投稿者:ルイ
題名:true tears
一言:☆☆☆☆☆:(全13話)物語というのは始まりと終わりがあるけれど、それがイコール人生の始まりと終わりであるとは限らない。寧ろそうではない物語の方が多い。という事は、その物語は「描かれるに足る=劇的な時期」ではある一方で、「それすらも日々の一部」でしかない可能性がある。・・そこを、見事に描ききってくれた作品でした。13話で紡がれた物語が、全て「第1話の前」に還元されていく様。でも、それは13話の物語への軽視には繋がらない。この13話で得た人・心、色んなものを背負って、大事にして、それでも「彼」は物語の前の、いや正確には「既に始まっていた物語」にそれらを持ち帰っていく。美しい涙を残して。   まあ、素晴らしい作品なので、是非観てください。1つの、こじんまりとした、でもハッキリとした人間賛歌だと思いました。 余談ですが、本来「くっつくヒロインは逆だった」というのは、この「13話」をどこまで人生の中で突出させるか、という選択にほかならないんですよね。丹念にキャラを追い、積み上げてきた彼らの結論は「彼らは生きている」だったという事になるのだと思います。13話の為に生んだのではない(勿論、ある意味ではそうなんですけどね)彼らは既に居て、これからも在る。「キャラが生きている」という形容は良く耳にするけれど、それを本気で作り手が思うという事はどういう事なのか。感動させてもらいました。

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