#182 Re:漫画力と曽田正人 投稿者:いずみの <2007/01/15 07:23>
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※一度チャットに書いてみたレスポンスを、改めてこちらにも残しておきます。 いずみの >> 消去法での主張をしますと、LDさんやルイさんは「向き不向きの類」の難しさ、に意味を帰着させようとしているのだと思います。が、そうではないと考えます(=それとは混同できない)。また、「優劣の類」の難しさでもないと考えます。(「向き不向き/優劣」の二元論ではなく)それ以外の難しさです、とだけ説明しておきます。この、消去法による「それ以外」が立体的に頭の中に思い浮かばない場合は、「漫画を描くことの難しさ」に対する認識構造そのものが異なる可能性があるので、今はつっこまずに退いておこうかと。 いずみの >> ただ、ぼくからすると「作者置き換え」は重度のタブーです。作品論としては冗談で済んでも、LDさんの作者置き換えは「作者論」に踏み込んでるからですね。少なくともぼくは、「この視点から作者を語ろう」という意図を感じたので、それは冗談で片付けられませんよ、と思ったわけです。「半分冗談」どころか「120%冗談」くらいでないと、議論を呼ぶのは仕方ないと思うのですよ。 いずみの >> あと、これは単純にぼくの不理解なんですが、「中断した」という事実があると、なぜアレックスやロビーにそういう役割が振り分けられるのかが、ホントに読めなかったりします(笑)。 いずみの >> インタビュー通り、連載中に「そろそろ練習したい」と思ったから一旦筆を止めた。その為に、区切りのある話(伴侶の喪失とアメリカ脱出)を考えた。それだけの話で。妄想回路があるか無いかの違いなのかもしれませんが、「それ以上、なぜ作者の心を読む必要が……?」なんですね。 いずみの >> だからどっちかというと、「何を練習しようと思ったのか?」ということを語った(妄想する)方が建設的ですし、ぼくも参加したくなりますね。まぁ、だいたい本人が語りきってたりしますけど……。 「向き不向き」を完全否定しているわけではなくて、それはメインではなくサブだと思う、というのは先述してあったことです。最後に、細かいことですが一つだけ……、 >「女性作家が女性を演じるのは曽田先生より近い」のも当然ですよね? これは「女優が女形を演じるのは男優より近い」というような、変なロジックになっているような気がしました。 そういう意味で、「曽田正人より“曽田正人・作『昴』”に近い漫画家」というと、コミックマスターJくらいしか思いつきません(笑)。 かといって「“昴と似た属性の漫画”との距離が近い漫画家」……と言われても、机上論のようで「???」となります。“昴と似た属性の漫画”を描ける漫画家は“曽田正人と似た属性の漫画家”(と、“J”)以外にありえないと思うからです(その前提条件がある以上、「昴と似た属性の漫画を楽に描ける架空作家A」は「曽田正人と似た属性の漫画家の上位互換」としか思い浮かばないわけで、LDさんの論旨の方がむしろ、絶対座標の優劣に帰結してしまう観があります)。 「向き不向き」で論ずることがピンと来ないのは、そういう所かもしれません。……が、ともかく「スケール」についての発言はとりあえず取り下げておきます。「漫画を描くことの難しさ」に対する前提条件がそもそも違っていた、ということは開陳できたと思いますし。 あと、「休載覚悟」に関して「そういう前科がないから普通はそう思わない筈」とありますが、これは「昴が描けるようになるまで昴を描かなかった」「それまでの仕事は昴の練習」という(本人の発言も含む)情報に依っています。 「描けるようになるまで練習して、描かない」のが作者にとっての『昴』だとしたら、「練習の必要性を感じたら、描かない」ことは自然に結びつくことだと思います。問題となるのは「いつ練習したくなるのか」だけでしょう(最後の瞬間まで「練習しなくていい」と思うことができたら休載もせずに済んだだろう、という捉え方です)。 |
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