■[アニメ諸評][劇場版CLANNAD] ルイ >> ☆☆☆:監督は出崎統、脚本は中村誠。京アニ版で「追おう」と思っている人は絶対観ちゃダメな作品ではあるのですが(笑)色々とオリジナルの咀嚼をしているので、別物とも。出崎版AIRを観てニヤニヤした人は、この作品もまた味わいがあると思います。逆に、出崎版AIRで文句しか思い浮かばなかった人は触れちゃダメ絶対、な作品。大量のハーモニー演出やここぞとばかりに(ここ!でもない所までも)溢れる2連3連PAN、出崎さんの新しい演出なのか?絵に残像をつけて分身させる演出(みづれぇw)…そういった技巧に留まらず、一本の物語として理解できないものをバッサリ切る潔さは健在。まず存在そのものがファンタジーである不思議ちゃん、風子は完全カットwことみは指揮棒振ってるだけのセリフなしモブw藤林姉妹の妹も完全カットw姉貴は智代の腰巾着キャラw寮母さんとか春原の妹とかもいやしません・・・鮮やかだぜぇ・・・(ゴクリ)。風子を消去する代わりに、お姉さんを演劇を助ける為現役の教師に配置していて。そのあたりからも、出崎クラナドが「大人が引っ張りあげる物語(そして、大人になる物語)」である事が窺えると思います。大人の継承譚。だから、最終的に父子の物語になるのは偉く納得がいく話で、原作準拠などと考えない限りでは、とても「よくわかる」作品になっています。先述の変更要素で「怒る」人がいるのはとても理解できるところではあるものの、それほど、ヒロイン分岐のギャルゲー構造を一本の物語に浸かった人が見つめたら、無用なものが多く見える…っていう証だとも思いますよ。声優は京アニ版とほぼ同じ。渚=中原麻衣の「いひひ」はここから既に「いひひ」でした※面白いのが、渚が「いひひ(としか聞こえない))」と笑った後、春原が「えへへじゃなくて」みたいな事を言うんですよね(こっちは100%「えへへ」)。・・・脚本だと「えへへ」なのか?中原さん!?w 「ほぼ」って言ったのは主人公、トモヤの声が違うんですが・・・京アニ版のトモヤはコメディ対応というか、あれコイツ社交性十分あるじゃん、とか感じたので(作風には合ってるけどね)こちらのトモヤくんは、比較するとささくれだってて良かったです。出崎さんが描きたいのは「アウトローが受け入れられて大人になる物語」なんだから、適材適所、ですね。 <2008/10/01 18:34> [返] [削] |
漫研ノート
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