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#226 マブラブオルタネイティブ 夕呼先生の倫理観
投稿者:GiGi <2008/04/02 12:29>
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さて、マブラヴオルタナティブです。今日は夕呼先生の話。オルタナティブ4の総責任者として、人類を救うためならあらゆる手段を厭わない冷酷非情な人物と思われがちな彼女の、倫理観についてです。

夕呼先生と伊隅大尉の最後の会話が…とても熱い!改めて読み返してみてやっぱりグッと来るんですが…それは、この、自ら地獄に落ちる事を覚悟して、自らの手を汚す事を厭わない女傑の、細やかな人間性がにじみ出ているからなんですね。とにかく、夕呼先生という人物は、優しい。より正確に言うと、人間の持つ可能性の力を、心の底から信じてるんですね。

改めて夕呼先生の立案した作戦を振り返ってみると、実は、特定の誰かが死ぬ事を織り込む事がないんですね。2つ、例外があるんですが、それはまた後ほど説明します。基本的には、どれほど死者が出る事が明らかな作戦であっても、それは作戦従事者が100%の機能を果たせばちゃんと生還出来るように組み立てられてるんですね。自ら生きようとする意志のあるものが最良の未来を引き寄せればちゃんと生きられる作戦しか立案しないんです。それは00ユニットの素体候補という実利的な面も勿論ありますが、それ以上にやっぱり夕呼先生が生来もつ価値観なんだと思います。

2つの例外、と先ほどいいましたが、その一つはタケル逃亡の際の、EX世界のマリモの死を織り込んでいた事ですね。もちろん、送り出した時点では「可能性」でしかなかったわけですが、理論が正しければ=計画が首尾よくいけば、そうなることは分かっていた。これは、夕呼先生の倫理に触れる作戦なんですね。だから、タケルの前に拳銃を差し出した。一線を踏み越えてしまった自分は、許されざる者なんだという判断をしたんですね。

そしてもう一つの例外。それはもちろん、桜花作戦ですね。もっとも、この作戦の立案は、鑑純夏によって行われており、確実な死が約束されているのも、00ユニット鑑純夏です。夕呼先生は、その意味を知りながら、どれだけ考えても他の方法がありえない事を理解して、作戦を了承した。

そう考えると桜花作戦のブリーフィング時の夕呼先生の物憂げな態度にも腑が落ちます。この作戦をして、私だったらこんな人道的な作戦にしないと嘯くのは、せいいっぱいの強がりだったのかもしれませんね。

事後の別れのシーンで再び拳銃を取り出すあたりも、符合するところではありますね。それでもやはり、死に値する罪だと、思っていたという事なんでしょう。

作中で繰り返し繰り返し語られる「強く意思を持て」という夕呼先生の言葉。これほど合理的な思考が出来て、目的のためにはあらゆる犠牲を厭わない冷酷非情の人が、実は人の意思の力の可能性を深く信じている。そうゆう倫理観を持っているところが、ただのマッドサイエンティストではない、夕呼先生の魅力だなあ、と思う次第なのです。
  • マブラブオルタネイティブCHAT(無編集) 投稿者:LD <2008/04/03 11:57>