■[アニメ諸評][アスラクライン] ルイ >> ★★:(1期)「話の持つハードルの高さに比して、作りが荒い!」という作品。この作品世界は二巡目の世界です、というのを最初の掴みとして開始した物語で…これってのは通常どんな物語でも存在する「キャラクターごとの手持ち情報の差」というものを、物語の核に持っていきますという宣言なんですよね。「滅びた世界」とやらの実感があるなら、行動のひとつひとつの緊迫感がまるで異なってくるでしょうし、そういった各人のリアクションの細かな違いを追っていけばかなり見応えのある作品になったのではないでしょうか。が、しかし。全体的に薄っぺらかったですねぇ・・・orz「危急存亡」レベルの意識を持っていないといけない人も、そうでない人も、皆そろってラノベのラブコメ磁場に引っ張られているというか。キャラクター性だけ抽出した番外編などを同時進行できてしまうラノベ表現形態の弊害なんじゃないかとも思っているんですけど、少なくともそれを手当てなしでアニメという「一本道表現の場」にそのままはめ込むとこういった締りのない作品になってしまう。作画演出のレベルも到底足りないので、脚本がしっかり気を配った所でそれをなしえたかは微妙なところです。でも、脚本構成レベルからそのあたりへの配慮がまるで足りていない作品でした。ひとつひとつの行動に意図や真意を張り巡らせて、そこから生まれる各人の差異にこそ世界を見渡す情報が隠れているはずなのに、実際はそこいらで大事なキーアイテムが唐突におっぱいセクハラを開始したり・・・作品の温度に合わせて「理由」を探ろうにもその理由がなかったり・・・義務のように入れていくライトエロなエピソードが、作品の「読み」と見事にケンカしていた作品でした。脚本家次第で、それなりのものになったんじゃないかと思える作品です。 <2009/07/20 18:12> [返] [削] |
漫研ノート
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