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#179 【補足】Re:顕在情報と潜在情報
投稿者:いずみの <2007/01/14 19:36>
<<<親記事]
これもチャットで挙げた要素のひとつですが……。

顕在/潜在を、理屈/感情に分ける考え方もあって。

うしおととらの「いつかお前を食ってやる」やネウロの「このウジムシめ」という台詞は、何度も繰り返し説明される「顕在情報」であるんですが、「その言葉の裏にどういう言葉が込められているか?」「言い直すごとに、感情にどんな変化があるか?」といった繊細な部分を感じ取れるかどうかは、読者の潜在情報に左右されることが多いわけですね。

これは、スクランのように説明が少ないタイプの、少女漫画的なラブコメを読むのが難しいのは何故か? という話題から来ていたと思います。

最初GiGiさんは「顕在情報=早い情報」「潜在情報=遅い情報」と仮定義されていたのですが、「いや、女性の場合、理屈っぽい説明(明文化された顕在情報)を読むことの方を難儀がる人が多いし、むしろ頭の中に一度インプットした人間関係(感覚的にしか把握できない潜在情報)ならすぐに反応できたりするから、逆のことも言えると思いますよ」と考えたわけです。

・顕在情報=理屈的=左脳理解=男性的な読み方
・潜在情報=感情的=右脳理解=女性的な読み方

大雑把にこういう分け方をして、「男性が読みやすい漫画」と「女性が読みやすい漫画」が別れることも説明できるのでは、と(この場合の男女区別は、あくまで象徴的なものですが)。

漫画読み同士で「読み方が違う」時というのは、おそらく大抵は「キャラクターが感じているであろう感情」の想定が違っている場合なんですよね(「作者の意図云々」の衝突は、捏造に近いレベルなので別ですが)。

例えば、感情移入がオーバーフローしてしまって根拠のない妄想を作り上げてしまったり、逆に全くキャラクターの思考や行動原理、関係性などが読めずについていけなくなったり。

特に群像劇の場合は、「そのエピソードでは誰が主役で、誰の視点で読めばいいのか?」を見失うことで「読み所をハズす」ケースが多いんじゃないかと思います。

そういうのは結構、「この話は○○の視点で読めば解るよ」と言われれば解決する問題だったりはするんですよね。

それでも、特に男性は「複数の視点で読む」のが不得意な人が多いので、一度「読みを外す」と、最初から巻き戻して読み直さないと、一度固定しちゃった視点をなかなか切り替えられない……、みたいな事態に陥りがちな気がします。

そういう「潜在情報の固定化」をなるべく避けよう、というのが、この「顕在/潜在」概念の役割の最たるものではないかな、という所でまとめてみます。