#95 ルシオラは危険分子だったか否か 投稿者:ルシオラスキー・R(ルイ) <2005/08/21 06:29>
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<<<親記事] |
個人的には、彼女は作品世界において結構な危険存在に"なりかかった”と思います。 故にルシオラは、ほぼ完全退場せざるをえなくなり 加えて、完全退場という窮余の策をとってはみたものの 結局、GS美神の基本線=美神と横島(+おキヌ)という構図に 最後まで、完全退場のまま密かに陰を落とすような存在になってしまった。 ↑まーここは個人的印象に過ぎませんが。 消し去ってなお、ルシオラという存在が「かつて、いてしまった」せいで メイン3人(2人+1でもいいや)のエピソードを、読者の意識レベルから抑制してしまったような。 そりゃ読者が抑制しちゃってたら、作者も自然抑制するわけで(逆も然り) それが連載終盤の閉塞感に繋がっていったのかなーという印象なのです。 > >これがファイナルエピソードなら完全退場者もありだったでしょう。し > >かし「GS美神」はその後も続けたワケで、あるいは先の展開でもう > >ちょっと詰めてもよいハズだった美神VSおキヌという構図にすっかり > >ブレーキがかかってしまったかもしれません。 > > むむ、この段落、ちょっと意図が取りづらいです。できれば噛み砕いて説明していただければありがたいです。前半は「普段は“完全退場者”なんて出さない椎名先生も、ルシオラ編がファイナルエピソードだったならルシオラをそういう扱いにしてしまってもさして不思議ではない」というような意味でしょうか。そうだとして、後半はその前半をどのように受けているのか、イマイチ関連がよくわかりません。 ファイナルエピソードなら、完全退場しようがしまいが そこで物語は収束するわけで、全キャラに「結末」が与えられるうちの1つと思えば さして考えられない選択肢ではない。 そもそも、作品世界を壊す壊さないにも影響しようがないですし(終わるから)。 しかし、ルシオラが破壊者の素質をもっていたがために 「完全退場」の名誉(笑)を、ファイナルエピソードでもない段階で与えざるを得なくなった。 ところが完全退場してみたところで、既に描かれたエピソードが消えるわけでもなく 結果、美神やおキヌと横島、という当初からの基本トライアングルを ドタバタと描き続けるような余地が相当なくなってしまったかもしれない。 よって、ルシオラは確かにGS美神という揺るぎない職人的マンガ世界に 小さくとも風穴を開けたのではなかろうか ・・と、いう感じの論法かも。いや、これは僕がそう言っているというだけかも(笑)。 ここらへん、ちゃんと考えないと 多少タマゴとニワトリどっちが先か、みたいな部分になってしまいそうなんですけど 要素を挙げてみると ●何故ルシオラを退場させたのか という風に事象だけおっかけると、誰もが素直に思うように 「結局ワンエピソードのゲストヒロインなのであって、美神達がいる以上 そりゃ、このエピソード内だけのハッピーに決まっている」 という程度に落ち着くのですが (そして、椎名先生の当初の目論見はコレだけだったとも思う) ●ルシオラが明らかに予想外に、キャラとして回り主張しまくって、そういった 「ワンエピソードヒロイン」の座に収まらなくなりそうだった ・・というヤバイ流れに(笑)。 ここが、ルシオラ破壊者候補説のキーポイントだと思います。 LDさんの研究に詳しいので、細部は割愛しますけど 初登場時は、ルシオラに対してスポットライトを明確にあてているワケでもなく その時点では作者のスキルとして「まぁ、彼女達の1人と横島を使って 今回のエピソードのゲストカップルにしよう」という計算が及ぶ状況を保っています。 ところがルシオラが強く自分を主張していった過程で ・・特に個人的に「ここだ!」と思ったのは 「私たちの一生は短いわ。恋をしたら――ためらったりしない・・・!!」 ですかね。このあたりの叫びが、ルシオラの口から発せられてしまった時点で 明らかに時間のサイクルに全く縛られない(GS美神自体がそういう作品世界だったし) 美神、おキヌの感情を遥かに凌駕しているじゃあないか!という事が読者&横島にとっての確定事項に。 そうなると、「ルシオラはどうせタイムリミットあるから、そのうち消えるよ」 というだけの感覚では、足りなくなってくる部分があるハズ。 その”部分”というのは「残された横島にとって、彼女の占めるウェイト」 。 だって、ルパンは不二子ちゃんがいるからクラリスを結局スッパリ切るしかないわけで(笑) ひとエピソードのアヴァンチュール、として期間限定ヒロインを構築する場合は 決して、メイン構造に立ち入ったり、メインの立ち位置を奪ったりしてはいけないんですよ。 しかし、ルシオラの描写が深くなればなるほど (加えてルシオラに対して、横島が堂々と「理屈&感情」でもって応えてしまう程に) 彼女の最後がどうあろうが、ルシオラという存在自体が 横島、ひいては読者の中で強く残りすぎてしまう危険性が出てきた。 生きていては?→途中慌てて積んでいった美神との関係性(作品世界)が 一気に崩される事になる。積み設定もほぼ水泡。作者としては不安でしょうね。 僕はソレもナマモノ連載、アリだと思いますが(笑)。 では、死んだ場合は?→存在が消え、形だけ元の鞘に納まろうが、横島の中に想いが残る限り (言い換えれば、横島の中の「ルシオラ積み」が浄化(昇華)されない限り) 結局美神との進展がほとんど望めなくなる。 横島が望まないだろうし、読者の多くにとっても 「望まない横島」が自然に見えるほど、横島は情と理でもってルシオラを選んだから。 ・・外から見れば「元の鞘」でも、その元サヤが 非常に歪な、ムリのあるものに見える危険性が出てきた、ともいえます。 あ、美神ほどの「強さ」でこうなんだからいわんやおキヌちゃんです。 もう、完璧に消されますね、ええ(笑)。 と、いうことで。 あの窮余にしてスキルフルな、ルシオラの処遇が決定されたのだと思っています。 つまり、ルシオラが作品にとって危険ではないなら それこそ生かしておいて、ちょくちょく「ヨコシマー!」とか言ってやってくる 美神事務所ラブコメリリーフ、程度に収まる事もできたかもしれないし もっと言えば、あんな作家としての技量を使ってまで ルシオラと横島2人同時に、幸せでありながら関係性を綺麗にリセットする手腕なんて 発揮する必要・価値はないんです。仰る通り タイムリミットに任せて、素直に消してしまってもよい。 でも、できなかった。というわーけでー。 > >では「GS美神」の予定調和に完全に与し、その世界構造を何ら傷 > >つけるものではなかったかというと……一矢報いてるかな?と(笑) > >個人的にはそう思いますね。 僕もここに同意なのですが 「雨宮現象」 のように、結果をねじまげる事はできなくとも (ルシオラがノンストップで、エピソードに自然に沿っていけば 美神にほとんど勝ち目が見えなくなっていた展開を冷静に読み返しても ルシオラ×横島のカップルは「公式に」最後まで存在していたと思います) キャラ自体の埋蔵エネルギーは、それに勝るとも劣らないものだったために 椎名先生がブレーキかけようが、結果GS美神に影響を与えた(最初に書いたように) ・・・と、いう論法になるのかなと。 まーこれLDさんじゃなく、ただのルシオラスキーRがいってるだけなんで(笑) LDさんの返答は返答で待って頂いて 一方で、ルシオラを破壊者たりえると見るのは こういう風に考えるからなんだよー、という一例だと思って頂けると コレ幸いです。 しかし僕も読み直しましたけど・・強いなルシオラ(笑)。 よく頑張ったよ!椎名先生にスキルがあと少しなかったら 案外、生き残って本当に壊したかもしれませんね。 それほど、ルシオラと横島の関係は崩せそうにないほど 見事なまでに描写できていましたから。 |
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