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『ご馳走さま!』 |
現在、チャンピオンで連載している僕のお気に入りのマンガ「虹色ラーメン」の母体となるマンガであるところは間違いないと思います。「虹色ラーメン」と同じく、新横浜ラーメン博物館の武内伸さんの協力の元に制作されています。
ちょっとでも不味いものは食べる事ができず、それを極度の偏食と思いこんで、背中を丸めて生きている主人公・仲谷内健悟。…まあ、極度の偏食なんですけどね(笑)それが、一たびラーメン作りをはじめると、何かに捕り憑かれたようにスープを煮込み、昇華させて行きます。恐ろしい恍惚の表情を浮かべて(笑)
それだけなら一心不乱ないい人なんですが、性格にちょ〜〜〜〜〜っと難があるかも知れない。
自分の方が美味しく作れた→相手の料理が下手だった→不味いと感じた自分が正しかった
…という事になってくると次第に態度でかくなって行きます(笑)
よかったのは味を盗まれて上を行かれて、打ちのめされている相手に追い討ちのこのセリフ!「妹さんのおかげでわかりましたよ。オレはとんこつラーメンが苦手なんじゃない…
マズイとんこつラーメンが食べられないだけなんだ―――――ってね」
…多分、人が一生懸命つくった料理でも、ちょっと不味いところがあったら食べられずに吐き出しちゃってたんでしょね。そんな真似をすれば当然、人から嫌われるわけで、それを普段は「オレってダメな奴だ」と卑屈に生きている。その反動なんでしょう(笑)
最近「虹色ラーメン」の主人公・太陽くんが仲谷内さんと同じような“目つき”をしたので、僕はもうすっかり太陽くんは仲谷内の子供だと決め付けています(笑)いや、太陽くん、お父さんいないもんで(笑)
作・馬場民雄 白泉社 ジェッツコミックス 全一巻