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電視の部屋

アニメ、特撮などのTV番組の感想掲示板です!
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#415 金紗地トカレフ説(笑 (#414) 投稿者:MODSTOON [2007/03/20_22:32]
チンピラ・エレジーとするよりも、むしろ「鉄砲玉ストーリー」と表現した方が『ライオン丸G』では即している
描かれた物語がより素直に受け容れることが出来るのではないかと私は考えています

 拳銃を渡され、某かの仕事を示唆され、成功(昇格)と失敗(危険)の不安が主人公に預けられる

G編の獅子丸が「金紗地の太刀」を有り難く思わない部分を考慮するなら、その方が適切だとも思うのです

#414 中途半端ブルース(ライオン丸G) 投稿者:LD [2007/03/19_04:18]
2006年10月1日〜2006年12月24日まで放送され「ライオン丸G」は、あんまり評判のいい作品とは言えませんでした。かつて放送された特撮ヒーローの名作「快傑ライオン丸」の名を冠してスタートしたこの作品は、その似ても似つかぬ作風とストーリーに案の定の反発を受けて終了して行きました。まあ、あんまり評価を受けた作品ではないんじゃないかなあと思います。
「ライオン丸G」第1話
…しかし、僕は好きだったんですね。…何と言うかノリが(笑)主演の波岡一喜さんの演技というか喋くりに全幅の信頼を置いた構成とか、毎週可笑しなコスチュームに変身して現れる遠藤憲一さんのノリノリっぷりとかが。毎週かなり楽しく見せてもらいました。
しかし、同時にこの作品を楽しむためには、いくつかのハードルがあった事も確かなようです。なので、その障害を出来るだけ取り除く努力をしてみようと思いまして、筆をとる事にしました。同時に「ライオン丸G」のバックボーンというかテーマ…のようなもの?に迫る事ができればと思っています。
ちょっと、念を押しておくと、この文は「ライオン丸G」の“面白かったところ”を解説する事を主体としていません。面白かったところは先に述べたように獅子丸(波岡一喜)のダメ独白だったり、ジュニア(遠藤憲一)のダメコスプレだったり、サオリ(小林恵美)のダメキャバ嬢っぷりだったり、オザキ先生(山岸拓生)のダメオザキ伝説だったりするのですが、「ライオン丸」とついてて、これらを楽しめ!と言われても釈然としない方々が多数だと思いますので、それらの先入観を外す一助になればと思います。

…とか言いつつ「ライオン丸」という看板に関しては、いきなり「とりあえず目をつぶって!」としか言いようがないのですけどね(汗)まあ、僕から見ても「ライオン丸G」は固有名詞くらいしか「快傑ライオン丸」を受け継いでいません。(「快傑ライオン丸」のテーマは何だっていうのも難しい話ですが…)その作品の似ても似つかなさを「許せ〜んっ!!」と言われてしまうと、僕も「まあまあ(笑)」くらいしか言えないかもしれません。
…しかし、まあその話はここでは避けます。元々平成ライダー・シリーズや、果てはガンダム・シリーズ等でも言われているリメイクものに付きまとう議論なので、ここでは敢えて長々と語りません。とりあえず観てみてと(笑)
「ライオン丸G」第13話
さて、その後に来るのは特撮ヒーローとしてのライオン丸Gですが、これについては、僕が「ライオン丸G」世界を認めている(!)友人たちと話をした時に「『ライオン丸G』はヒーローものと思うのは正しくない」という評価が出てきた事があります。別に「『ライオン丸G』をヒーローものとして観ていたら酷い目にあった!」という意見の友人もいるのですが、どちらもその通りだと思うんですよね。ネタバレですが「ライオン丸G」の最後は「快傑ライオン丸」の真逆と言ってもいいです。「快傑〜」はゴースンを倒すために自らの命を賭してそして散華するのですが、「〜G」の獅子丸は自分を賭す事もできませんでした。そしてサオリとコスKは生き残ったものの、彼女ら以外の、登場した仲間と言えるほぼ全ての人を失います。…これはヒーローものとして観ているとかなり鬱になります。

では「ライオン丸G」はヒーローものとして観ると失敗する作品なのか?

…というと、それはそうではないと僕は言いたい。「ライオン丸G」はヒーローものとして観て、そして、ガックリ来て欲しい(バックボーンとしては)作品なのだと思うのですね。これって先程「怪傑ライオン丸」だとして観る事は目をつぶって欲しいと言いながら、しかし「ヒーローもの」としては観て欲しいと言っています。えらく中途半端で自分勝手な作品と言えるかもしれません。しかし、それが「ライオン丸G」なのですよっ!(←ニヤリと笑って親指を突き立ててる)


そこで、ちょっと“この手の作品”のサンプルを上げようと思います。
GONIN
GONIN(1995年)
佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平と彼らを殺しに来る殺し屋がビートたけしという豪華競演映画なんですが、非常に凄惨です。バブル崩壊で多額の借金を背負った佐藤浩市が、他の5人のダメ人間を集めて、借金元のヤクザの事務所を襲って大金をせしめる事を計画するのですが、すぐに犯人をつきとめられて逆に返り討ちに合って全滅してしまう。(まあ、刺し違えるんですが)その死に方といのもかなりキツくて椎名桔平は殺された恋人の女装(あれ死体から髪を剥いだんじゃ…)をして満身創痍で現れ、でもあっさり撃ち殺されたり、…なんか竹中直人が殺し屋が来る前に自分の家族皆殺しにしちゃったり…(汗)ここらへん「ライオン丸G」でジュニアが錯乱して死んで行く流れと、かなり近いです。…というか“この手の”映画のパターンの一つなんですね。
![ai-ou]
![ai-ou](1991年)
柴田恭兵、錦織一清、大槻ケンヂ(おお、こっちも何気に豪華)の競演。どうにかこうにか、ヤクザの下請け商売で食っていた柴田恭兵が、借金地獄に落ちてるダメ銀行マン(既にクビ)の錦織一清と、コミュニケーション不全で仕事が続かないプー太郎の大槻ケンヂの二人を仲間にしてまったために、何とかこなしていたヤクザの生活すら上手く立ち行かなくなり、最後には仕事を紹介してくれていたヤクザの組長を敵に回して大立ち回りをやらかし、最後には恐らく全滅してしまいます。最後にちょっとファンタジーを載せるんですけどね。でも、柴田は彼らと知り合ってしまったのが運のつき…ではあるんですが、でも彼らとの生活はコミカルながら、かけがえ無く楽しいものだったんですね。一時は上手く立ち回って手に入れた麻薬を売りさばいてこんな生活から抜け出せる(何かが変わる)かもしれないと思った…そういう流れが、やはり近いかな…?と。

他にも、そもそも「ライオン丸G」の第一話で入れている「傷だらけの天使」(というかここで「そんなに面白くない!」って発言でさらに“この流れ”のファンにも反感買ったような…)や、あるいは「チンピラ」なんかもこの範疇ではないかと思うんですが、Vシネマでも多分沢山作られている、ヤクザが絡む、ダメ人間たちが楽しく生きてるんだけど最後には悲劇的な結末(必ずバットエンドではないんだけどラストにかなり凄惨な展開がある)を迎えるようなパターンの物語。僕は「チンピラ・エレジーもの」と呼んでますが、パブリックにはどう呼ばれてるんでしょうね?多分、ここらへんの語彙で通じるとは思うんですが。
「ライオン丸G」第13話
つまり「ライオン丸G」はベースにチンピラ・エレジーものがあると思っています。…で今時、特撮ファンをやっていて「ライオン丸」という名詞にひっかかって、録画予約をするような輩は多分(?)1〜2話か観たら「ああ、何かああいう感じ(チンピラ・エレジー)の話?」みたいに当たりはつけれると思うのですよ。で、ここからがアンビバレンス勝負なのです。
「チンピラ・エレジーもの」と当りをつけまして、しかし、通常のチンピラ・エレジーものは非合法の大金強奪や、非合法の麻薬を横流ししたり、あるいは銃器を手に入れたりして人生の転機を迎えたりするのですが、これまでヒーローの変身アイテムを手に入れた「チンピラ・エレジー」は多分そうは無いのですよね(!)だからヒーローものだとしたら、このチンピラも凄惨な、悲劇的な最後は迎えないかも知れない…というか「チンピラ・エレジー」に見えるのは実は“気のせい”で「ヒーローもの」として展開してくれるのではないか?スカッと鮮やかに終わってくれるのではないか?
その期待というのは実はチンピラ・エレジーものの主役たちの「俺の人生が変わるかもしれない」という期待と同一性を持つものとも言えるんです。しかも、まっとうな(単なる大金や、単なる麻薬を手に入れる)「チンピラ・エレジー」を描くと観客はその後の悲劇的展開に「多分、あ〜ゆ〜展開かなあ?」と“耐性”を持ってしまうのですが「ヒーローもの」を持ち込む事によって、この“耐性”が緩和解除されてしまうのです。「もしかしたら…?」と。ここで最初に述べた話に戻りますが、「ライオン丸G」はヒーローものとして観て、そして、ガックリ来て欲しい作品なんですよ。「ヒーローもの」として食いついて、ああ、やっぱり「チンピラ・エレジー」だったか…とガッカリしてそれを理解する、それこそが狙いなのです!(←ニヤリと笑って親指を突き立ててる)
……………………………………orz ナンジャソリャ

い、いやバックボーンです。あくまで(汗)「チンピラ・エレジーもの」だという事を理解すれば「ライオン丸G」の世界には割りとすんなり入れるのではないかと思います。…で後は登場人物たちハジけた演技を存分に楽しんで欲しい。上述の部分も浸るに越したことはないのですが、やっぱり僕が一番楽しんだのはそこだったので。あと変身アイテムに対する考え方顕し方というのもこの作品にありますが、それは本論とは違うので割愛します。まあ、もし「ライオン丸G」を鑑賞される機会があれば確認して観てください。
とか言いながら、今さら「ライオン丸G」観なおす人がどのくらいいるの?って話ですけど(汗)とにかく書き留めておきますよ…と。

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