天元突破!雨宮ゆり子!

第四回
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※BGM「天元突破グレンラガンO.S.T」お前の×××で天を衝け!!
BGMをかけながら読んでねw【 IE.7推奨 】





そんなに知りたければ教えてやろう…。私は次元を超えてやって来た三次元人だ。

そう。この二次元世界の支配者、神と言ってもいい…。

(なぜ世界を支配しようとする?)…しようとしているのではない。既に支配しているのだ。

なんの為だと?もちろん、楽しむためさ。

われわれは、お前たち二次元人を使ってゲームをしていたのさ。



ゲームの駒にプレーヤーは倒せない。だが、プレーヤーがゲームの駒を殺すのは簡単だ。

ちょうどハッピーエンドにも飽きてきたところだ。ヒーローが死ぬ、悲劇のエンディングはどうだ?



〜「勇者特急マイトガイン」最終回より〜










…だが、しかし…






…週刊少年チャンピオンより速報…






2002年5月「ななか6/17」アニメ化決定!!



それは「ななか6/17」連載終了直後の少年チャンピオン次号にて発表された。

同時に3ヶ月後に「ななか」の連載が再開される事も宣言される。

連載終了後にアニメ化発表…。

アニメ化の決まっている連載を終了させる…。

このチグハグな施策はアニメ化の情報が予期せぬ突発的なものである事を意味していた。

少なくとも既に最終回の作画フェーズに入っており

3ヶ月後に再開という事は原稿のストックがゼロかそれに近い状態であったと思われる。



つまり「雨宮の物語」は一度、確かにその幕を閉じたのである!!



…だが、しかし…


雨宮ゆり子役は当時、アイドル声優の女王として地歩を固めつつあった堀江由衣!

(※というかドラマCDで七華やっていた人が雨宮に移っている!)

TV未放送話(つまり映像特典)は雨宮主役話!!

「ななか6/17」という物語に雨宮ゆり子というキャラがいなければ!全てこのステージは与えられなかったであろう!

だからこのステージは雨宮が自らの力で掴み取ったものなんだ!!

(`・ω・´)

もうこの流れは誰にも変えられない。

下りたはずの幕は再び上がり、

曖昧なまま終幕を迎えた物語は決着の時を迎える。

「序列のルール」に阻まれ、儚く散っていった螺旋戦士…「下位ヒロイン」たちの魂が!臨界点が!

「雨宮ゆり子」を突破者に選び、彼女を最後のステージへと送り出す!


制作者に!ドラマツルギーの神に!そして霧里七華に!最後の突破を挑む!!



2002年8月「ななか6/17」連載再開!!



物語はななかと雨宮の帰国から始る。



相変わらず報われない雨宮…。



同時にアメリカから戻った七華は奇妙な男性人格“ヒロ”を抱えるようになっていた。
それは七華が稔二に対して投影していた“理想の稔二”だった。



まあ、普通のエピソードもあったりする。



稔二は不良と対決する無茶な“ヒロ”をかばって刺され重傷を負ってしまう。
輸血を必要としたが…血液型の違いから雨宮の血は使うことができず、結局、七華の血が分け与えられる事になった。

■この事件はここに至っても、まだ雨宮が「序列二位」のヒロインである事を表わしている。
はっきり言って「序列一位」のヒロインがこういう場面で主人公の輸血ができないという事はまずあり得ない。
第二部に入っても雨宮に対する「序列」の圧力がなくなったわけではないのだ。



父親の再婚を複雑な思いで見送ったななかと稔二はななかのお母さんの思い出の場所への旅行を計画する。
二人きりの旅行を知って雨宮は強引にこの旅行について行く。

■このシーンはかなり居たたまれない程、雨宮がみっともないシーンである。
「めぞん一刻」で一人旅に出かけた響子さんを追った五代くんが偶然のいたずら的に同じ宿に居合わせる、
とういった場面などがあるが、雨宮にはそういった状況のキツさを緩和させるような手引きは基本的に受けられない。
何故なら七華よりも序列が下だから!
恥ずかしかろうが、みっともなかろうが、全部自分でやるしかないのだ。





衝撃的なシーンを七華(実はヒロ)に見せつけられ、いろいろふっきれる雨宮。





なんかもう………いろいろ爆発している雨宮。







積上げられてきた「物語」に対して当然過ぎる結論。

だが、ここまで来たんだ!

第一部の総登場率57%!!二部との総計でも62%の彼女が!!

負けるために創造された彼女が!!

ようやくこのシーンまで辿り着いたのだ!!


■おそらく七華と雨宮は同じくらいの頃に稔二に恋をしている。
だから二人のスタート地点は一緒のはずである…
しかし、一方はその後、ずっと稔二の庇護を受け続け、一方はそこから10年以上離れる事になってしまった。

いつも一緒におり、庇護を受けてきた女の子の方が心は近いかもしれない。
でも、いつも稔二に頼って来たその女の子は稔二の心が荒んで助けを求めていた時に彼を助けてあげる事ができなかった。
(稔二自身は切っ掛けさえあればすぐに立ち直れる人間だったがその切っ掛けさえ事故を起すまでは与えられなかった)
助けようと思っていたとは思う……でもその“力”を持ち得なかった…。

一方、稔二から離れる事になった女の子は自分で自分を守る事を余儀なくされた。
いじめられる自分を自分で助け、いじめられない自分を手に入れようと努力した。
その「試練」は彼女に何かを成すための“意志”と“力”を与えた。

そして再び稔二との関わりを持った時、
彼女は自ら手に入れたその“力”を、ななかを“守り”、稔二を“助ける”ために行使する。
稔二から10年離れていたからこそ、彼女は稔二を支える力を持つことができたのだ。

何かキレイな事を書いていますが!
こんなん連載終わってるから言える事だからね?w
雨宮が「強い」事は分析していた。
でもその時この連載に何が起こってるかなんてわかりゃしなかった。
(そこらへんのハラハラ感を再現したくって、ちょっとあざといけどロール方式で記述したりしているのだ!)

むしろ、いつも一緒にいた、心が近くにある女の子を選ぶのがラブコメのパターンというもののはずだ。
そういうもの全てひっくるめて、雨宮は自分の物語に塗り替えてしまったのだ。





しかし、雨宮もここに来るまでに疲れ果てていた。



そしてずっと稔二に頼ってきた七華は、稔二を困らせる事でしか彼を振り向かせる術を知らなかった。



彼女は稔二の手を引き、そして岬に身を躍らせる。(ちょww!)













■僕としては「雨宮の物語」はこの「岬編」で大勢は決まったのではないかと考えている。
(しかし、その展開もみっともなくても居たたまれなくても付いていったからこそ手に入れる事ができたんだよなあ〜!)
一応、細かい調整など通して七華に再戦への道を狙っていたような面も感じなくはないが、
そこまでの流れは作れず、実質、七華と雨宮の直接対決はこれが最後となる。

そして、雨宮は「終盤で序列二位がそれをやったら生還率1%以下」、「展開のハンバーガヒル」と言われる(←言われてない)
超負けフラグ「今夜、家には誰もいないの…」をやらかすのだが、それさえも勝ち抜けてしまう。
もはや、雨宮ゆり子ならば何をしても勝ち!という所まで大勢は固まっていたのだ…。

■凪原稔二について

稔二は基本的に恋愛感情をほとんど持たないキャラとして描かれ続ける。
第83話に彼を象徴するエピソードがある。
クラスの目立たぬ女の子が目立たぬままに転校して行くのだが、
稔二だけは彼女が3年間、自分と同じクラスだった事を覚えていたというものだ。
その子は稔二にほのかな想いを寄せており「腕を組んで欲しい」と願い出る。
稔二はそれにすんなりOKする。

つまりコイツ、本当に誰にでも優しいのだ。
その後の雨宮の苦労まで目に見えるようだが…。
…まあ、雨宮さん、そこらへん完全に見切っちゃってるみたいだからいいんだろうw

■霧里七華について

雨宮との対決に敗れた七華は「物語を終わらせる権利者」として別の道を模索し始める。
自分を嫌っていたクラスメートの風祭、6歳のななかの時の友達の九里子、七華の新しい母親の五十鈴。
そして6歳の自分自身。
稔二しか見ていなかった七華はそうやって自分を取り巻いていた繋がりに改めて目を向け、
その関係の修復を図って努力するようになって行く…。
(※実際に、風祭や五十鈴と七華を結ぶエピソードには稔二はほぼ完全に関わりを持っていない)

「ななか6/17」という物語は霧里七華が凪原稔二への依存から離れ、
自分と繋がって行く世界に目を向けて、自らの力で歩む道を選んだのだ。

そうして「自分が必要とされる世界」を作り育てて行く中で、
やがて6歳のななかは役目を終えて消えて行き、17歳の本当の七華は目覚めるのだ…。



2003年5月「ななか6/17」連載終了!!



2008/05/27

※お疲れ様。次回は最終回、「雨宮の物語」のまとめとその後です。

第五回につづく

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