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#238 [脚本チャック][作画チェック]ToLOVEる 第12話「戦慄!体育祭」
投稿者:LD <2008/07/02 00:51>



脚本:下山健人
絵コンテ:アミノテツロ
演出:白石道太
作画監督:川村幸祐
サブ設定協力:乗田拓茂、小林千鶴、沓澤洋子、大洞彰子、近岡直
原画:牧野竜一、河野悦隆、栗田新一、栗田聡美、山本周平、谷拓也、和田伸一、松下清志、小澤尚子、荒川理恵、川村幸祐


「とらぶる」は脚本にいわゆるカブトボーグ・チーム(←いわゆる?)が参加しているのですが、さすがというかその脚本の“破天荒”ぶりには唸るものがあります。浦沢義雄という天才脚本家の持ち味である“カオス”に対して、大和屋先生を筆頭に千葉克彦先生、下山健人先生がどのように取り込み、精錬して送り出すか?という競作をしているかの様な感があります。
今回の下山脚本もそこを下地にしているとは思うんですけど、非常に完成度が高く、一見すると浦沢〜大和屋流じゃないんじゃないか?と思ってしまうくらいですwただ、シナリオのボリュームは相当なものです。

この回のポイントは体育祭を利用して…
1.春菜ちゃんに、いいところを見せようと心に誓っているリト
2.ライバルであるララとの決着をつけようとしている天条院沙姫

の二本軸でシナリオが並行して進んで行く事です。それに会わせて借り物競走で「伝説の剣」を探すはめになるレンの話や、モテ光先輩、なんとか体育祭を真面目に過ごしたい小手川さんの話とかが肉付けされて行くので非常に見応えがあります。完全に「30分の芸術」レベルに達している一回になっています。その間、春菜の方ばかりを見ているリトを見るララの描写を入れているところが素晴らしい。(これはアミノさんのコンテかなあ?とも思ったんですけど…)…この伏線はシリーズ構成的に利いてくるのかもしれませんけど、今回は特に何事もなく、春菜とリトに手を振るララで終わるんですよね。…いい!!それが!!

あと作画的にも相当にがんばっている回でした。脚本のボリューム的に頑張らざるを得ないような部分もあったと思うんですが…変に拙い省力したりして萎えさせる事がなくメリハリの利いた作画運びになっています。







ちょっと春菜のアクションをピックアップして見ました(多分、同じ人だと思う)。他にも沙姫お嬢さんが振り返ってララを指さすシーンとかも楽しい動きだったんですが…“美しい”のは完全にこっちでしたね。蹴りの方は準備動作のローリングに入る前の春菜の肩の揺れがたまらんものがありますし、ビンタは本当にキレイなビンタです。レンの持ってきた伝説の剣が割った穴にリトが落ちそうになって春菜が助けようと手を伸ばす→間違って胸をつかむリト→ビンタって流れなんですが、この回で一番良い作画パートに思いました。


あと、危険事態にも関わらず微動だにせず水着騎馬戦に微笑む緒方校長に惚れた。
  • サプライズ・グロスに注目していきまっしょい! 投稿者:ルイ <2008/07/02 03:12>
  • #239 サプライズ・グロスに注目していきまっしょい!
    投稿者:ルイ <2008/07/02 03:12>
    <<<親記事]
     脚本に関しては、ほぼ同感です。下山健人さんは、カブトボーグチームの中でも一極集中の速度型というのか…途中で余りペースを落とす事のない脚本家、という印象がありますね。

    > 原画:牧野竜一、河野悦隆、栗田新一、栗田聡美、山本周平、谷拓也、和田伸一、松下清志、小澤尚子、荒川理恵、川村幸祐

     ところで、こういう普段のローテーションにいない方たちが原画或いは作画監督をされている時、まず注目すべきは題名通り、グロス請けしている会社だと思います。

     グロスというのは、TVアニメという殺人的な(笑)世界の常識として、古くは鉄腕アトム(って事は、日本TVアニメ誕生から歩を同じくしている)の頃から存在する、1話丸ごと制作お任せシステムの事ですね。10年ほど前に「ロストユニバース」をはじめとして話題になった「作画崩壊」は、グロス先を安上がりな海外に求め、しかもその海外のスタジオが酷いものだったから、というのは有名な話。最近で有名な「夜明け前より瑠璃色な」も、海外グロスですし…(で、戻ってきた頃には作監修正でどうにかなるような時間が無い!ってパターンですね)現状、1クールなり2クールを、全て自社で受け持つというのは「不可能」と言っていい事でしょうから、実の所良いグロス先を見つけるというのは、作品の為には何より重要な事なのかもしれません。(或いは「しゅごキャラ」「ギアス」あたりがやってみせているように、自社スタッフがグロス回にも作監協力などで介入したりする、テコ入れ方式か)

     と、いう長い前置きをしつつも、今回の「とらぶる」はAICスピリッツのグロスなんですよね。大体、OPやEDの最後に「制作」或いは「制作協力」としてクレジットされます。AICは5年ほど前に制作を複数に分けてから、各々の個性が出ているわけですけど…その中でもスピリッツの回は、こういうサプライズな回あるいは作品に発展しやすい。僕はここの顔とも思える「牧野竜一」さんの名前の有無でチェックしています。アニマックス作品という、いかにも条件に恵まれているとは考えにくい「東京魔人学園」がひそやかな作画アニメとなったのも、牧野さんをはじめとした、スピリッツの功績です。原画の中では「栗田新一」さんなんて、若手では売り出し中で・・・何故わかるかって言ったら、昨年末最大の作画回、若手アニメーターの祭ことハヤテのごとく39話にいたからなんですけどね。という事で、この回、妙にハデなパースというか遠近感処理(巨大な剣とか)妙に80年代な光エフェクトなんかがありましたが、この辺も栗田さんではないか、ととりあえずアタリをつけています。今の若手アニメーターの方が、単純に「面白がって」その辺の作画技法を使うんですよね…。

    ちなみに、ジーベックには「スタジオジャイアンツ」という信頼のおけるグロス先がいて、ジーベックが数作同時に手掛ける時は「ジャイアンツがどっちにいくか!?」が注目点であるというマニアックな視点が(笑)。今期はとらぶるがジャイアンツを引き当てた(?)わけですが、良い回もあったけど、とらぶる参加最終回(13話だったかな?)は酷かったなぁ…ま、まあ!とにかく!グロス先まで注目して、更なるこの作画オタク坂をともに登っていきましょう!うん!