過ぎず、実質は「田中宏紀チェック」だったりする今回です。以前「紅」のチェックhttp://www.websphinx.net/manken/come/dens/dens0086.html#503でも書いた通り、悪名高き「キャベツ」の作監として名を覚えられた田中さんも、今やTVアニメーターのスターの座に。何せ、素人目にも物凄く解かりやすい。画一枚一枚に記名性があって、しかも動かしていて気持ちがいい。更に最近「アニメージュオリジナル」に掲載されたその「紅」の原画を眺めると、意外や意外?田中さんは、線がかなり繊細な人でもありました。…失礼かな?wかなり動かし方に特徴のある人だから、顔の中なんかは適当に書き殴ってあって作画監督任せとか、凄まじいラフタッチとか、そういうものだと思ってたんですよね。そうしたら紅の原画観たら、何か、普通に綺麗な線で描いてらっしゃる…ということはキャラ似せもある程度可能(つまり萌え方面とも親和性が高い)という予想が立つわけで、最近評判うなぎのぼりのアニメーターさんなのです(キャラの全身捉えるようなロングのアクションの時は、何かうつのみや理さん並みに顔が死ぬ時があるんだけど…どうしてだろう?w)。

 …今回僕が貼り付けるのは「おそらく」全て田中宏紀パートから。そう言っておいてナンですが、今まで田中宏紀さんの止め画は観た覚えがないので、↑の静止画は軽く自信なかったりもするが…(笑)。ただ、髪の毛のこだわりと水しぶきは田中さんっぽいなあと。今後も全て「多分田中宏紀」オンリーでいきますので、違うとわかったら後で訂正していきたいと思います。あと、ワザとらしく「田中○○」で紹介していきます(笑)。


田中髪


 田中宏紀作画の代名詞にもなりつつある、髪の毛。今回田中さんはストライクウィッチーズ5話Bパートを、頭から真ん中あたりまでやってらっしゃるけれども、この髪の毛で「あっ!?」と思った方も多いのではないでしょうか。僕は最近追っかけてるから、最初の走りで気付いたけどね!(ただの自慢)こんなにアニメーションなのに髪の毛バラバラに描いて大丈夫ですかメチャクチャ大変ですよ、という田中ヘアー(エロいな←そうか?)は、登場した瞬間作画タイムが始まった!と玄人以外にも感じさせる力に満ち溢れています。


前回の紅チェックから、田中髪らしさ溢れる所(一段目)。前述のアニメージュオリジナルでも、このあたりも掲載されていました。ミュージカルが始まる前のカットながら、髪の毛見れば一発モロバレです。演出的には対比するはずの二段目との拘りの違いに気付くでしょう。こっちは田中さんじゃないんですよね、多分。


田中走り

 多分、今回の田中宏紀さんパートはこのあたりから。この走り方もかなり特徴的で、作品がプリキュア5だろうがなんだろうが、この走り方が基本にありますね。肩を入れて、関節から先を流すような、不思議な走り方をします。だから腕の先はブランブランしているように見える。女性の走りとしての相性は悪くないんですけど、プリキュア5で観た時は「変なの」って思ったなあ。こうなってくると、男性の走り作画もじっくり観てみたい所。
田中手先(芝居)

 いよいよこじつけっぽくなって参りました(笑)。実際上の「走り」に通じる話なのですが、腕を楽に使いながらも手先だけが妙にこだわった描き方をする人で、それが妙にしなを作っているように…いや、単純に、芝居がかったポーズに見えるんですね。上のシーンは、シャーリーを追いかけて走ってきた宮藤の眼前に、出撃してきたシャーリーがニアミスというシーン。4枚目の左手が、まさに「田中手先」そのものと言えよう!(苦しいなw)



 「紅」より、田中手先横溢のシーンを抜粋。

 その後に追いついた、このなんでもないリネットの動きにすら、田中印が刻み込まれていますねえ。特に一枚目の手首の曲げ方を「溜め」にできる人はそんなにいないはず。


田中水

 ここは個人的に新発見のゾーン。あまりエフェクト作画の印象はなく、とにかく「髪の毛がエフェクトしている!」の人だった田中宏紀さん。しかし考えてみれば、髪の毛エフェクトさせられるなら、本家本元も描けますよねえ。髪の毛表現に通じる、大胆にして繊細な水作画。時期的に、ある意味「ポーニョポーニョポニョ」への返答みたいなものでしょうか。ゆったりと波を描きながら、纏まった水は大胆に。細かい飛沫は繊細に。素晴らしい水だ。

 水がはねるというエフェクトらしい部分に限らず、こういったクロールでの波の表現も非常に達者。細かくはねている水が…田中さん始まりすぎワロタw←?またこのシーンで少し見えてますが、水面下での体の描き方は、絶妙にゆらゆら作画系になっていてたまりません。

 そのあたり、水面下の線や波の気持ちよさがよくでているカット。3枚目の水だけで画面を保たせられたら、今日から貴方も水面メーター(?)。


 一段目は飛び込んだ時の水面から上、二段目は下。この描き方を見ていると、爆発作画も普通にいけるんじゃないかという気すらするなあ。


 田中水と田中手先が高い次元で融合した作画(そうか?w)水の中という事で、意識的に違うゆらゆらワカメな描き方をしている宮藤たちが、何か当代の「モロバレ系原画マン」の1人である崎山北斗さんみたいだ。このあたり、水の描き方の共通性から全て田中さん、というアタリをつけています。


 と、いうわけで。基本的に水着やエロアングルや胸関連の作画はほぼガン無視してみました。正直、この「ストライクウィッチーズ」の見せ方って、個人的には気持ち悪くなるんですよね。設定でエロ(スク水やネコミミ等)を防備するあたりの業の深さに、ナチュラルに引いてしまう。…けどまあ、そんな中にもこういう発見はあるわけで。自分にとっていいもの、素晴らしいものだけに包まれたいなら、アニメを全体的に追っかけるなんていう荒行(笑)はしてもしょうがない。こういう、受け容れ難いものからも何かを見出そうという気合を、なるたけリアルタイムで(本数多すぎて遅れてきてるけどorz)追求する事を己に課す。雑誌掲載の全作品読む事にも通じますけど、結局ある意味で、自分を試すチャンスなんですよね、こういう作品は。世界の全てが自分にとって素晴らしいものだけで形成されていないという事実があるなら、そこで取りうる選択肢は主に「素晴らしいものだけを集めてそれ以外をカットしたい」という、その選別の効率化・スキルアップを図るか、「それほどでもないものにも独自の良さを探し、自分なりの咀嚼法を見つけ出す」という、自分の受け容れ方を追求するか。その、後者の修行なんですよね(前者は、多分皆普通に持っているものだと思います)

…だから、うん。しょうがなく、本当にしょうがなくみてやんよ。仕方ないなあ(*´д`*)←!

※まあ、誰も強制してないんだから、結局「観たいから観る」のです(笑)。