# おたく語会話(1)…“回る” 投稿者:LD [2001/09/09:23:28] |
「今週の一番」なんかで、LDやGiGiはよく“キャラが回る”(あるいは“ストーリーが回る”)という会話をします。これは一体なんなんでしょう?ちょっと不親切?というのが今回のお話です。 「マジック・ザ・ギャザリング(以下、MTG)」というゲームがあります。これ今流行りのトレーディング・カード・ゲームの家元的存在のものなのですが、“回る”というのはこのゲームを僕に伝授(伝道?)した友人が使っていた言葉です。MTGで一般的に使われる用語かどうかは知らないです(汗) ここでちょっとMTGというゲームについて簡単に説明すると、オリジナル・カード一枚一枚に書かれた“ルール”を駆使して対戦相手を“負け”と規定されているルールへと追い詰めるゲームです。基本的な構造以外は、そのカードに書かれたルールによってゲームは進められ、新カードの販売配布によってどんどんルールが追加されて行く事になります。当然カードの内容によっては基本的構造さえも脅かす場合があります。 たとえば「このカードを引き相手に見せた時点で相手は自動的に負けとなる」と書かれたカードがあれば、そのカードを引いた時点で自分の勝ちとなるワケです。実際は戦略もへったくれもなくなるのでメーカーはそんなカードを創る事はありませんが、たとえば「相手は手札を全部捨てる」と書かれたカードを使った後に「手札が7枚以下の場合、その差の分だけダメージを受ける」といったカードの組み合わせで相手を追い詰める。そんなゲームです。 このカードの組み合わせ(コンボ)に色々頭をひねり、時に相手がびっくりしたり、あきれかえったりするようなコンボを決めるのがこのゲームの醍醐味となるワケですが、これが中々難しい。誰もがあっと驚くコンボを発想してとしても、カードの枚数制限などで、思うようにコンボを発動させる条件がそろわなかったりして、あれよあれよという間に相手の猛攻の前に敗れ去ってしまいます。 こーゆー、手札が思うように動いてくれない時に、友人は 「このデッキ(山札)は“回らん”。組み直さなくては」 というような事を言っていたワケです(笑) カードの中には恐ろしく“強力なカード”、“個性的なカード”がありますが、こういうカードはそのまま使おうと思ってもリスクも大きく中々上手く“使い切らせて”くれません。そこで逆にそのカードの持っているリスクをリスクで無くするカードを探してきて組み合わせ、コンボを完成させて行くわけですが、つまりカードとカードの連携を強くし、時に、その主軸となるカードが上手く引けない時でも2の策、3の策、がそのデッキ(山札)の中に潜んでいて、相手を追い詰めて行く。 そうやってカード同士が有機的に繋がって、始めて自分の開発したオリジナル・デッキ(山札)は“回る”ようになります。 ここらへんの感覚がマンガにも近いかな?と考えたワケです。 マンガ(特に少年マンガ)は“キャラ立ち”が第一と言われています。しかしたとえば「サルまん」の“キャラ立ち”の項目で長ランのカラーが1mある男!というアイデアが出てきますが、これはキャラは立っているかもしれないが、おそらく“回らない”であろうという予想が立ちます。カラーが1mある事によって起こり得る事件のバリエーション(つまり、連携のパターン)が少ない事は想像に難くないからです。もちろん、カラー1mで湯水のようにアイデアが湧く人が現れたら事態は逆転しますよ?(笑) キャラを立てても周りのキャラとのかみ合わせが悪ければ“回らない”。あるいはストーリーとの融合が悪ければ“回らない”。逆に、いかに平凡なキャラであってもストーリー(やりたい事)をよく反映しているキャラならよく“回り”ますし、ときに観客について行けない程強烈なキャラに対し、没個性に見えても平凡なキャラを添える事によって、主格のキャラ自体がよく“回り”出す事もあります。 常に個性的であることを心がけて、出るキャラ全てオリジナルで有る事を強調するような作業は、モーターとモーターを直接噛み合せるようなもので、思ったほど馬力が出たり出なかったり(笑) たとい、どっかでみたような当たり前のキャラであっても、押さえる所にちゃんと押さえておける。(あるいは、そのつまんない当たり前のキャラをちゃんと動かせるかという面含めて)それ観て「いいい、トコにいいノ(キャラ)置いているねえ」という話も出てきます。 ここらへん総括すると以下のような会話が生まれます。 A「『××××』の○○○様が気に入ってるよ」 B「そう?拙はあんまし好きくない」 A「何で?“立ってる”じゃん!」 B「“立ってる”けど“回ってない”じゃん!」 ほりゃ!(笑)省くとこ省いてワケのわかんない会話になっている!おたくは大体これに近い会話を取っているのですよ。うんうん(笑)一つ分かったところで今回はこの辺で。レッツビギン!(←え?) |