取り急ぎ現在の状況を説明します。
WARNING!
 できれば「特攻天女」をはじめから読むことをお勧めします。天野や高村や遊佐の魅力に触れてから次の章に移るべきで、いきなり下の文を読むのはマンガの手順として、ちょっと好ましくないかも知れません。


 あのね、天野瑞希高村大遊佐明仁の三人は昔すっごい悪だったの。(今も暴走族とかやってるけど)自己の快楽のためだけに破壊行為をくりかえし、そのために他人がどんなに傷付こうとも意に介さない。それで三人で組んでやった遊びの中に、仲の良いアベックを襲って「これからこの娘を暴行するけど、あなたが死んで見せたらやめてあげる。彼女を愛しているならやって見せて」ってのがあったんだ。
 しかし、そんな彼らが「和泉祥」という少女に出会うことによって、少しずつ変わっていくことになったんだね。純粋で真っ直ぐな心を持つ(つきあいでヤンキーやってるような娘だけど)彼女を見守ることによって、彼らは「優しい気持ちになる」という喜びを知ってしまったんだ。もう、この少女なしの生活は考えられない、という程に彼女を愛してしまう。
 「しかし、もし祥が“昔のコト”を知ったら、きっと自分たちの前から姿を消してしまうだろう」
 祥と、冗談言ったり、ケンカしたり、泣いたり、笑ったりしながら、彼らのその不安が消え去ることは決してなかったわけなんだ。

 それが今、知られてしまった!かつて彼らが襲い、恋人を殺された娘「姫月ゆうこ」の復讐によって!


「特攻天女」主要人物
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和泉祥(14)本編の主人公。レディース「夜桜会」の特攻隊長をやっている(でも、バイクには乗れない模様)かなりのケンカ好きで、美少年を見ると見境なしに惚れてしまう。彼女を一言でいうなら『仲間を一番大事にする娘』。これが優先的で社会の規範などは意に介さない。でも“間違ったこと”も大嫌い。“人が死ぬ”のも大嫌い。世間の規則に縛られない代わりに『自分なりの筋の通し方』を身につけてる快少女(笑)
天野瑞希(17)天野財閥の一人娘。祥のいる「夜桜会」の総長。14才ぐらいのころに愛した人を引き離されたらしく、それ以来『狂って』しまった。祖父に国外に出ることを禁じられ、戦場の医療所へと行ったその男を追うことが出来ない彼女は、日本国内に“戦場”を求めたが、この平和な国に“戦場”などあるはずもなく、結局、罪の無い人々を襲い、自分の心の中にある破壊衝動を只々満足させるだけの毎日を送っていたようだ。レディースを結成することによって“戦争まがい”のことができる(あるいは情け容赦無く潰してもそれ程問題にならない)と知ってからは、さすがに一般人を襲うことは止めた。そんな時、和泉祥と出会い、そこまで暴走した自分の心に“歯止め”を利かせてくれる彼女を、とても大切にするよになる。
高村大(17)千葉県最大の暴走族グループ「鬼面党」の党首。社会の規範を無視し、それをそのまま通してしまう程の圧倒的なパワーとカリスマを持っている。“敵”に対しては狂暴で恐ろしい男だが“仲間”に対しては無邪気で無防備な一面を見せるため、そこに魅かれる人間が多いようだ。暴力的な活動が好きで好きでたまらない男だったが、自分に初めて“負け”を感じさせた和泉祥にゾッコン惚れてしまい、それ以来ものの考え方や感じ方が少しずつ変わっていく。
矢野晶(16)「鬼面党」の親衛隊長。かつて高村と過ごした時間が忘れられずに、高村を追って女人禁制の「鬼面党」に、“女”だということを隠してメンバーになった。しかし自分のことをまるで覚えていない高村に“応え”は全て諦め、ただ一方的に尽くすことを心に決めた。望みは『高村のために命を捨てること』。
伊沢吉成(17)「鬼面党」の副長。アキラが好きなのだが、彼女が女であることを隠しているため、いろいろな意味で金縛り状態(笑)とりあえずこの人もひたすらアキラを見守ってる。高村とは中学以来の親友で暴走する高村に「自分が“歯止め”をしなくては」と思っていたが、結局それをすることはできなかった。
遊佐明仁(17)「鬼面党」の特攻隊長。高村とは小学校以来の親友で、高村に負けず劣らず強暴な内面を持つ。どうやらこの二人の“歯止め”は高村の母親が利かせていたようだが、彼女が死んでしまってからはそれが一気に爆発した。中学時代はこの遊佐と高村と瑞希がつるんで、破壊的快楽を満たしつづけていた。その後瑞希にふられて、日本一周の旅にでていたが、帰ってきたらけっこう人間丸くなってた(笑)自分のことをやたらに嫌う伊沢をからかうのが好き。今はタコ焼き屋の兄ちゃんをしてる。

《ちょっと関係を整理してみましょう》
 は“強くてカッコいい”瑞希に『懐いて』いる。高村には、祥にしては冷たい態度をとるが、一度“ダチ”と認めたら嫌いになれない性格だけに、むしろ脈があるとみていいのだろう。瑞希は祥を『必要』としている。彼女がいなくては精神の安定を失う自分を知っている。ただ他の仲間はヒマつぶしにおちょくる相手ぐらいに思っている。高村は祥を『愛して』いる。最初は「なかなか捕まらない女」程度だったんじゃないかと思うが、とにかく今はそう自覚してしまった。しかし祥の方(“ダチ”だから嫌われてはいないものの)は本当のところ恋愛というものを知ってるかどうかさえ疑問な状態だ。

姫月ゆうこ(18)三年前、瑞希・高村・遊佐たちの『遊び』の巻き添えをくらって恋人の「和くん」を死なせてしまった。犯人を捕まえることさえできなかった彼女はそれ以来“自殺未遂”を繰り返す。そんな時、運命的に祥と出会い。運命的に瑞希とすれちがう。祥の友人の瑞希が「あの瑞希」であることを調べた彼女は、彼らの幸せを破壊する復讐者となった。
清宮正和(享年15)三年前、暴行されそうになった姫月を助けるため「彼女を愛してるなら死んで見せて」という瑞希の要求をのんで“舌を噛んで”死んだ、優しい少年。
清宮誠(17)正和の弟。あの事件以来、自殺することばかりを考える姫月を見張りつづけていたようだ。
ユエ謎の金髪女性として暗躍していたが後に姫月ゆうこのもう一つの人格と判明する。「鎧」の総長・藤生重慶をとりこんで瑞希・高村・遊佐たちに対する復讐集団「月下仙女」を生み出す。
藤生重慶(?)茨城最大の暴走族・「鎧(ガイズ)」の総長。強烈なカリスマを持ち「鎧」のメンバーは全員藤生に心酔しきってるという。高村大との戦いを待ち望んでいた男でユエの誘いにのって「鎧」から「月下仙女」を旗揚げする。
山崎鴇彦「月下仙女」の親衛隊長。子供のような立ち振る舞いで、フジオを慕っている。
南千里(?)代々、天野家の警護をしている家の者で、今は瑞希の影となって、彼女の要求する様々な任務をこなしている。
迫水雪子(18)「夜桜会」副長。普段はお祖母さんの駄菓子屋を手伝っていて滅多なことでは召集されない。ものすごい怪力の持ち主。
森茜(15)「夜桜会」特攻隊長補佐。祥の大親友でかなり気風のいい性格の持ち主。作中負った怪我で額に大きな火傷の痕がある。
神崎留華(16)「夜桜会」特攻隊長補佐。元々はお嬢様学校でいじめられっ子だったが、切れて大暴れして停学になった過去を持つ。瑞希に救ってもらったらしいが・・・
藤原和美「夜桜会」親衛隊長。(17)
花井里佳子(16)「夜桜会」親衛隊長補佐。その気になればすぐに軟派されるという特技をもつ。
黒川直紀高村とは腹違いの兄。独自の麻薬ルートを持ち、暴力団組長の後継者としてのプライドが強い。高村を異常なほど執着する。(?)


単行本ダイジェスト

第1巻 “和泉祥”登場〜“直紀”編 「鬼面党」党首・高村大が祥に惚れたことにより物語は始まり、祥は男装の“族”矢野晶や高村を溺愛する異母兄・黒川直紀とちょっと変わった人達と知り合って行く。
第2巻 “ナナ”編 かつて瑞希の敵であり高村の恋人だった女「山岡ナナ」が少年院から出所し、二人の弱点である祥を潰そうと計略を練るが結局はタイマン勝負に・・・
第3巻 “勇樹”編 高村が入院した病院にいた少年「田代勇樹」と祥は友達になるが不治の病に冒されていた勇樹はやがて死んでしまう。茫然自失となる祥がどうやって立ち直るか。
第4巻 “ルカ”登場編 「幽霊屋敷」の話から、お定まりの「バレンタインデー」。祥と直紀の奇妙な「共同戦」に高村の“過去”と1話完結的な話が収録。
第5巻 “ポリレンジャー”編 “ポリレンジャー”編開幕。一般学生の謎の暴走族狩りから、「カイ」の彷徨まで。
第6巻 カイを助けてしまった祥は次第にカイに心が魅かれて行く。そこへ「サカキ」が現れる。
第7巻 祥から離れる前にカイが語るサカキの過去。そして祥は決戦の場へと向かう。
第8巻 祥とカイの最終決戦。そしてそれぞれの思いを残した決着。
第9巻 “ポリレンジャー”編終幕。その後いくつかの短編のなかで、瑞希が国外に出る事を禁じられた身である事が語られる。
第10巻 “遊佐”登場編 帰ってきた「鬼面党」特攻隊長「遊佐明仁」に、これまでの関係に微妙な揺らぎが入る。そして遊佐は反鬼面連合を・・・
第11巻 “千里”編 反鬼面連合のことに一段落した高村は祥が海水浴へ出かけたと知って海へ、一方祥は瑞希の別荘に出没する謎の男と知り合っていた。
第12巻 “兎の直”編 夏の終わりのちょっとした日々を収録。そして祥は知り合った弱小暴走族「兎」の生き残り「児玉直」が高村とのタイマンを望んでいると知り、何とか叶えてやりたいと行動を開始。
第13巻 “兎の直”完結編〜“アキラ”入隊編 タイマンを終えた直は茜に告白する。その後、アキラの鬼面党入隊当時のことが語られる。
第14巻 “姫月”登場編 ある雨の日、祥は自殺を望む美少女「姫月ゆうこ」と出会う。そして一方で、瑞希、高村、遊佐の暗い過去が明らかになって行く。
第15巻 安息編 祥とユキの出会いなど短編がつづられるが、あきらかに嵐の前の静けさの色合いが強い。
第16巻 崩壊編 祥と姫月ゆうこの再会によって瑞希、高村、遊佐の犯した罪業が祥の知るところになり、祥は高村たちと決別してしまう。
第17巻 愛憎編 謎の女ユエと突如現れた集団「月下仙女」登場。果てしなき殺意を撒き散らすユエと瑞希によって、事態は一大抗争の様相を呈してくる。

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