投稿者:ルイ
題名:{{イタズラなKiss}}
一言:☆☆☆☆☆:(19話・CRAZY FOR YOU)素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい1話。結婚エピソードよりもクライマックス。この作品のキャッチコピーは「愛されちゃってザマーミロ」という事ですが、これは間違いです。っていや、公式なんですがwそれよりも次回予告の最後、琴子によって呟かれる「絶対ハッピーになるからね」。こちらが真のコピーでありテーマでしょう。この宣言は、琴子という特別な何かを持っているわけではない女性からの、物語の神への、そして天才・入江直樹への挑戦状です。彼女がこの認識・イメージに沿って物語を「攻める」事で、イタズラなKISSというものは始まり、動いてきた。・・・けれど、やっぱり琴子は特別な人間ではない。徹頭徹尾「ハッピーになるからね!」で攻め、それを貫けるなら、それもまた一つの「認識の天才」じゃないですか。・・・でも、そうですらない。揺らぐ事もある。今回、入江とのコミュニケーションが上手くいかず、啓太に言い寄られた時のように、受けに回り、イメージが崩れそうになる時もある。そこまで、彼女は強くない。が、しかし。そんな揺らいだ時にこそ、普段、普通の少女が頑張って積み上げてきた「絶対ハッピーになる」認識が、蓄積結果として彼女を逆に引っ張りあげてくれる。それが今回の、入江くんによる嫉妬の自認であり、そこからの「俺が本当の自分になれるのは、琴子の傍にいる時だけだ。お前に琴子は必要ない。必要なのは俺だ」に結実するんですね。(琴子にとって俺が必要、ではない事が重要)更に突き詰めれば、その入江の認識にたどり着かせたのは、そんな懸命な琴子を長年観てきた金ちゃんによってなされるというのも・・・。これは琴子がただヒロインの座によって得たものではない。その証拠に、物語の開始時に、琴子は既に入江にフラれているんですね。入江の世界に、琴子は居なかった、という事がスタート地点で明確に強調されている。それがここまでの積み上げの結果19話目、その入江によって「自分にこそ琴子が必要」と・・・自分を囲む世界は琴子なしでは成立しない、と大勢が観ている前で宣言される。・・・これ以上のカタルシス、肯定の瞬間なんて、そんなあるもんじゃないです。人の命は地球より重い、などと言う気はないけれど。人の認識を塗り替えるという事は、どんな壮大な物語にも勝るとも劣らないドラマです(ちゃんと描けば)。その、極み。それを前述の「そこまで強くない」少女が、その中での最大限の強さでもって、相手や周りからのリターンなども得ながら、手繰り寄せている物語なんですね。 さて今回の次回予告、いつもの「絶対ハッピーになるからね!」が、看護学校の仲間全員によって口にされました。次回が看護学校卒業という事ででしょうが、それは同時に琴子の「ハッピーになる認識」が伝播した証拠、とも取れる。あとは物語全てをその認識が染めるのを、見守るのみです。・・・最終回前には、琴子と直樹の2人で「絶対ハッピーになるからね(な)」、あるいは直樹オンリーで「絶対ハッピーになろうな」かな・・・(妄想中)。とにかく、それほどこの次回予告のセリフは強い。物語を全部締め、背骨を通すような一言。これがキャッチコピーでなくて、一体何だというのだろう。 既に十分長いので割愛しましたが、啓太を単純な敗者にしない演出や幹の素晴らしいフォロー、金ちゃんと直樹の交流など、見所にあふれた一遍でした。「フラワーオブライフ」アニメ化の折には、シゲ先生は幹役の斎賀みつきさんですね、わかります。
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