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#87 西野は何故勝利したか?
投稿者:LD <2005/08/14 21:16>
<<<親記事]
さて次は西野さんがどうして今回勝利したか?という話を語ろうと思いますが…けっこう大体のところは「東城は何故勝てなかったか?」の部分で語られていますが(笑)まあ、ちょっとだけまとめてみたいと思います。
西野さんの勝利ってのは、まず西野さんの読者人気がかなり高かったという事もあると思いますが、そのまま編まれた“物語”が西野さんに非常に有利だったという事がありと僕は思っています。
ちょっと真中と西野の二人の流れを書き出すと…

(1)真中の懸垂告白西野OK→(2)西野の受験校が別に→(3)西野はっきりしない真中を振る→(4)休眠期間→(5)再会→(6)再びつき合う二人→(7)白紙にしてれ!→(8)再々会END

…となります。僕が「今週の一番」などで西野ENDをしきりに「辻褄が合っている」と言ったのは当にここで、つまり物語としてみた場合「告白し→別れ→再び出会い→そしてまた別れる」と物語に起伏があるのは明らかに西野さんなんですね(笑)
返って東城さんを観た場合、ひたすら真中の傍らにいただけです。というより“ずっと居る”というのはこれ以上ないアドバンテージであるはずなのですが、これまで散々言われてきたようにほとんど動かなかった。(こーゆーパターンのラブコメの場合主人公の真中が「何があっても東城なんだ!」と心に決めていればいいのですが、そーではなかった)少なくとも西野さんに比べればアクションとは呼べないレベルのものだったという事になると思います。

加えて「漫研」として「週刊連載のライブ感覚の面白さ」として強調しておきたいのは上記した(1)〜(8)の流れがけっして真中と西野をくっつけるために編まれた流ではないという事です(笑)

ポイントは(2)「西野の受験校が別」と(5)「再会」になります。はっきり言うと連載開始当初、西野さんはラブコメヒロインとしてはドライな印象で面白味がなく、とうてい東城の相手になると思えなかったキャラでした。
真中の懸垂に大笑いしてOKした彼女は、次に真中が悩みに悩み抜いて別れ話を持ち出しても「あ、そう?」で別れてしまうキャラに見えたのです。(当初は)それが問題だった。
(※ その後、懸垂以前に真中を知っていたという話が入ったと思いますが、こーゆー後付けと言うのは読者にとって同じ誌面に描かれた事でも伝聞的で実目撃とは言い難く、話の積み上げにはならないんですね。勿論、懸垂でOKしてしまうという突拍子も無い面白さを採用した以上、宿命的構造なのですが…)
…で担当編集とどのような打ち合わせをしたかは分かりませんが西野さんには退場いただき、別のキャラで真中を東城さんと取り合っていただくという判断が下されたのでしょう。その結果が(2)となって現れます。つまり別れた後も同じ高校、あまつさえ同じクラスにいたのでは居た堪れないので、別の高校に行ってもらおうという事だったのでしょうね。

そしてそれは実行され、西野さんの後釜として北大路さんが登場するわけです。…しかし残念ながら北大路さんは東城のライバルとはなり得ませんでした。桃栗先生はメインと決めた女の子以外の娘を描くとあからさまに敗色濃厚になってしまうクセがあるのかもしれませんが(笑)元々、東城のように真中との共鳴点を持たず、西野のように実際に交際していたというアドバンテージも持たない北大路さんは、迫るは迫るんだけど絶対に真中に受け入れてもらえない憐れさが目立つキャラに追い込まれてしまいます。それで(5)でやはりここは西野さんに再登場していただこうという事になるワケです。

ここに到る流れにも一つポイントがあります。先ほど僕は西野さんはヒロインキャラに乏しいと評しましたが、それは制作サイドも気がついており(2)の結論に到るまでは必死に西野さんの“キャラのテコ入れ”が行われていました(笑)連載からしばらくして西野さんは真中をズバーン!と思いっきりキックしたり、バチーン!と叩いたりする元気印を与えられ、他の細かな演出についても気合と注意が払われるようになります。僕の予想では結局(2)から(3)に到るまでには西野さんの人気ってのはかなり上がっていたはずなんですね(笑)ですから再起にたどりつけているワケです。

そして(5)「再会」以降ですが、これは当に「ピンチの後にチャンス」ともいうべき状態で、真中と別れさせるために為された処置が、こんどは西野さんに大いに味方します。
どういう事かというと一度、突き放した西野さんを再接近させる事を決定したら、今度は「同じ学校に通っているわけでもない西野さんを偶然(などあらゆる手を使って)引き合わせる必要性」が生じてくるんですね。つまり演出の面では「ご都合主義」と呼ばれるもの、物語の面では「運命的」と呼ばれるものが、西野さんの味方になるワケです。つまり“西野・リボーン・ラッキーマン・つかさ”になったのですよ!(笑)性格的には勝利マンの人だから、もうほとんど無敵(笑)気がつけば東城はほとんど何の加護も無く、というよりもう一度北大路をテコ入れできないか?とか他の新キャラでバランスとって見ようか?とかメインヒロインとしては、ほっとかれていたといってもいい状態でした。まあ西野つかさ役に“北島マヤ”が選ばれたような状態です。東城綾役の人は白目をむいていたに違い有りません(笑)
…で(6)は色々迷いもあったでしょうが必然的な流れです。繰り返しになりますが西野は同じ学校に通っておらず、恒常的な登場を全て御都合で埋めるのは限界がありましたからね。

そしてラストにかけての流れは今度は東城に流れを持って来れないかと試行錯誤が行われ、西野ENDから見れば「あれは一体なんだったんだ?」という出来事を散乱させて行ったワケです。そこらへんの流れは「東城は何故勝てなかったか?」で語られていますね。あのラストはつまるところは時間切れの要素が大きかったように思います。
言ってしまうと西野さんがダメと判断したらかなりドライに西野さんを切り捨ててしまう編集サイドであるならば西野に人気があり尚且つ時間切れなら全く同じドライさで東城を切ってしまうのは必然だったかもしれません…な〜んて事を考えたりもするのですが、まあそこらへん含めて考えてみても、なかなか面白い物を見せてもらったと思っています。つまり…
「いちご100%」は……辻褄が合っている!
という事です(笑)

(さて、残り「雨宮的展開」に関する総括を…)
  • 西野というキャラについて 投稿者:井汲 景太 <2005/08/27 04:52>
  • Re:西野は何故勝利したか? 投稿者:井汲 景太 <2005/08/17 01:37>