学研まんがの誘い
僕が小さい頃、夢中に読んだマンガに「学研まんが人物日本史」というのがある。日本史に登場する歴史を作った有力人物の生涯をマンガで楽しく、解りやすく、説き明かしたもので、僕はっこれで日本史を学んだかどうかは分らないが歴史に親しみ、その楽しさを教えてもらった。すごく感謝しちゃうようなマンガなのである。その感謝するマンガに対し「日本史を学んだかどうかは分らない」と書いたのは、(本当に学んだという意識がなかったこともそうだが)その本一編一編のフィクション性が非常に高いから。そうなのだ、大人の鑑賞にも耐えうる歴史マンガというものを読んだ方なら分かるだろうが一人の歴史的人物の生涯はとても一冊の本にまとまるものではない。それを150足らずのページ数で見事に一冊にまとめ上げ、子供には退屈なはずの政治的な背景などを何とか分りやすいものに置き換え、ときには脚色し、そしてほんの少しの作者のメッゼージが込められた、このマンガシリーズは大変な傑作揃いだと僕は思う。
それらの歴史マンガに『マンガ』としての評価を与え紹介したいと、このページを用意した。僕が主に読んだ歴史人物伝は「学習研究社」のものが多く、思い入れも間違いなく学研。その中の主力作家、ムロタニツネ象先生、田中正雄先生、伊東章夫先生といった人達の作家性を考えながら、機会があれば他の作品にもふれていこうと考えています。
ちなみにこの「学研まんが人物日本史」は現在でも書店で購入可能です。機会があれば一度読んで観てください。
1999/5/6 LD津金
第一回まぼろしの女王「卑弥呼」
第二回維新と文明開花「伊藤博文」
第三回川中島の戦い「武田信玄と上杉謙信」
第四回大仏にこめたいのり「聖武天皇」
第五回源平の戦い「源頼朝」
第六回赤穂浪士の討ち入り「大石良雄」