娯楽のハイエナ

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#68 武装錬金のハイエナ
投稿者:LD <2005/04/27 03:14>
骨を拾って(単行本を買う意)きました(笑)「るろうに剣心」にも「GBW」にもお金を払っていないのに「武装錬金」には払っております。読み返してみるとやはり、かなり緊迫感を持って連載が為されているのが分かります。1〜2巻が特にそうなんですが、別にその後も変なダレがあるわけではないです。

また、どう読んでもキャラは“回って”います。主人公カズキの心情や決意の組み上がりがよく分かる。妹のまひろや、岡倉(ミラウー・キャオ)が何でそこに居るのか分かる。設定先行のテキストキャラクターじゃない。分かりすぎる程分かる。この苦労に対して「分かり過ぎるからダメだったんだよ〜?」とかいい加減な事を言い放つと和月先生多分泣いちゃいますね(笑)
単行本の“言い訳劇場”を読むとパピヨンとエンゼル御前はかなりノリノリで描いていたようです。確かに良い動きをしていました。エンゼル御前が“回り”始める時は既に打ち切りの予感をそこはかとなく感じ始めていたので誉め損ないましたが、良いです、エンゼル御前。桜花の裏人格だという設定もかなり利いている、というか相乗的に桜花のキャラも立つというナイスマスコット(笑)再登場の機会が与えられなかったムーンフェイスですが、彼も再登場すれば確実に“回る”事を感じさせるキャラでした。

…では何が悪かったのか?…分かりません。「華がない」という残酷な言い放ちは可能ですが(汗)安易にそっちに流したくないというか…「じゃあ!『Mr.フルス●ング』には華があるのか!?あるってのかよ!?」とか、余計な事口走ってしまいそうですし。(一応、件の作品嫌いじゃないですからね。ちゃんと大穴マーク付けてるでしょ?)
しかし、これがなかったから打ち切りになったとも思わないのですが、個人的に僕が不満足だった部分を上げさせてもらうと、やはり大ボスのヴィクターのキャラが弱かった事がありますね。単行本を読んでみると案の定なのかどうかは分かりませんが、和月先生、ヴィクター登場に前後して体調を崩していたようです。

しかし、ヴィクターが“どれ程の驚異であるか?”という問題はヴィクター化するカズキに対して再殺部隊が送られる事、カズキ自身がその境遇に苦悩する事、そして当然その驚異と決着をつけなくてはならない事、その全てに対する重圧(プレッシャー)になるんですよね。そこのキャラ立てが甘かったのは残念だと思います。

それこそ戦斧じゃなくって、巨大なジャックナイフの武装錬金とかね。「筋肉はゴリラ!牙は狼!そして燃える瞳は原始の炎!」とか唸り出す2メートル超の巨人がヴィクターだったら「そ、そんな奴、起こしちゃダメ〜!!!」くらいは言いたくなるでしょうし(笑)まあ他にも「パワーはサンシャイン!テクニックはザ・忍者!スピードはプラネットマン!ボディの強靭さはスニゲータ!…そして残虐性はジャンクマン」とか。虎牢関から牛の大群を追い落としてそこを足場にして戦場に降臨するような人とか。「ああ!そんな人には勝てましぇ〜ん!!」という気にはなるでしょ?

ま、それは冗談なんですが(笑)ボスキャラは大事ですねって話です。逆にヴィクターが面白ければ全部見事に“回った”ようにしか思えないので(妄想の立っているキャラによる妄想のシミュレーションに過ぎませんが)返す返すも残念です。同時にその程度の失点で打ち切りにまで追い込まれるようにも思えないんだけどな〜?何だったんだろう?
  • 9巻買った読んだ 投稿者:井汲 景太 <2005/11/07 03:58>
  • Re:武装錬金のハイエナ 投稿者:鷹 <2005/05/05 02:38>
  • #116 9巻買った読んだ
    投稿者:井汲 景太 Ml Hp <2005/11/07 03:58>
    <<<親記事]
    「錬金」9巻読んでやっとネタばれを気にせず「今週の一番」で「ファイナル」が受賞した回を読めましたので、ちょびっとだけコメントです。

    みなさんが仰ってたことは大体同感で、和月氏が振っ切れたような節が感じられるのが嬉しかったです。10巻が出るのがまた随分と先のようですが、これなら期待して待つことができそうです。

    辻褄的には割とヤバそうな所が表に出てきつつありますが、そういうのは気にせず、勢いを楽しむのが吉、ですよね(これは「逃げ」ということでなしに)。

    http://sahitoho.exblog.jp/2514244/ にもある通り「バトルヒロイン」であるはずの斗貴子の見せ場が弱い、というきらいはあって、バルスカが「ファイナル」で出番なしになってしまった事情はライナーノートに触れられていますが、その辺りは「ピリオド」でフォローされるものと期待します。

    次回作にもいい影響が残ってくれるといいなあ。和月氏が好調な再起を果たしてくれることを祈って、この辺で失礼します。
  • Re:9巻買った読んだ 投稿者:LD <2005/11/09 00:20>
  • #117 Re:9巻買った読んだ
    投稿者:LD <2005/11/09 00:20>
    <<<親記事]
    こんにちは。僕も9巻買いました。…って最終巻は1冊まるごと描き下ろす気かよ?!とか思ってしまったのですが、何か読み切りを書いていましたね。そうすると数十ページくらいで、そぼっと「武装錬金」やって後は読み切りって構成でしょうか…。(編集部としては連載最終回と「ファイナル」合わせて全9巻!って計画だったんだろうなあ)

    > 斗貴子の見せ場が弱い

    バルスカって元々“他者を寄せ付けない”構造しているんですよね。これはある意味、斗貴子の心象を表していたとも思います。そこらへん連載が続いていればバルスカのフォルムってのは進化にかこつけて変わっていたと思いますね。骨組みが華奢で力感が低いし。淡白に言ってしまうと連載開始時に世界観を特徴付ける“ちょっと変わった武器”としての効果はあったけど、あまり(絵的な)構造はよくなかった。(逆にカズキのサンライトハートはデザインを変えない方がよかったなあ。あの扱い辛そうな巨大なランスのままがよかった…眼がついててカックいいし!)
    まあ、元々すでにヴィクター一人を団体でボコボコに叩く構成になっていましたしね(汗)入れようと思えばパピヨンと剛太がヴィクターをかく乱するシーンにワンカット(彼らからして見せ場ワンカット)くらい入れる事は可能かとも思うんですが“カズキの手を離さず”バルスカを扱うのって構図的にかなり難しい…。仕方ないかなという気もします。

    ピリオドに個人的に期待するところは千歳さんと、毒島の武装錬金が遂に分からずじまいだったのが心残りなので何とかならないかな〜っと(笑)毒島の武装錬金は「毒ガス」に違いないと僕は思っていて、それが当りだったらもう使う場所ないでしょうけどね…(汗)
  • 10巻と「ピリオド」 投稿者:井汲 景太 <2006/04/05 23:52>
  • Re:9巻買った読んだ 投稿者:井汲 景太 <2005/11/09 23:47>
  • #125 10巻と「ピリオド」
    投稿者:井汲 景太 Ml Hp <2006/04/05 23:52>
    <<<親記事]
    ようやく単行本で完結を読めましたので、再びコメントをば。

    「今週の一番」の当該回はLDさんのしょっぱなの一言で即、ネタバレ回避のためずっと封印してましたので、今回初めて読むこととなりましたが、皆さんのおっしゃることはよくわかります。私は和月先生を大の贔屓にしているので、それでも「好きだ」とは言えますが、弁護しようとは思いません。

    失敗の原因は、一にも二にも「パピヨンを大事にしすぎた」ことにあると思いますが、ただこのマンガがパピヨンの扱いをしくじっていたのは、もっとずっと以前から始まっていたことで、結局その時点で迷走は運命づけられていたのでしょう。「ファイナル」では描く内容を取捨選択した結果、パピヨンの扱いも小さくなり、それが熱さと勢いに繋がって(例外的に)成功したので、その調子を継続して欲しかったのですが…。

    ここから、「ピリオド」の話からは逸れます。

    パピヨンは作者のお気に入りである旨、これまでの単行本ライナーノートからは繰り返し伝わってくるのですが、これは「キャラとして好き」というよりも、パピヨンが精神の拠り所になっていた、ということなんじゃないかと思っています。つまり、アンケートやら何やらで思い通りに描けない鬱屈した気持ちを、パピヨンというキャラを通じて僅かながらも発散することで、精神のバランスを保つことができていた、と。そこを和月先生は「俺はパピヨンに『思い入れ』を抱いている」と錯覚してしまったように、私には思えます。実際の所、このキャラにそれほどの魅力があるとは、私には思えず、再登場後のパピヨンにはどことなく作者の悲痛な心の叫びが漂っているような印象がします。

    本来パピヨンというのは、連載開始時点のエピソード群を引っ張る、少年マンガ的に適度に分かり易い「狡猾でそこそこ強力な敵役」以上のポジションは必要なくて、「主人公の終生のライバル」役を張れるほどの格は備わっていませんでした。何かの間違いで再登場した後、上述したようなシフトが見られるのですが、その辺りからは「どうも和月先生相当アンケートを気にしていろいろ模索しているらしい」という感覚を非常に強く感じていました。たぶんこの作家はあともう少しだけ「読者のストレートな声」を気に掛けず(んなもんほとんど大した考えもなしに思い付きを好き勝手言ってるだけなんだからさ!)、自分のやりたいようにやる(いい意味での)図々しさがあった方がその才に合っていると思うのですが…担当もあまり直接アンケートを意識させず、作家を「守る」ことに注力して欲しかった、と残念に思います。

    ………それにしても同時収録の読み切り、「血液噴射が武器になっている」ことがわかりにくい!異様にわかりにくいよ和月先生!!(笑)(たぶん、ライナーノートに書いてなかったら自分では気づかなかった…手やら腹やらからエネルギー衝撃波(←大間違いを出してるのかと思ってしまいました)
  • パピヨンの役どころ 投稿者:LD <2006/04/09 05:25>
  • #126 パピヨンの役どころ
    投稿者:LD <2006/04/09 05:25>
    <<<親記事]
    10巻買って来ましたw まあ、何と言うか淡白な表紙ですね。う〜ん、いいのか悪いのかわがんねw
    さて…。

    > 本来パピヨンというのは、連載開始時点のエピソード群を引っ張る、
    > 少年マンガ的に適度に分かり易い「狡猾でそこそこ強力な敵役」以上の
    > ポジションは必要なくて、「主人公の終生のライバル」役を張れるほど
    > の格は備わっていませんでした。

    そうですねえ。僕自身はパピヨンはかなり好きなんで、難しいところですが、キャラクターの持つテーマ的に言うと彼は、復活後「格が落ちた」というのが正しいかと思います。何故、格が落ちたのか?答えは簡単で「人を喰わなくなったから」です。
    この時点でカズキを「偽善者」と罵るパピヨンは言わば「偽悪者」に堕してしまったと言えます。
    パピヨンが“蝶人”となってカズキに投げかけたテーマというのは「オレを殺さないともっと人(トキコ含む)が死ぬぞ?」であるワケで、本来なら復活したその後も「ああ〜ん!カズキーン!お前に憎まれれば憎まれるほど!オレのあそこはもうビンビン!」という感じに、そのテーマ性を持ち越してしまえばよかったと思うんですけどね。「ピリオド」において勝負がついたパピヨンが「殺れ。今度はしくじるな」と言うんですが、あの時点でカズキがパピヨンを殺す理由は本っ当に!ゼロなんで。それではその決着の比重は軽いです。
    しかも、ホムンクルスの成り立ちの設定上でも、多少無理を感じさせる「人を喰わなくてもよくなった」という設定をわざわざ与えているワケです。なんでかっつーと、やっぱり人殺しを続ける事によって、カズキとまともな会話が成り立たなくなる事を避けたのでしょう。ストーリーも進みづらくなる…ってこれらの事に回避方法がないとは僕は決して思わないんですけどね。最後は和月先生がパピヨンというキャラクターを許容するための心の問題なんじゃないかという気もします。人間としては正しいけど、クリエイターとしてはどうなんだろう?とか言っちゃおっかな?w(←巻末のあとがきを読んでもこういう事を言う鬼読者)

    ただ、今「格が落ちた」なんて物言いをしていますが、それはダメキャラになったという意味ではなく、僕自身は復活後の彼は非常に上手いこと“回って”いたし、牽引力もあったと思っています。つまり良いキャラだったと。今、読み直すとむしろ「こんなこともあろうかと密かに開発しておいたんだ!」とか言い出す万能科学者の位置にいるという気もしますw 登場時に彼が持っていたテーマは形を変えて、ビクターや、トキコさんにバトンタッチされているワケで、その後のパピヨンは神出鬼没のキャラとして美味しいところを持って行く、「風車の弥七(水戸黄門)」とか「ソルダードJ(勇者王ガオガイガー)」みたいな役どころを体現すれば充分であると。

    で、あるが故に「今週の一番(http://www.websphinx.net/manken/come/wek1/wek10232.html#387)」で言っているように、斗貴子とカズキの邂逅の後に、パピヨンとの決着を持ってくるべきではなかったかなと思うわけです。彼の決着は必ずしも必要なものではない。むしろ決着などつかずに去って行く方が、復活した彼のキャラクター性は守られたという気がします。

    されはそうと巻末に「アフター」が載っているわけですが、剛太はえらい色気出てますね。あれならちーちんならずとも誰ぞをひっかけるのは時間の問題という気がします。失恋一つでえれえ成長したもんだw
  • Re:パピヨンの役どころ 投稿者:井汲 景太 <2006/04/12 00:57>
  • #127 Re:パピヨンの役どころ
    投稿者:井汲 景太 Ml Hp <2006/04/12 00:57>
    <<<親記事]
    〉何故、格が落ちたのか?答えは簡単で「人を喰わなくなったから」です。

    私が「ファイナル」のコメント http://www.websphinx.net/manken/hyen/hyen0116.html で「辻褄的にヤバそうな所が表に出てきつつある」と言ったのもその辺りで、まず第一にパピヨンをカズキが「認める」ようになってしまったため、「第一部」である「VS パピヨン編」でせっかく組み上げた少年マンガとしてのロジックまで遡ってぐらついてしまっています。

    「なぜ、斗貴子は自分の命を(あっさりと)諦め、カズキにパピヨン討伐を指示するのか?」「なぜ、カズキは病弱な蝶野が生き延びるたったひとつの手段を奪い、倒そうとするのか?」といった、ストーリーの根幹にかかわる重要なポイントはひとえに「ホムンクルスは人を喰わずにはいられない(非人間型ホムンクルスの場合はさらに、生前の精神も失われてしまう)」という事情に掛かっていたのであって、それを避けられる可能性が《ほんの僅かでも》あるのなら、カズキのキャラだったら「どんなに可能性が小さくても、その可能性を追求することは諦めない」という考え方をしなきゃおかしかったはず、ということになってしまうわけで。

    この「武装錬金」というマンガの緊迫感を担保していたのは、その「ホムンクルスと人間は、どんなことがあっても絶対に相容れない」という部分だったはずなのに、パピヨン復活後も「今はとりあえず問題ないようだから、パピヨンのことは見逃そう」とカズトキが判断したり、「人を喰わない」という条件をつけて斗貴子がパピヨンに同行したり、というような描写が出てきてしまった所はマンガとしては言わば「敗北」で、パピヨン可愛さにそこを疎かにしてしまったところが、結局は打ち切りにつながった遠因と言えるような気がします。

    で、挙げ句の果てに「パピヨンの食人衝動がおさまっているかのように見えるのは一時的なものに過ぎない心配はないのか?あるいは、単にパピヨンがそのように見せかけて騙そうとしているだけじゃないのか?」という疑問すら抱かず、(かなり長期に渡るミッションとなるはずの)冬眠フラスコの製造と「白い核鉄」の精製を(パピヨンを全面的に信頼して)任せる、というのは(「ファイナル」の時点ではもう先がないのでマンガ的にはやむを得ない部分があるとは言え)、言ってしまえば「あ〜あ」という部分で…。カズトキとの間には「奇妙な信頼関係」が成り立っている、ということで無理矢理目をつぶるとしても、9巻冒頭ではどさくさに紛れて戦団までもがパピヨンを目こぼししている、というのが、どうにも。

    〉これらの事に回避方法がないとは僕は決して思わないんですけどね。
    〉最後は和月先生がパピヨンというキャラクターを許容するための心の
    〉問題なんじゃないかという気もします。

    はいな。もしどうしてもパピヨンを復活させるなら、「人を喰わなくても済むようになった」なんてなまっちょろいことをやってるようじゃ絶対にダメで、奴にはバリバリムシャムシャ人を喰ってもらわなくちゃ困る。それも、ことさら残虐に、やるせなくなるようなやり方で。そしてカズキは救えなかった人の命の重みを噛みしめ、絶対にパピヨンは許さん!という決意を固める…という持っていき方じゃないといけないはずなんですけどねえ。

    〉人間としては正しいけど、クリエイターとしてはどうなんだろう?
    〉とか言っちゃおっかな?w(←巻末のあとがきを読んでもこういう事を言う鬼読者)

    その「人間としての正しさ」も中途半端で(←ヒドい(笑))、パピヨンを生き延びさせるなら「かつて奪ってしまった人々の命の重みを噛みしめ、自分の罪を見つめながら生きていく」というようにしなくちゃいけないはずです(少なくとも、「要素」としては絶対に必要。巳田や蛙井たちの人生を取り返しのつかないくらいねじ曲げ、実の家族を始めとした何人もの命を吸収して腹を満たしたという過去は消えない)。それ抜きで一日店長だの「もっと愛を込めて!」だの能天気にやられても、なんつーか虚しい思いが先に立ってしまいますよ。連載初期のカズキの「今まで犠牲にした人たちにちゃんと償って、それから命が終わる最期まで生きろ!」というセリフが宙ぶらりんなのはもったいない。

    さんざん書いてきましたが、これでも私は和月先生贔屓ですよ。ええそうですとも(笑)。まあ、次回作にまた期待します。

    あ、そうそう、「斗貴子のバルスカ」ですが………えーと、「ありました」ね。以上。(いや、だって、他に何を言えと言うんですか(笑))
  • ヒドくないですね。 投稿者:ルイ <2006/04/12 01:28>
  • #128 ヒドくないですね。
    投稿者:ルイ <2006/04/12 01:28>
    <<<親記事]
    まあ、錬金話はお2人で大体纏まってるので、ムリヤリ枝葉つける行為ですが(笑)

    > その「人間としての正しさ」も中途半端で(←ヒドい(笑))、パピヨンを生き延びさせるなら「かつて奪ってしまった人々の命の重みを噛みしめ、自分の罪を見つめながら生きていく」というようにしなくちゃいけないはずです

    ここは圧倒的に正しいし、同感であるし
    ・・と同時に、他にも漫画家先生方の中に、何人かいると思いましたよ?
    正しさが中途半端というよりは、感情が先に立ちすぎるあまり近視眼的になり
    いくつか、必要なハズの積み上げや禊をやった気になっている(脳内で)
    もしくは、必要な事自体忘れている。
    これは武装錬金に限った話でなく、キッチリと組み立てられていない連載なら
    様々な場所で散見される部分です。
    しかし、特に人の生き死にに対しての感覚は、間違っちゃあ底が知れるワケで
    フと思い出しましたが、何回か前に「一番」をとった内水先生の読切「フォレスト」は
    ひとえにその部分が正しかったから良かったのだ、と断言できるのです。

    えーと一応その「フォレスト」を纏めますと(笑)。
    盗賊の首領が、村の雇った用心棒に完敗し森へと逃げる。そこにいた少女はかつて村から迫害された解放奴隷。傷を癒す為利用していたはずなのに、少女との交流によって人の温かさを取り戻していく盗賊。しかし、追討を依頼される用心棒。用心棒は少女と盗賊に同情し、その事実と期日を盗賊に伝えるのだった。その日、盗賊は少女を巻き込まない為自らの意志で村に戻り、用心棒と勝負をする。その最中少女は盗賊を追い村にたどり着き、「大事なもの」をまた奪おうとする村への憤りを叫ぶ。村人に襲われそうになった少女、だがそれを助け、武器に刺し貫かれたのは盗賊だった。
     最後、盗賊の残した金をもって、少女と用心棒は森を出る。強い意志をもって。

    ・・・・って〜話なんですが(笑)。
    この場合やっぱり、その「盗賊」の処置が今回のパピヨンとかぶるワケです。
    少女との交感を見る限り、彼が人間としての根本的な「悪」とは到底思えない。
    しかし一方、盗賊を率い、悪を重ねた事実は絶対に消えないワケです。
    漫画を読んでいた限りでは、少女と盗賊が仲良く生きていく、というカタチをとっても
    読者としては悪くない読後感だったと思う。
    けれど、それをやっちゃあやっぱり「ダメ」なんですよね、ちゃんと盗賊を描くのなら。
    よって、彼は命を落としたワケですが、だからこそのこの読みきりは素晴らしかったワケです。
    死以外にも禊ぎの方法はあったかもしれませんが、とりあえず作者が「気付いていた」というのが良かった。

    えー、錬金ではなくただの読み切り話に終始しちゃってもうスイマセンって感じですが(笑)
    言いたい事はわかっていただけるかな?と。
    和月先生が善性を追及し、物語のハッピーエンドを希求し、優しい人なのはわかります。
    けれど、だからこそ目配せは欠かしちゃいけないんですよね。
    どこまでも自覚的でないといけない。
    ホムンクルスが「人を食う」存在であり、その事実を覆せない以上
    もうその時点で、真の意味での「ハッピーエンド」は成立しないんですよ。局所的には可能ですが。
    そのあたりへの視点が欠如していたのが、武装錬金の(和月先生の?)問題点であろうと思いますし
    パピヨンの「ハッピー」を考えた時、あのようなモノを思いついてしまえたのは
    逆に失望ポイントに数えられるかな、と思います。
    彼はカズキに殺されても、存在認められたままならハッピーじゃんねえ(笑)。

    しかし

    > さんざん書いてきましたが、これでも私は和月先生贔屓ですよ。ええそうですとも(笑)。まあ、次回作にまた期待します。

    ファンの鑑ですね!・・頑張って下さい(笑)。
  • Re:ヒドくないですね。 投稿者:井汲 景太 <2006/04/15 01:41>
  • Re:ヒドくないですね。 投稿者:hatikaduki <2006/04/12 17:15>
  • #132 Re:ヒドくないですね。
    投稿者:井汲 景太 Ml Hp <2006/04/15 01:41>
    <<<親記事]
    たびたびどうもです、ルイさん。

    FOREST はよい読み切りでしたね。ひとつ内水先生には奮起していただいて、この水準を反映させた連載を一発当てていただきたいところです。「これまでの連載2作はオレの力の50%も出してないぜ!」みたいな感じで(笑)。おなじく「一番」獲ったいとうみきおも連載枠獲ったところでもありますし。

    > 感情が先に立ちすぎるあまり近視眼的になりいくつか、必要なハズの
    > 積み上げや禊をやった気になっている(脳内で)
    > もしくは、必要な事自体忘れている。

    ああ、これは河下水希先生のことですね!←蝶・大間違い(ってゆーかアンタまだあれをネに持ってたんかい(笑))

    (以下余談)
    LDさん、以前私が「『ななか』で雨宮さんが結局どうなったのか知らない」と言ったとき、わざわざ「漫研辞典」で解説書いてくださってたんですね!すみません、普段使ってるのが行内フレーム無効のテキストブラウザだったので、トップページの更新記録を見ることが全然なく、まったく気づいていませんでした。私がチェックしていた更新って、全部「漫研ノート」経由だったのです…。申し訳ないです。

    あ、でもこれ、「ま」まみやげんしょう、で登録されてますよ(笑)。(このマンガでは「ままみや」という非常に特殊な読みをするキャラ………だとしたら大恥ですが、たぶんそうじゃないですよね?)

    それから、稔二の名前の「二」が、カタカナの「ニ」になってないでしょうか。

    (あと、「いちご」ですが、作者の名前が「氷河」になってます(←やっぱり見るのはそこか!?そこなのか!?!?なぜだオレ!!(笑)))。

    #129 Re:ヒドくないですね。
    投稿者:hatikaduki Hp <2006/04/12 17:15>
    <<<親記事]
    > パピヨンの「ハッピー」を考えた時、あのようなモノを思いついてしまえたのは
    > 逆に失望ポイントに数えられるかな、と思います。

    そこに至るまでの積み上げがきちんとできていたかどうかは別として、
    終わり方自体ははじめから決まってたのかもと思うんですが。
    つまり個々人のハッピーがどうのではなく、どんな世界が理想であるかという。
    具体的に言うと、
    @業を背負いすぎた、単一の正義しか許さない正義の組織を解体すること。
    Aヒーローを一般人にすること、ひいては読者一人々々が正義の徒になること。
    B成立し難くなった主体としてのヒーローに代わり、客体としてのヒーロー(=都市伝説)をつくること。パピヨン・ビギンズ。
    の3つで、連載の流れで決まったにしてはあまりに綺麗すぎるかな、と。
    そんなふうに『道士郎でござる』好きの視点からは思えるんですがどうでしょうか。
    あと罪を背負った者にこそ正義を期待する、罪を背負った者が幸せになる、というのはるろうに剣心でずっとやってた事ですね。

    しかしここまで愛される(=要求される)打ち切り作品は他に見たことがないな…
  • 日常に帰るヒーロー 投稿者:LD <2006/04/14 01:08>
  • #130 日常に帰るヒーロー
    投稿者:LD <2006/04/14 01:08>
    <<<親記事]
    こんにちは!hatikadukiさん

    > 終わり方自体ははじめから決まってたのかもと思うんですが。
    > つまり個々人のハッピーがどうのではなく、どんな世界が理想であるかという。
    > @業を背負いすぎた、単一の正義しか許さない正義の組織を解体すること。
    > Aヒーローを一般人にすること、ひいては読者一人々々が正義の徒になること。
    > B成立し難くなった主体としてのヒーローに代わり、客体としてのヒーロー(=都市伝説)をつくること。パピヨン・ビギンズ。
    > の3つで、連載の流れで決まったにしてはあまりに綺麗すぎるかな、と。

    僕が思うには@、Aについては、おそらくは最初から予定していた事ではないかと思います。ここいらへんは抽象的に語るとマンガの定型にはまってしまう(大体のプロットなんて誰でも組む)のでもう少し具体性を持たせますと、@の展開、及びそのバックボーンとなる“価値観”は非常に和月先生的というか「るろ剣」の討幕派=錬金戦団と大体かぶりますしね。個人ではなく集団が組織立って義勇を示そうとすると、最初の目的とは違うところに行ってしまうのではないか?という、そこはかとない疑念ですかね?あるいはヴィクターも救済するオールハッピーを目指した時点で解体は必然という事だったかも。
    Aについて、カズキは元々「日常に戻れるヒーロー」として設計されていました。なので日常の象徴である妹・まひろや岡倉たちは丁寧に扱われ、また武装錬金させるという選択に行かない事は守られました。しかしながら“再殺編”で彼らが居るフィールドを離れてしまったが故に、ストリーが単調傾向になり、やがれ打ち切りに…という噂も有ったり無かったりするようです?

    Bは…結局、本題のパピヨンの扱いなんですが、まずパピヨンの復活が決まった時点で、パピヨンの死にエンドは無くなったとは思います。まあ、これは僕なりの和月先生の性格分析としてw ただ、この結末はどうなんでしょうね?僕自身はパピヨンに不満があるとしたら「斗貴子を差し置いてトリを張った」事で、あの結末も決して嫌いではないのですが、ただ全体分析としては「宙ぶらりんな結末」と思えます。
    カズキが「日常に戻る事をセットされたヒーロー」である事はA項で述べたとおりで、それを元にカズキが日常に戻る=全ての問題が解決している=戦団は解体、と連鎖的に“物語”が日常に返って行くのですが、それに対してパピヨンの結末は「宙ぶらりん」といえ、やはり彼の復活自体がイレギュラー的なイベントだった事を表していると思います。前レスで書いたようにパピヨンが持っていたテーマ自体は「すまない。蝶野攻爵」でケリがついてますしね。
    また、カズキが“日常に戻る者”である以上、パピヨンもまた、戦団が解体したように日常に戻る……具体的に言うと「マスクを外す」といった選択もあったはずなのですが(まあ、それが罪を償うという事かもしれないし)それは「斗貴子を差し置いてトリを張った」時と同じ力学が働いてボツとなったようですw
    というワケで和月先生の性格を考察するにBまでの流れはパピヨンが復活した時点で、ある程度必然だったかと思うのですが、当初より確定だったかというと、それはどうだろう?というのが正直なところです。

    > しかしここまで愛される(=要求される)打ち切り作品は他に見たことがないな…

    hatikadukiさんが挙げた「道士郎」などと比べても非常に幸せな作品と言えますね。
    また全10巻は堂々たる連載だと思います。「ウィングマン」は全13巻、「炎の転校生」は全12巻。ちょっと関係ない話ですが、作者がしっかりと設計した物語を送り、読者がそれを受け止めて感動するのは、大体このくらい(12巻〜18巻?)の“速度”が適切だと思います。
  • Re:日常に帰るヒーロー 投稿者:hatikaduki <2006/04/14 20:43>
  • #131 Re:日常に帰るヒーロー
    投稿者:hatikaduki Hp <2006/04/14 20:43>
    <<<親記事]
    お返事ありがとうございます。

    あー、なるほど。復活以降パピヨンの内面に変化が無いことなんかを考えると先のことはあんまり考えてなかったのかもしれないですね。

    ただまあ、単一の正義を奉ずる組織が解体され、日常に帰るヒーローはそれ故みんなのヒーローにはなれないという状況で、日常を持たないパピヨンがその穴を埋めるというのはえらくきれいだなあとは思ったのです。
    日常に愛があったかどうかでカズキとパピヨンは裏表だったりしたわけで。これは序盤だけですけど。
    パピヨンは誰かを守りも救いもしないので、逆にさまざまな正義の映し鏡になりえるという。
    まあ、みんなのヒーローといっても「悪い子してるとパピヨンが来るわよ!」程度のものですけどね。

    同じ日常ヒーローと変態の構図を採用している道士郎とは比べがいがあるなあと思いました。

    #118 Re:9巻買った読んだ
    投稿者:井汲 景太 Ml Hp <2005/11/09 23:47>
    <<<親記事]
    どうも、LDさん。「絶チル」の紫穂考察も、興味深く拝見しています。

    > 何か読み切りを書いていましたね。そうすると数十ページくらいで、
    > そぼっと「武装錬金」やって後は読み切りって構成でしょうか…。

    あの読み切りを読むためだけに例の増刊を買うか…?とちょっと迷いましたが、結局見送りました。たぶん10巻に収録でしょうから、見送り正解ですね。

    とは言っても読み切り2本だけじゃまだ単行本1冊には足りなそうですが、さらに書き下ろしがつくのかな…?「るろ剣」の番外編で、単行本未収録、ってのが確かあったと思うんですが、その辺りを持ってくるんでしょうか。

    > 逆にカズキのサンライトハートはデザインを変えない方がよかったなあ。
    > あの扱い辛そうな巨大なランスのままがよかった…眼がついててカックいいし!

    まあ、作者もさんざん「描きづらい」ってこぼしてましたから、大目に見てあげましょうよ(笑)。

    > 入れようと思えばパピヨンと剛太がヴィクターをかく乱するシーンに
    >ワンカット(彼らからして見せ場ワンカット)くらい入れる事は可能か
    >とも思うんですが

    たぶん「バトルヒロインとしての斗貴子」をちゃんと描こうとしたら抜本的な変更が必要になりますね。巨大怪獣大決戦にちょっとページを喰いすぎた、と舞台裏を明かしてましたが、もしそこをちゃんと入れるつもりなら、終盤で斗貴子にどう見せ場を与えるか、を先に固めてから中盤の構成をしなくちゃいけなかったはず。

    で、そうなってなかった、ということは、いずれにせよ作者の中で「斗貴子の見せ場」は取捨選択の結果切られた要素の一つ…ということなんでしょうかね。

    > ピリオドに個人的に期待するところは千歳さんと、毒島の武装錬金が
    > 遂に分からずじまいだったのが心残りなので何とかならないかな〜っと(笑)

    個人的には、「再殺部隊編」がこの作品の失速を決定づけ、打ち切りの直接の原因になった「戦犯」だと思っているので、千歳さんにしろ、毒島さんにしろ、再殺部隊のメンバーには怨みがましい思いの方が先に立っちゃうかな〜(笑)。とにかく和月氏が描く以上ハッピーエンドは約束されているので、どうやって丸く収めるか、楽しみに待ちたいと思います。
  • 斗貴子は元からバトルヒロインだったか 投稿者:ルイ <2005/11/10 13:30>
  • #119 斗貴子は元からバトルヒロインだったか
    投稿者:ルイ <2005/11/10 13:30>
    <<<親記事]
    コニチハ。新進のマンガ読みです(笑)。

    このあたり、初期の単行本を読み返せば和月先生コメントでわかるのですが
    今手元にないので、どうだったかなーと。
    いや、勿論位置づけとして、記号としての「バトルヒロイン」ではあるのですが
    そのヒロインというのは、単に紅一点では・・というと少々極端ですけど
    和月先生の中で、カズキとの位置づけ、格付けは
    どうだったかなーというのが気になったのですね。

    前回投稿時の引用ページの方は、随分とファイナルにおける斗貴子さんの扱いを気にされていましたが
    それが読み手が僕になった場合、そこまで気にはならなかった。
    何故ちがいが出たのかというと、おそらく和月先生にとって「カズキ」というキャラは
    物凄く大きいのではないか?と、僕の場合勝手に思っていたからで
    その視点から見た場合、正直カズキの為に斗貴子さんがワリ食うのは当然でもあり
    カズキが成長を果たした上で尚、彼女が「バトルヒロイン」然する意味は
    あんまりないのではないか?・・とすら思ってしまうのです。
    ヴァルスカも、まあフィギュア的な旨味はあるけど(笑)
    ファイナルで登場した場合、せっかく合ったカズキへの焦点が
    ブレてしまう危険性もなきにしも。

    んー、確か人気は圧倒的にトキコさんが上だったと思うのですが(笑)。
    逆にその読者人気で、読者の側がいつの間にか
    和月先生よりも「斗貴子」を重く見たのかな?と思う事もあります。
    「ファイナル」における斗貴子願望(オヒ)というのは、言い換えれば
    カズキと斗貴子を同格のパートナーとして据えたい場合、確かにそうなんですが
    和月先生は実際それを選んでいないし、僕もそれに違和感感じなかった
    ・・という事は、やはり先生にとって「カズキ」の方がずっと重かったのかなと。
    少なくともヴィクターとの関係を描き出す時点で、もう同格には捉えてないハズ。
    ところが読者人気は相変わらず斗貴子さん。
    それゆえの、軽い齟齬かなと。

    > で、そうなってなかった、ということは、いずれにせよ作者の中で「斗貴子の見せ場」は取捨選択の結果切られた要素の一つ…ということなんでしょうかね。

    長々書きましたが、そういう事です(笑)。

    それにしても
    >カズキのサンライトハート
    あのコマ割とひたすらケンカする存在感は良かったなぁ。
    見方変えれば、ちょっとした「ワンダと巨像」ですよ(笑)。

  • Re:斗貴子は元からバトルヒロインだったか 投稿者:井汲 景太 <2005/11/12 00:54>
  • #120 Re:斗貴子は元からバトルヒロインだったか
    投稿者:井汲 景太 Ml Hp <2005/11/12 00:54>
    <<<親記事]
    > コニチハ。新進のマンガ読みです(笑)。

    ああっ、何だか「いっちょ揉んでやるか」みたいな余裕綽々な雰囲気が感じられるっ!(笑)あのその、どうかお手柔らかにお願いします(笑)。

    > それが読み手が僕になった場合、そこまで気にはならなかった。

    私も初読では別に全然気にならなくて、ライナーノートや先日の blog を見て初めて「おお、そう言えばバルスカは出てなかったじゃん」「と言うか、そもそも斗貴子の見せ場らしい見せ場がなかったのか!」と初めて気づいたクチです。

    だから斗貴子の見せ場がなくても、別に不満があるわけではありません。「ピリオド」でフォローしてくれればいいな、と少し思うくらいがせいぜいで、それが果たされなかったとしてもそれはそれで一向に構わないです。

    > このあたり、初期の単行本を読み返せば和月先生コメントでわかるのですが
    > 今手元にないので、どうだったかなーと。
    > いや、勿論位置づけとして、記号としての「バトルヒロイン」ではあるのですが
    > そのヒロインというのは、単に紅一点では・・というと少々極端ですけど

    1巻のコメントは「約四年間、描いてみたいと考え続けたバトルヒロインの具体化…。」「男性キャラに負けない存在感を持つバトルヒロインを目指して描いているのですが、」となっています。それから前作「GUN BLAZE WEST」では、ヒロイン・コリスについて「前作『るろうに剣心』の反省と和月の欲求から出来た「完全無欠のバトルヒロイン」です。」「バトルヒロインへの挑戦も、今一度試してみたいと思っています。」と書かれていて、

    「バトルヒロイン」の描写を全うしたい

    というこだわりには、どうやら並々ならぬものがあるように見受けられます。(正直、そこまで和月氏を駆り立てるものが何なのかはよくわかりませんが)

    でまあ、週刊連載継続中は、正規戦力として切ったはったをくぐり抜け、容赦なく敵にトドメを刺す姿を晒したりして、そのこだわりは確かに反映されているように見えます。それでいて要所の戦闘はちゃんとカズキが締めてましたから、和月氏は構成に相当気を使ったんだろうなあ。

    > 「ファイナル」における斗貴子願望(オヒ)というのは、言い換えれば
    > カズキと斗貴子を同格のパートナーとして据えたい場合、確かにそうなんですが
    > 和月先生は実際それを選んでいないし、僕もそれに違和感感じなかった
    > ・・という事は、やはり先生にとって「カズキ」の方がずっと重かったのかなと。
    > 少なくともヴィクターとの関係を描き出す時点で、もう同格には捉えてないハズ。

    ですね。どなたかが「劇場版」と仰ってましたが、そうである以上「テレビシリーズ」とは見せ方が違ってきても当然で、和月氏はあれだけこだわってきた「バトルヒロイン」という要素を切り捨てることにしたんでしょう。「涙を呑んで」なのか、「テレビシリーズで満足いくまで描けたから」なのかはさておき。

    > 前回投稿時の引用ページの方は、随分とファイナルにおける
    > 斗貴子さんの扱いを気にされていましたが

    多分、書き手の方が女性であることも影響しているんだと思います。男に交じってまったく引けをとらないヒロイン、という部分に思い入れがあったとすれば、「カズキの付属品」みたいな描き方が選択されてしまったのが不満、というのはまあわかります。

    #69 Re:武装錬金のハイエナ
    投稿者: <2005/05/05 02:38>
    <<<親記事]
    LDさん、どうもです。ジャンプの現状もろくに知りもしない自分が、こちらに書き込みをさせていただくというのは失礼かと思いますが、すみません。

    「骨を拾う」ということは、「武装錬金」終わってしまったのですか?世間の評判や兄からの情報では、面白い漫画と聞いていたので意外な気がします。自分はあの作者の方は「るろうに」の読み切りの頃から知っていたのですが、絵が自分にとって苦手な絵だったので、ずっと敬遠していました。ただ「武装錬金」は評判が良いので、読んでみたいなと思っていたところ、このようなことになってしまい残念です。

    ボスキャラの描き方、というのは確かに難しいと思います。古い話で申し訳ないのですが、「キン肉マン」のバッファローマンと悪魔将軍の二人のボスキャラは、最後には主人公が勝つと子供心に分かっていても、「本当にこんな化け物に勝てるのだろうか?キン肉マン殺されちゃうんじゃないだろうか?」という思いが頭をよぎったものです。特に悪魔将軍は自分の中で最高のボスキャラでした。痛みを感じない、硬度10、スネークボディ、地獄の九所封じ、そして地獄の断頭台。その強さはまさに恐怖であり、またその存在感はまさに絶大でした。ボスキャラのスケールをどれだけ膨らませることができるか、それは世界観や設定がよくできている漫画や人気長期連載の漫画ほど難しいと思います。まさに最後のつめなのですから、より作者の先生方の頭を悩ませてしまうのかもしれませんね。

    あと、細かいところですが、正しくは「残虐性はジャンクマン、ボディの強靭さはスニゲーター」の順です。おそらくわかっていて書かれているとおもいますが、気になったもので書かせてもらいました。どうもすみません。
  • 悪魔将軍は好き 投稿者:LD <2005/05/06 04:36>
  • #70 悪魔将軍は好き
    投稿者:LD <2005/05/06 04:36>
    <<<親記事]
    > LDさん、どうもです。ジャンプの現状もろくに知りもしない自分が、こちらに書き込みをさせていただくというのは失礼かと思いますが、すみません。
    >
    いえ、そんな事はありません。ゴチャゴチャして分かり辛いページだとよく言われるのですが、どうぞ気軽に書いて下さい。

    > 「骨を拾う」ということは、「武装錬金」終わってしまったのですか?世間の評判や兄からの情報では、面白い漫画と聞いていたので意外な気がします。

    そうなんですよ。最近飲み会に参加したときも意外に「武装錬金」が読まれていて僕も驚きました。同時にマンガ読みに趣向が寄り過ぎたのではないかという意見も出たのですが…そこらへんはどうなんだろう?マンガ読みに過ぎるというと石川賢先生の「柳生十兵衛死す」のように濃ゆ〜くないとと思うのですが。僕はジュブにナイルだっだと思っています(笑)

    > あと、細かいところですが、正しくは「残虐性はジャンクマン、ボディの強靭さはスニゲーター」の順です。おそらくわかっていて書かれているとおもいますが、気になったもので書かせてもらいました。どうもすみません。

    すみません(汗)素で間違っていました。僕も悪魔将軍好きです。悪魔将軍というかゆでたまご先生の頭の悪さが好きです(笑)だって「スピードはプラネットマン!」って言ったってプラネットマンって別にそんな速い超人じゃないし(笑)「ボディの強靭さはスニゲーター!」ってそんなに強靭な奴だったっけ?ってな感じでしょう(笑)
    賢いマンガ家なら最初から悪魔将軍をどうするか考えていて、ちゃんとスピードの速い超人、ボディが強靭な(あるいは硬度10の根拠になるような)超人を出して、それでドカン!行きます。
    平凡なマンガ家さんは途中で思いついても「でもプラネットマンって別にそんな速さを強調した超人じゃなかったし…」と考えてしまい、みすみすボツにしてしまいます。

    しかし!ゆでたまご先生は頭悪いですから!

    「パワーはサンシャイン!テクニックはザ・ニンジャ!」って超カッコいいフレーズを思いついた時点で前後の見境なく行きます!(笑)しかしその頭の悪さがあの名ラスボスを生み出したのです(笑)
    まあこれは身につけようとしても身につくものじゃないんですけどね。(「るろ剣」の志々雄編はむしろその真逆の展開を選んでいたし)ただ、ヴィクターをもうちょっと、あとほんの少し捻れば何とかなったのかな〜〜〜〜???と。まあ勝手な想像に過ぎませんけどね(笑)