初心表明 投稿者:LD [2001/09/03:00:40] |
GiGiさんの方(正確にはGiGiさんのご友人)から 「漫研」がどういうスタンスのHPなのか分かり辛いのではないか?という意見が出まして… んんんんんんんん、そうかも(汗) もうちょっと、これ!といった特定のタイトルかジャンルをフォローするような作りだと分かり易いのでしょうけどね。とりあえず、少年誌は毎週読んでるみたいですが(笑)結局、いろいろやりたいHPなのですよ。でも、全てをカバーできる程、体力があるわけでもない。 そんなわけで、ちょっとトップページの文面を変えようかと考えていますが、さてどうしたものか…。 間を持たせるために、ちょっと初心にかえる話を。 昔、“アニメック”という雑誌で、池田憲章さんが「(日本特撮映画史)SFヒーロー列伝」というコラムを書いていて、まあ、題名通りというか特撮ヒーローの事を毎回取り扱い、再評価のような作業をしているのですが、これを大事にスクラップしている先輩がいまして。見せてもらう機会がありました。昔ね。 で、「仮面ライダーの章」に入ったとき。池田憲章さんは、ライダー世代とちょっと違うと言うことで、基騒さんと中村学さんが付け足しでライダー世代としての仮面ライダー考を書かれていたのですが。 この付け足しにちょっと感動がありました。 一般に「仮面ライダー」というのは“初期13話”がよいと言われています。庵野監督とかも何ぞのインタビューでそんな答えを返していたと思いますが。何で評価が高いのかと言われると、石森章太郎先生の持つ“孤独の戦士”といったテーマ性や、ショッカーの“怪奇性”を持つ世界観を、よく反映させているからです。 キチンとミニチュアを組んで特撮を行うウルトラマン系円谷の特撮ファンからみれば、ほぼ着ぐるみオンリーで脚本も毎回似たりよったりの「仮面ライダー」は端モノ扱いを受けてきた経緯があります。これに対抗する手段として、ライダーファンは(か、あるいはウルトラ世代の解釈法として)“初期13話論”を持ち出してきたのではないかと僕は思うのです。「仮面ライダー」の評価をウルトラシリーズに比肩し得るところまでもって行くために、石森世界の再現を目指した“初期13話”を中心に持ち上げる理論を構築するのは、ある意味“近道”という面があったのではないかと思われます。(この近道というのが曲者なのですが、これはあとで書きます) 上記した事の一つ一つの細かい解釈については再チェックの必要がありますが、今回はそれが目的ではないので話を進めます。 僕自身もこの“初期13話論”を無批判に受け入れていました。言い訳するとビデオなどで確認するのも困難な時代でしたし、それだけにムックなどの文言にはかなりの威力がありました。 しかし、中村&基さんの展開したライダー論の論旨は、ある意味この“初期13話論”に対立するものだったのです。 「第一期ウルトラシリーズなどの評価で、脚本力の高さなどが取り上げられるわけだが、ライダーを同じドラマ面からの視点で評価を下すのは正しくない」 「ライダーファン自体が『今の作品に比べてライダーのストーリーはしっかりしていた』だの『宇宙刑事よりドラマがあった』だの言っていてはライダーの本質にはさっぱり近付けない」 といったような話だったと思います。 その時、その瞬間に衝撃を受けたわけではありません。この文章の中で展開されたライダーの面白さは「言葉ではいい表せん!」に近いものだったので、よー分からんと言えば、よー分からん文章なのです(それが的を得ているとも言えるのですけど)(笑)でも、まあビデオなどで確認する機会が増えて改めて「仮面ライダー」の“面白さ”に触れてみて、ああ、そうなんだなあ…、と思わされました。 結局、“初期13話論”は個人の好き嫌いは別としても、大ヒットした「仮面ライダー」といいう作品の本質に迫るものではありませんでした。僕にしても“悲劇”だの“怪奇”だの“孤独の戦士”だのといった、自分の好きな言葉をつなぎ合わせて悦んでいただけで、「仮面ライダー」の面白さをなんっにも解き明かしちゃいなかった事に気づかされたのです。 本当は先輩特撮ファンであるウルトラ世代の口撃に対抗するために組み上げられた“初期13話論”だったと僕は予想するのですが、ちょっとの“近道”が、そのライダーファンをして「13話以降は取るに足らないね!」と言い捨ててしまえるような危うさを持っていました。(今、この“初期13話論”に沿っているおたくはそんなにいないと思いますが) 時が経つにつれ「ああ、“熱気だけ”の何が書いてあるか分からんような文章だったけど、あれには教えられたんだなあ…」と思うようになりましたとさ(笑) じゃあ、そのライダーの面白さってのは何なんだ。というのはまた別の機会にみっちり書くとして…(笑)特撮の話だけでは何なので、別の話もしましょう(笑) 昔、「機動戦士Vガンダム」という作品がありまして、一段落したガンダムシリーズをもう一度はじめる第一作目にあたる作品なのですが…僕はこれが非常に気に入らなかった!(笑) 「Zガンダム」の時もそうなのですが、始まる前はいろいろ応援するような事を言っておいて、はじまってしばらくするとすぐにダメを出す(笑)ファーストガンダムを信奉しているのが要因でしょうが、「どーも、今イチだな。中途半端だなぁ」みたいな事を言っていたんですね。 そんなある日(笑)友人の一人が「Vガンダム」の同人誌を買って来まして。筆者の名前も覚えてなくって、多分女の方だと思うのですが、何の気なしに手にとって読み始めたのですよ。 そこにはこう……、登場キャラクターの“カテジナさん”がいい!という話が延々書いているのですね(笑)この女が主人公のウッソ少年をいかに鬱陶しがるかがポイントです!みたいな事を(笑)それを一心不乱に数ページに渡って書き連ねてあるので、その熱気にふっと、失笑を覚えながら「ふぅん、そんなもんかなあ」とか思いながら、そこでは本を置いたのですが…。 スイッチが入ったのはその週の「Vガン」を観た瞬間。 「ぁぁぁぁぁぁああああああああ!!その通りやぁ!!(爆)」 “カテジナVSウッソ”面白過ぎるやん!なんでぇ?気がつかなかったの!!不覚!不覚過ぎる!目から鱗が落ちるとはこの事かぁ! …まあ、この後半、本当にストーリーの流れ自体が符合して行って、カテジナさんがウッソ少年に水着のお姉さん部隊をぶつけたりして、僕は打ち震えるように堪能しておりました(笑)いずれにせよ、最終的に「Vガン」大変楽しく観させていただきましたし、その後の「Gガン」…「Gガン」は別個の作品として楽しんだとしても、系譜となる「ブレン・パワード」あたりの観方は随分変わったと思います。僕が影響を受けやすいだけという事もありますが(笑) こういう失敗をしなくなったとは言いません(笑)ただ、ものの観方や考え方が変わる瞬間というのがありますよね。これがすごい気持ちいいわけです。自分の意見を言いたい、人の意見を聞きたい。このHPやってる理由はそんなところです。だから、いろいろやったり知ったりする余地は残しておきたくなる。…で、いろいろやって中途半端なページになるのですが、まあ、そこはちょっと対策を考えます。 そんなところです。 |