■[アニメ諸評][xxxHOLiC◆継] ルイ >> ☆☆☆☆☆:(12話「真実 ホントウ」)2度目の総作監・黄瀬さん作監、いやもう素晴らしい。静かな間で会話のやり取りをしているだけなのに、まるで厭きがこない。水島監督がコンテ演出も手掛けておられたので、劇場版級。動きがない分、映像表現としての面白さが際立っていました。ひまわりちゃんがドロドロしていくあたりの表現は、背景含め凄いの一語。あと、全体構成としても素晴らしかったなぁ。序盤の、ワタヌキが目を奪われるエピソードは「相手の事を考えない”我が身を代えても”はダメだ」という事を積んでいて、中盤の霊感少女コトリちゃんの物語は、選択してみせる強さをワタヌキに示す意味があった。結果として、不幸をもたらすひまわりちゃんに対してワタヌキは「決意」でもって共に居続ける事を選ぶし、その意志が本物だからこそ、彼女の不幸体質を相殺する鳥を生み出せた。ここで「命に対価にしてでもひまわりちゃんを助けたい」となると鳥は生まれなかった。そして、コトリちゃんを見ていたからこそ、『今まで通り一緒にいる事』という一見先送りのような選択に、決意を宿らせる事ができたんですね。更にワタヌキは自分の指がひまわりちゃんのせいで動かなくなった事は、告げない。同時にひまわりちゃんは、ワタヌキの傷を直す為に、自分の背中を対価にして傷を一手に引き受け、それを隠す為に髪型を変えた事は、言わない。つまり相手に気付かれないレベルでは「自分に代えても」は誰もがやっていて、でもそれはお互いに知らないままで済むような・・・そんな範囲だからこそだ、と。相手の事を全て知る事が、関係の究極ではないという事ですよね。結局CLAMP先生の価値観に彩られた作品で、その主張自体への是非というか共感違和感はあるんですが、主張そのものをしっかりと表現してみせているという点では、一期なんて比べ物にならないくらい良かったです。・・・って纏めたのに、あれ?最終回じゃないの?w・・・最近TBS系は、最終話の後に「流し」の1話を入れる事多くないかい〜?「女神さま」「逮捕」「クラナド」「おお振り」・・・DVD特典じゃダメなのかしら。 <2008/06/23 06:42> [返] [削] |
漫研ノート
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