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『風雲児たち幕末編(3)』

投稿者:LD ☆☆☆☆☆ [2003/07/07_02:19]
しつこく「風雲児たち」の宣伝です(笑)
いよいよ浦賀に現れたアメリカのペリーの艦隊と、一歩遅れて後を追うロシアのプチャーチンの艦隊の対応に苦慮する幕府首脳と、乱世の幕開けを告げる黒船の出現に震撼する風雲児たちの様子が描かれます。

ここらへんから、コミック・トムでの“幕末編”として描かれた「雲竜奔馬」との重なりがあって、両方併用して読むと面白さが増す…というか、ちょっとでも多くの情報が欲しいと読まざるを得ない感があります(笑)
先に「雲竜奔馬」でやって事は「幕末編」で省いたり、「雲竜奔馬」で省いた事は「幕末編」でやったりしていますので。
その「雲竜奔馬」を読み直してやっぱり好きなのは、ペリーが二度目の来航をするまでの間に執念の突貫工事でお台場の砲台を築き上げた、江川太郎左衛門と斉藤弥九郎のカッコよさとその時の会話

(礼砲を打ち込んだ黒船に対し)
斉藤「やつら、やはり野蛮人だな。礼砲とか言ってもこれは脅しではないか」
江川「いやそうでもなくてな。この習慣ができた頃の大砲は火縄銃と同じでな、一発撃つと火薬を詰めなおすのにやたらと時間がかかったのさ。だから、港に入る前に一斉射撃をしてしまえばしばらくの間次の攻撃ができない。…つまり自発的な武装解除の意味があったわけだ。だから礼砲も撃たず至近距離に入ってくるような船は、宣戦布告とみなされ撃沈されても文句は言えないわけだな」
斉藤「ほう〜っ」
江川「礼砲があればこちらも打ち返し大砲の中をカラにする。それでお互いに攻撃の意思がないことが確認できるというわけだ」
斉藤「なるほど…しかし江川…やつらその習慣を知らぬ国にもそれをやるのか?」
江川「やるからこわい」
斉藤「し、知らなくても?」
江川「知らぬということを奴らは許さん。国際社会のルールも知らぬ野蛮国とみなされる。野蛮国なら攻撃も占領もおかまいなし、いやそうすることが正義だというのがあっちの言い分だ」
斉藤「んなバカな…」

いや、何かすっかり「雲竜奔馬」の宣伝に変わってしまっていますが(汗)一緒に読んだ方がより楽しいのは間違いないですね。

「風雲児たち幕末編」作・みなもと太郎 リイド社
「雲竜奔馬」作・みなもと太郎 希望コミックス

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