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今週の一番

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#24 時評:ちょっと言います「ワンピース」投稿者:LD [2001/09/24_22:29]
だが、それでも尾田栄一郎先生はネームの天才だ!
…と最初に持ち上げておいて、言いたい事を言わせてもらおうと思います(汗汗汗)

以前、「ワンピース」が連載100回目に達したとき、今週の一番で「『ワンピース』はもう勝利宣言だねえ」と言ったった事があります。もう、どう転がしても「ワンピース」は面白くなるだろうと。
なんで、そうなのかと言うと、さあ!これから偉大なる航路だ!という時にバギー船長とレディ・アルビダが“ハデに”再登場して、ここで一回“ループ”がかかったからなんですね。
彼らと偉大なる航路を旅する事で、これからどんな難事件に出会っても見事に痛快に乗り越えて行く、そのヴィジョンを観た気がしたのです。
別にバギー船長が好きだから、また彼を出せ!という話をしたいワケじゃありませんよ?僕自身は、首領・クリークのファンで、ルフィのライバルはあいつしかいないと思っています。キャプテン・クロが参謀になって是非、再登場して欲しいものです…と話がずれましたが(汗)

たとえば、今回の“クロコダイル編”とも言える話、たとえばルフィとクロコダイルが一戦する前に、理由は何でもいいですが、バギー船長を登場させて、
「クロコダイル〜!!テメーは気にいらねえ!このオレ様が“ハデ”にぶっ殺してやるよ!!」
と、うなって一戦やらかし、逆にバギー船長の方が“ハデに!”散ってくれれば(別に本当に死ぬ必要はないですよ)クロコダイルの“悪役性”に厚みが出たと思うのですよ。ルフィーが意味も無く目撃して「バギ〜〜!!!」とか言ったりして(笑)
やっぱりね。バッファローマンとキン肉マンが一戦する前にはウォーズマンが露払いした方がいいんですね。超人オリンピックの時よりあきらかに強くなってるウォーズマンが死力を尽くして敵わなかった相手だからバッファローマンは戦う価値が出てくる。しかし、そのウォーズマンの強さはラーメンマンとの一戦で設定付けられるワケで、これの連続で生じる単純な強さのインフレ構造を否定しようという流れが、近代ジャンプの……あああ、話がずれて行くな(汗)

ただ、今の話。突飛な展開を言っているワケではなくって、先人たちが普通にやってきた手法ですし、尾田先生もそのつもりだから100回記念に登場させたはずです。これまでに積まれた面白さを“追燃焼”させる事は“スパイラル”に面白さを加速させます。
同じ船に乗ってはいなくてもバギー船長は共に物語を編んで行く大切なクルーと言えると思います。なんでその彼を出さないのか?
原因のひとつは“伏線”の張り過ぎでしょう。
思いつくだけでも、シャンクス、コビー、預言者・ドラゴン、七武海、ルフィの兄エース、これに、もう一度登場しないと意味が分からないバギー一家に、ミホーク、スモーキー大佐とたしぎ、今はミス・オールサンデーの謎に最終兵器も出てきたのか?(あ、G・ロジャーの財宝に、偉大なる航路達成の謎というのもあるか)掛け捨てのような伏線を、思い出したように入れて来たりするので、何の伏線か思い出せない上に、一つ一つが重い鎖のように絡みついて“速度”を落としている。
そもそも、今、バギー、バギーと言っていますが、彼を覚えている人はどのくらいいるのでしょう?それが一番の問題だと思います。他の伏線は、一回使ったら終りでしょう、でもバギーは何回でも使えるんです。ループするんです。でも忘れられたら意味のないキャラなんです。ごちそうの骨を埋めた場所を忘れてしまっては始まらんのです(笑)

今、“クロコダイル編”を100回かけて終了し、同じペースで、他の伏線もこなして行くのか(伏線だけを消化すると不自然なので、その間またさらに別のストーリーが設置されるでしょう)と思うと嘆息するのは僕だけでしょうか?


実は、ちょっと「キン肉マン」の“7人の悪魔超人編”を読む事がありまして(←だ、だからバッファローマンだのウォーズマンだのという話を…)冒頭でのミートの分解(物語の動機付け)。1、2戦で傷つき倒れる主人公。ピンチに駆けつける仲間たち。そして仲間の死を超えてクライマックスへ…。と、とてもゆでたまご先生とは思えないような(笑)キレイなストーリーで、これが38話。約3巻ちょっとでまとまっています。連載1年必要としていないですね。
今と昔は違うとはいえ、現在の少年マンガで連載されている作品たちが、これだけの話を構築するのに何年必要とするかと考えると、ちょっと背筋が寒くなります(汗)

単純な痛快ストーリーのはずです、それだけのものを何年にも渡って“根気良く付き合って”はじめてカタルシス(この場合完結の感動)が得られる、というのでは、そりゃあマンガ離れしますわ(笑)何かの拍子にハマってしまっても、それが終ったときにはもうマンガには見向きもしないでしょう。だって他のマンガにもあの“根気良さ”が求められるとしたら、もうとっつきたくないよ。

“キャラ”過多、“伏線”過多、それによる“速度”の低下。「ワンピース」だけの問題ではないでしょう(むしろ「ワンピース」はそれでも及第のはるか上を行く)。マンガというのは“何となく読むのが止められない”ものではなく、“感動する”ものだという事を、もう一度読者に教えて欲しいです。


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