投稿者:ルイ
題名:かみちゅ!
一言:☆☆☆☆☆:(全16話)少し前に、DVDで全話観ました。枡成監督が「神様が(は)中学生」ではなく「神様で中学生」なんですよ、と言われていて。まさにそこが重要な作品。この作品にとっての神様は、少年少女が世界に繋がる為の能力でもなんでもないんですよね。「セカイ」の匂いはしない。失礼ながら、自分には『女子中学生を描きたくて、でもオッサン達にそのものを描ける自信がないから、それを設定付与で誤魔化す』・・・というか、もっと直裁に言うと、「世界には神様で中学生なのはここにしかいねえだろ!だから、俺たちにそのもの”女子中学生”は描けなくても、”神中学生”はここのオリジナルだ!!だから描ける!!」・・・みたいなね(笑)。そういう、照れと憧れの産物、あと勿論作劇の為のギミック、ネタとしての神様、という設定に見えて・・・大きい設定が大きい状況に全く結びつこうとしない姿勢が、面白かったです。この辺、ギミックの追加と時代性(こちらは80年代という自分の世代に寄せる事で、リアリティーを確保しようとしている?)でリアリティーへの自信の無さを凌ごうとしていて、言い換えれば「わからないまま男視点で突き進まない」あたりに、枡成監督と脚本倉田さん、あとプロデューサーさんですか・・の、チーム「ベサメムーチョ」の、慎みのあるオタクとしての姿勢が浮かび出ていてwなかなか好感が持てるものがありました。って勝手に妄想されてそれを元に好感抱かれてもアレでしょうけど(笑)。実際この作品に「萌え」を感じるにしても、それは奥底から立ち上るように現れるものであるはずで、表層的にはリビドーは感じられないと思うんですよね。今妄想したように、底の方にはドロっとしたものはあると思うんだけどwその辺の距離感が、そのもの作り手への信頼感に繋がる・・・そういう、作り手と視聴者とがニヤリと共犯関係になれるような、良い作品でしたね。結果、リアルとは言えないけれども、ただの妄想とも言い切れない・・・妄想の産物のくせにwとても興味深い、架空ノスタルジーを内包した作品になっていました。宇宙人の話、弟妹家出の話、コタツから出ない話、出雲に出向く話が好きです。DVD特典話も、クオリティが全く落ちていない寧ろ上なのは素晴らしかった。

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