■[アニメ諸評][風人物語] ルイ >> ☆☆☆☆☆☆:(全13話)ベストオブ1クールアニメ戦線に突然割り込んできたミュータント(僕の中で)。うーん、コピペは楽でいい(笑)。truetearsの西村純二監督ということで、「ちょおっと西村監督を学んでやるかい」程度の意識で観始めたました。実際色々と共通点が見え、それだけで面白い経験だったのですが…しかし、観終わった今では「西村監督の代表作ってtruetears?風人?」と言い出すくらいにはなっています。・・・これは、凄い事です。truetearsは僕にとって一年を代表するような作品ですからね。その前提を崩す気がない状態で観始めて、今こうってのはすごい。 シンプルな線で描かれたキャラクター。線で描かれた風。EDでは実写背景なのに一転、本編ではザックリと選び取られた線での背景。色彩。完璧な作品です。演出や作画、美術までが同じ方向を向くってのは、真の意味ではここにまで至るんだなあ。何年後かにまた観たい。また、最終話が素晴らしいんだ・・・風と同様に、時もまた流れる。流れない風は風ではなく、流れない時もまた、時ではない。一話一話は閑話のようなエピソードが多く、物語としての明確な「オチ」すらないような日々を淡々と描いてきたこの物語にあっても、それは不可避な事で。それを、大人(雪緒さんと大気先生)が先んじて示してくれる…。受け取ったナオたちもまた、心の中に風を起こし、そして、そして…ラストシーンへ。OPの歌詞『強い風に吹かれ真っ白な雲が 少しずつ形を変えるように 時間の中で知らぬ間に僕たちもオトナになったの?』…そうですね、その通りだ。でも、いつも心の中に風を吹かす事はできるはず。…「かみちゅ!」よりも作り手にオタク度がないせいか、もっと直球でセンチメンタリズムに訴えかけてくる作品です。あと、全く関係ない評価点ですが、ここ数年色んなアニメを観てきたけど、こんなにキャラクターデザインを可愛いと思った事はなかったかも。この絵柄、慣れるとハマりますよ。(おおいにハマった人)こんな可愛い絵柄、そうないと思う。「ランニングガール」「保健室物語」「大掃除はチュウの予感」「父のオートバイ」「オーディション顛末記」「桜のころ」「雪緒ふたたび」・・・うわ!好きな話多すぎる!後半素晴らしい回が多くて、ずっと震えながら「何この素晴らしい作品」と呟いてました。必見。自分の魂がモロバレする恥ずかしさを恐れずに、心の底から大好きと叫べる作品ですね。 <2008/08/28 05:52> [返] [削] |
漫研ノート
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