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#425 「まなびストレート!」多佳子エクステンド! (#407) 投稿者:LD
[2007/04/16_03:34]
(ストレート!に対抗しようとしてエクステンド!とか言ってしまう辺りに筆者のセンスの悪さが顕れています!) | http://www.websphinx.net/manken/come/dens/dens0063.html#407 「まなびストレート!」について以前、この世界がキャラクターの「童心」を反映して画面上に顕れる。そしてキャラクターの心象は「童心」を持つ者には伝染する…。そういうカメラが使われている。大雑把な説明ではありますが、そういった事を私は超科学的に検証しその真相に迫りました(えへんっ) この仮説ですが、実際に「まなびストレート!」を全話鑑賞終了にあたって、各キャラクターの「童心力」や「感染力」に微修正が必要な状態になってはいるのですが(まなびは「童心力」、「感染力」最強クラス、これに全てみかんが次ぐ二強体勢かと思われましたが、どうもみかんは他者を自分世界に引き込む「感染力」は弱い…など)その微修正は実際にこの作品を見た人がそれぞれ見解を持ってもらえればいいかな?とも考えています。ただ、その中で「たかちゃん」こと、愛光学園の生徒会長・角沢多佳子さん。この人の事は特筆の必要があると考えたのでこれを捕捉します。 …と言いながら実は僕の予測の中で「たかちゃん」の事は実は一番当たっていたと言えるかもしれません。僕は前項で「彼女にはまなびの「童心」は感染しない」としましたが、実際に彼女にそれが感染する事はなかった…と考えられるからです。特に第7話の展開などは図に当たり過ぎだったと言ってもいい。 しかし、それを「そらみろ!当たった!やっぱ俺様の分析力、すごくねwwwww?」みたいな話で終わるもまあなんなのでw いや、つまり僕は彼女の登場当初、小学生にしか見えない容貌のまなびたちに対して「普通の女子高生がやってきた」くらいの認識だったわけで、その程度の認識の上での「彼女には感染しない」だったのですが…………いやぁ……こんなに重要なキャラならOPに出そうよ?orz いや、確かにOPに彼女の居場所はない。それが当に「たかちゃん」のキャラクターを顕したものだったとも言えるのですがorz (説明劇場)「多佳子エクステンド!」 第1話:多佳子成人、あらわる。(第3話) まなびが思いつきで開催した学園対抗のドッジボール大会と、各生徒会の懇親会を陰日向にフォローをして、懇親会を成功に導きます。この後も彼女のまなびたちに対する陰日向のフォローは続き、その(フォローという意味においての)役どころは担任のおっさんシモジーや、おばさん学園長(←この人おばさんのくせに感染する疑いあり!)と何ら違うものではありません。 しかし、何でもそつなくこなす「多佳子さんのようになりたい」と目を輝かせるみかんたちに対して、彼女の視線は一瞬、ぎょっとするほど冷たい。…今にして思うと、これが唯一の彼女の「子供の顔」だったかもしれません。 第2話:たたかえ生徒会長!(第7話) 聖桜学園が経営不振のため、姉妹校である愛光学園に吸収される事が決まりそれに合わせて、聖桜での学園祭が中止する事になった。たかちゃんは愛光の理事長を向こうに回してこれに反対するのですが残念ながら「大人対大人」はより大きな責任を負っている者が勝つわけです。 肩を落としてまなびたちにその事を(迷いつつ)伝えに行こうとしますが、今度はそこでまなびたちと自分のいる世界の違いに愕然とさせられます。 多佳子「…ちょっと待って。もしかして全部覚えているの?」 学美「…?」 多佳子「どこに、何のお店が並ぶのかの配置…」 学美「…みえるんだよね」 多佳子「…みえる?」 学美「…うんっ」 (…沈黙。しかしこの沈黙の両者の意味するモノは違う) もう一度おさらいします。「まなびストレート」に置いてまなびの「心」は伝染します。第一話で聖桜の校歌を歌うまなびの歌から、生徒達に「学校が好き」という気持ちは伝染し、第3話で「自分たちの学園祭」の素晴らしい世界は伝染しました。そして世界の「景色」は(本当に)変わりました。 しかし、この時、多佳子に学美の心は伝染しなかった。何もない校庭は何もない校庭のままだった。そして「(このイメージがあるのは)たかちゃんのおかげだよ。ありがとう」とまなびに言われて、たかちゃんは言葉を返す事ができなかった。 この時にある意味彼女は「まなびストレート!」の世界におけるラスボスになったと思います。「童心」を伝播させる事によって相手を調伏せしめるまなびを北斗ケンシロウにたとえるならば、たかちゃんは秘孔がきかない聖帝サウザーだったのですっ!(←上手いたとえだと思っている)いずれにせよ彼女が何を見て、何を感じるかが。それはこの作品のテーマの一翼となったわけです。 そして、学園祭が中止になった事をつげに来たのに、もう一度理事長と交渉する事を決意して「しなくちゃならないことがあるから…」と言って何も告げずに帰ります。おそらくこの後、何度も理事長と交渉したのでしょう。ここらへん本当に「陰日向にフォロー」と言えます。でもOPには入れてもらえない。泣かせるキャラです。 ※第8話でまなびに「ありがとう」と言葉を返しますが、あれは自分の努力に「ありがとう」と言ってもらえた事に対する返礼です。つまりたかちゃんはその「ありがとう」の意味が分かるから「ありがとう」を返礼できるのです。またもう一点。学園祭中止で理事長と真っ向から反対交渉をしたのは、たかちゃんと、まなびです。そして「大人対大人」であった多佳子は全敗したのでしょう。逆に学美は「反対署名を全生徒の70%以上を集めれば開催を認める」という約束を取り付けます。これは正に「大人対子供」だったからで、そのキャラの対比を端的に表しています。 最終話:わたしにもみえるよ(第11話) 全生徒の70%以上の署名を集めた聖桜学園は無事に学園祭が開催される事になりました。ここでも前準備に当たって、たかちゃんが陰日向にフォローしたであろう事が語られるわけですが、最早ここに至ってその描写が一々為される事はありませんでした。(もう少し長い尺があれば描いて欲しかったと思う反面。12話という短い尺の中で彼女の活躍を意図的に影に隠す選択をしたと読む事もできそうです)代わりに実質的なクライマックスのここで「多佳子の世界」が展開されます。 芽衣「正論。でも角沢さんはそれ(学園祭を見に行かなくて)で満足できる?」 多佳子「………そうねえ。(目を瞑る)」 学美「…たかちゃん?」 多佳子「…いいから。やってみて」 (…沈黙) 多佳子「…聞こえる?」 学美「…うん、きこえる!」 そしてこの時初めてたかちゃんはまなびに「あの時のありがとう」に返礼できるのです。「わたしこそありがとう」と。 この時、たかちゃんはまなびのように「世界の風景は塗り替えていない」のですね。(席に座りながら学園祭風景を漂うような描写になっていない)僕はやはり多佳子さんは最後まで「童心」も「感染力」も取り戻せなかったと思います。「子供だからこそできる事」の世界を描いてきた「まなびストレート!」ですが、では大人になってしまったら、この世界は永遠に失われてしまうのか?その答えがこの娘には宿っていると思います。もう二度と返らないモノもある。でも「わたしにもみえる」んです!だからまっすぐGO!なんです!(…観直してみたら、ちょっとだけ桜の花びらが散っていたぞ!?さあ!解釈するのだっ!諸君!!……え?べ、べ、別に誤魔化してないよ?!) まあ、そんなワケで「多佳子エクステンド!」…じゃなかった「まなびストレート」ですが良い作品でした。僕は大筋、ここと前項で述べたような観方をしましたが、皆さんは如何だったでしょうか?あと、みかんや、桃葉、あるいは学園長のキャラの微調整などもあるのですが……まあ、改めて機会があればとします。 それでは……(´・ω・`)ノ バイバーイ! ※この文章では「大人」という言葉が多用されますが、これは僕が普段使う「大人」という言葉に持たせる意味を意図的に除外しています。…細かなニュアンスもあるんで説明が難しいですが…まあ、単純に「子供だった人」くらいの意味に捉えてもらえればと思います。
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