#93 極楽のハイエナ |
多分長続きはしないと思うのですが、全然別作品の話題になってしまったので新たにツリーを立てることにします。タイトルはこんなもんでよろしいでしょーか。 >椎名先生はこの作品で以前に出したキャラクターはその後の話の中 >にも頻繁に出していて、サブレギュラーレベルになったり、そうで >はなくても思い出したように背景の中に描いたり、そういう再登場 >の機会を与えられていたと思います。 でしたね。そういうのをコマの隅から捜し出すのも楽しみの一つでした。いや、過去形じゃなくて、現在でもよくやってますから、相変わらず好きです、そーいうの。「こんなん、描いた本人でさえ覚えてねーだろ」とこっちが想定していた細かいネタがこっそり再登場していたりするのを見ると、「やるな!」と思うと同時に嬉しいですねぇー!(笑) >ただ多分「GS美神」の中で“完全退場”しているのはルシオラだ >けなんですよ。 (中略) >…そういう意味では悪役として描き、退場させた者た >ちも決して“完全退場”というワケではなく、機会を得れば回想な >どでまた楽しそうに再登場させるという作品世界なんですね。 そうですね。今この場では、キャラの重要度に比べて再登場のなかったのって、天龍童子くらいしか思い当たらないです(小竜姫つながりで、その後何らかの出番があってもちっともおかしくないキャラだったのですが…。魔族と神族の対立構造を構築する上で、かなりの実力・権威を伴って君臨する一族の存在、というのが逆に都合がよすぎて登場させにくい、というような事情があったのかもしれません)。 >そういう意味において「死んでいない」という事にはなっていても、 >ルシオラは「GS美神」の世界において禁忌というか回想シーンに >出す事も憚られる“完全退場者”となったワケです。 もう最後の最後、「事実上の最終回」と言われることも多い「地上より永遠に!!」の見開き回想で一度登場したっきりでしたね。もう作品世界を壊す心配がなくなってから初めて。 >これがファイナルエピソードなら完全退場者もありだったでしょう。し >かし「GS美神」はその後も続けたワケで、あるいは先の展開でもう >ちょっと詰めてもよいハズだった美神VSおキヌという構図にすっかり >ブレーキがかかってしまったかもしれません。 むむ、この段落、ちょっと意図が取りづらいです。できれば噛み砕いて説明していただければありがたいです。前半は「普段は“完全退場者”なんて出さない椎名先生も、ルシオラ編がファイナルエピソードだったならルシオラをそういう扱いにしてしまってもさして不思議ではない」というような意味でしょうか。そうだとして、後半はその前半をどのように受けているのか、イマイチ関連がよくわかりません。 >(※さらに余談。ちょっと書き損なっていた事なんですが、ルシオ >ラ編で横島くんがペットにされ洗濯をしている最中に「ふろーむら >っしゃー、ういずらーぶ♪」と歌っていますが、あれは「007ロ >シアより愛を込めて」のテーマ曲ですね。件の映画は「くの一裏切 >り」の代表的プロットの作品です。つまり椎名先生はここで「これ >から“くの一裏切り”をやります!」と宣言している事になります。 >は〜、やっと書けた) おお、あれはそういう意図が隠されていたのですか!なるほど! >では「GS美神」の予定調和に完全に与し、その世界構造を何ら傷 >つけるものではなかったかというと……一矢報いてるかな?と(笑) >個人的にはそう思いますね。 はい。何にせよ、印象深いキャラクターではありました。「反則スレスレ」 で「死んでいない」ことにした椎名先生の手管の巧妙さにもつくづく感心さ せられた思いが蘇ります(いや、別に皮肉とかではなくて、本心から素直に そう思います)。 |
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#96 Re:極楽のハイエナ 投稿者:LD <2005/08/22 01:53>
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> >これがファイナルエピソードなら完全退場者もありだったでしょう。し > >かし「GS美神」はその後も続けたワケで、あるいは先の展開でもう > >ちょっと詰めてもよいハズだった美神VSおキヌという構図にすっかり > >ブレーキがかかってしまったかもしれません。 > むむ、この段落、ちょっと意図が取りづらいです。 > できれば噛み砕いて説明していただければありがたいです。 ほとんどルシオラスキーさんの書かれている通りなんですが(笑)ちょっと僕なりに文章を組みなおしてみます。 ポイントとしては横島くんとルシオラが平穏な生活を送る事になった「甘い生活!!」においての、おキヌちゃんのリアクションですね。「私、まだ子供なのかも…」と撤退してしまった。…当然なんですけどね。あそこで、おキヌちゃんが自分を主張する事はあり得ない…でしょう。ほんとうに収集がつかなくなる(笑) しかし「GS美神」のラブコメ構造というか三角関係はあそこが“天王山”でした。ここで格付けが決まってしまった。ルシオラ編の終了後も結局おキヌちゃんは、ここで決まった位置から遂に動く事はなかったと思います。 勿論、この構図の決着をつけるのが「GS美神」の本道ではないので問題ないといえば問題ないのですが、その後のおキヌちゃんは、どちらかといえば“横島離れ”が進んでしまった状態に思えます。 またルシオラ編でセリフ回しはともかく最後まで抗戦を続ける事によって、ルシオラに勝ちを譲ってもらった美神さんは、どういう形であれ横島×美神を既定させる事になりました。…が、これもそれ以上は動かないんですよね。予言はあるけど実動はない。(因みにメフィストは完全に祓われてしまいましたね。アシュタロスが滅びたので当然と言えば当然なのかもしれませんが) …たとえば誰のセリフでもいいんですけど、横島くんに対して「美神さんとおキヌちゃんのどっちが好きなの?」とかね。それは美神さんにも、おキヌちゃんに対してもそうで、脇のキャラがほんのちょっと肩をたたく言葉をかけてあげれば、本来ドミノ倒しのように話が進んで行く。……でドタバタやっても決着がつく事はなくって、結局元の木阿弥なんですよ?(笑) …そうなんだけど、そのルーチンが取れない。ここに楔を打たれてしまったのがルシオラの“一矢”だったかなと(笑) ドタバタギャグが本道なんですから致命打ではない。しかし「GS美神」を支えていた片翼とはいかないまでも補助翼を奪われていたのがルシオラ後の連載だと思います。ただしパイロット(椎名先生)の技術が確かで、その遜色は感じさせなかったことも書き添えておきますが。(確かルシオラ編後も今週の一番とったりしています) しかし、長いシリーズの中で一回くらい美神VSおキヌを最大激突か、あるいはおキヌちゃんと横島くんを最大接近させて欲しかったなあという気もするんです。これはこれでマジに。 |
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#99 Re:極楽のハイエナ |
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どうも、こんばんはです。では改めて。 >「私たちの一生は短いわ。恋をしたら――ためらったりしない・・・!!」 この辺りの分析は、理屈ではよくわかるんですよねー。ただ感情がついていかない、というだけで。結局、私の場合は単行本で後追いだった、という事情が大きく作用している可能性が高いです。リアルタイムで読んでたら、あるいは私もルシオラに強く感情を揺さぶられていたかもしれません。 今ルシオラ編を最初から読み返してみたんですけど、何かに憑かれたかのように「アシュタロスは、俺が倒す」宣言まで踏み込んでしまう横島を見ると、確かにこの回はかなり暴走気味ですね。「あれあれ、こんな所まで踏み込んでしまうなんて、このあと大丈夫なんだろうか」というような気分を催させます。 > ポイントとしては横島くんとルシオラが平穏な生活を >送る事になった「甘い生活!!」においての、おキヌ >ちゃんのリアクションですね。「私、まだ子供なのかも…」 >と撤退してしまった。…当然なんですけどね。あそこで、 >おキヌちゃんが自分を主張する事はあり得ない…でしょ >う。ほんとうに収拾がつかなくなる(笑) どちらかと言うと、「普段と違う」感が強かったのはこの周辺でした。それも、おキヌちゃんのそのセリフよりかは、横島が学校でも半ば公認のカップルになってしまい、周囲にもそのように扱われる、という部分が印象深いです。この作品中で横島がそういう扱いを受ける日が来ようとは夢にも思わなかったので(笑)。 > しかし「GS美神」のラブコメ構造というか三角関係は >あそこが“天王山”でした。ここで格付けが決まって >しまった。ルシオラ編の終了後も結局おキヌちゃんは、 >ここで決まった位置から遂に動く事はなかったと思います。 この辺りは、ちょっと違った見方をしています。おキヌちゃん→横島の感情の矢印が、物語の推進力として機能不全を起こしていたのは、(ルシオラ編の影響も多少はあったかもしれませんが)もっと以前からのことだったからです。 当初美神に鼻にもひっかけてもらえなかった横島は、長期連載に伴う構造シフトでいつしか美神にとって掛け替えのない存在になっていきました。それは「高嶺の花に振り向いてもらえる役どころ」を、自分の分身にして弟分である横島に味わわせてやりたい、という椎名先生の意向を反映したもの………かどうかははっきりしませんが、ともかくこれが作者の「本命ライン」だったわけです。 で、それを守るため、おキヌちゃんは生き返った後も、かなり不自然な形で「自分の恋心」を封印させられることになりました。幽霊だった頃はまだいいんですよ。「自分が、横島のことを異性として好きである」ことが自分でもよくわかっていない、というギャップは微笑ましいし、逆にそこを真剣に追求すると、「幽霊と生きた人間」という決して埋められないギャップがものすごい悲劇性をもたらすことになるから、むしろその辺りはサラリと躱しておかないと構造的にもたない。 だけど、生き返っちゃったら………もうおキヌちゃんだって自分の恋心をはっきり自覚してるし、もっと横島にストレートに好意を伝える行動を取るのが自然なんですが、やっぱりそれはある程度以上は発動しないんですよね。それは以前に「身体のあるおキヌちゃん」の存在をシミュレートするために小鳩を投入してみて、その余りの破壊力から封印せざるを得なかったときからわかっていたことで、おキヌが素直に行動していたら、意地っ張りで行動を起こそうとしない美神はちょっと太刀うちできない部分がある。だから作者は、生き返ったおキヌは横島に対する感情をある水準以上にはしない「ことにした」、ように私には見えます。 で、その部分については、ルシオラ編の前と後で、そう大きな変化があったような感じはしないんですよね。ここは >その後のおキヌちゃんは、どちらかといえば >“横島離れ”が進んでしまった状態に思えます。 というLDさんの見解と対立する部分です。 > …たとえば誰のセリフでもいいんですけど、横島くんに >対して「美神さんとおキヌちゃんのどっちが好きなの?」 >とかね。 ルシオラ編以前だと、横島の母が問いかけてはいますね。そして、以降では > …そうなんだけど、そのルーチンが取れない。ここに >楔を打たれてしまったのがルシオラの“一矢”だったか >なと(笑) というのは、確かにルシオラの存在が効いていたのかもしれません。あと、ルイさんの >つまり、ルシオラが作品にとって危険ではないなら >それこそ生かしておいて、ちょくちょく「ヨコシ >マー!」とか言ってやってくる美神事務所ラブコメ >リリーフ、程度に収まる事もできたかもしれないし >もっと言えば、あんな作家としての技量を使って >までルシオラと横島2人同時に、幸せでありながら >関係性を綺麗にリセットする手腕なんて発揮する >必要・価値はないんです。 という読みは非常に興味深く、腑に落ちるものがありました。たーしかに。 話は逸れますが、ルシオラ編で「ちょっとそれはどうなの?」と思ってしまったのは、「タイムリミット設定」をなくしてしまったことなんですよね。そうでないと残ったベスパ・パピリオ(そして、将来転生してくるルシオラも、か?)が気の毒すぎる、という事情があったにせよ、「パワーと引き換えにした分、寿命は短く作った」という部分が3人娘の設定の肝だったはずで、タイムリミットが(ペナルティーなしで)外せるなら、その原点がご破算になってしまう。だってアシュタロス(と土偶羅魔具羅)は最初から寿命なんてなしで手下を作ればよかったわけだし、3人娘だってアシュタロスの意向なんてそっちのけでその可能性を追求する行動を取るのが自然ということになってしまう。それじゃあアシュタロスは最初から3人娘に造反しろと言ってるようなものです(「十戒」があるにはありますが)。 「ドクター・カオスの協力により」なんて一言でさらっと流されてるんですけど、これは実はそんなに見逃していい話じゃないはずで。ルシオラ編には他にも数々の「失策」が見受けられますが、実はここが一番重要なポイントなんじゃないかと思ってます。初読の頃は、ルシオラ編終了までに何らかのフォローが行われるかと思っていたので、とりあえず棚に上げておいたのですが…。 > しかし、長いシリーズの中で一回くらい美神VSおキヌ >を最大激突か、あるいはおキヌちゃんと横島くんを最大 >接近させて欲しかったなあという気もするんです。これは >これでマジに。 ここは、「おキヌ者」としてはむしろ逆の願望を抱いていて、おキヌちゃんが横島にはっきりと振られるシーンを描いて欲しかったです。決して実ることがない恋心を、そうと自覚さえさせてもらえずに、ずっと抱き続けなければならない、というのはものすごい残酷なことですから。美神が本質的にすごく脆い点を抱えていて、横島を失ったら決して立ち直れないことがはっきりしているキャラであるのに対し、おキヌの方はそれで一度は深く傷ついたとしても、また必ず立ち直れる陽性のキャラです。そして、作中ではおキヌちゃんの新たな恋の姿を描いてくれれば、それはこの上なく魅力的なシーンだったはずだ、という点は残念でなりません。 とは言っても、デジャブーランドで横島にすがりつくおキヌの姿を見たりするのは、それはそれで嬉しかったりはしたのですが(笑)。 |
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#101 スリーピング・ビューティー!!(眠れる獅子) 投稿者:LD <2005/08/29 02:34>
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こんばんは!それでは“おキヌちゃん”の検証にいってみましょう!(笑) > > しかし「GS美神」のラブコメ構造というか三角関係は > >あそこが“天王山”でした。ここで格付けが決まって > >しまった。ルシオラ編の終了後も結局おキヌちゃんは、 > >ここで決まった位置から遂に動く事はなかったと思います。 > この辺りは、ちょっと違った見方をしています。おキヌちゃん→横島 > の感情の矢印が、物語の推進力として機能不全を起こしていたのは、 > (ルシオラ編の影響も多少はあったかもしれませんが) > もっと以前からのことだったからです。 はい(笑)機能不全か?………というとそこらへん難しいところがあると思うのですが、構造的にそういう観点はあると思います。おキヌちゃんというキャラの検証をしてみると、やはり「スリーピング・ビューティ」編をターン・ポイントとして、それ以前とそれ以後に、構造変更がないはずがないワケです(笑)ルシオラ以前から、おキヌちゃんの動きに不満(不全)を感じていた人ならば、ルシオラ以後にさらにおキヌちゃんにブレーキがかかったとしても、それを“強く”感じるという事はないでしょうね。 ところで「スリーピング・ビューティ」編が「GS美神」の最終回として用意されていた事は、インタビューを通して分かっていますが、では何故この時期、最終回用のこのエピソードを持ってきたか?という問題が残ります。これは多分、本格的に「アシュタロス」編に入るための準備のため、おキヌちゃんを生身にする必要が生じてきたからだと僕は見ています。 つまり“特訓してパワーアップできる成体”になる必要があったのでしょう。幽霊の状態のおキヌちゃんがパワーップ(幽霊としての練度を上げる)するというのはつまり強・悪霊化するという事で(笑)それは不味いし様々な限界もある…という事で生身にする。…そして生身にするなら、たとい一時退場があったとしても“一番いいもの”つまり最終回のネタを投入しよう!という事になったのでしょう。おキヌちゃん一時退場後、直ぐに「今そこにある危機」編→「デッド・ゾーン」編という「アシュタロス」編の橋頭堡が速攻で築かれていますしね。そして構築後は速攻で復帰しているワケです。 …で生身になった、おキヌちゃんがラブコメ的に美神さんより“強い”事は分かっていたし、それをそのまま流せば「GS美神」の主役崩壊を起こる事が分かっていたので、おキヌちゃん休業中に「デッド・ゾーン」編で、前世の因縁という“ブレーカー”を設置するワケです。「デッド・ゾーン」編には「アシュタロス」編の環境構築の意味と、現行の構造補強の二つの意味があるワケですね。(プロは一つの出来事に複数の意味を持たせます。えらい!) ただ、この“おキヌちゃんブレーカー”は結局、おキヌちゃんに対して発動する事はなく、ルシオラに使われたワケですが(笑)もっともこの設定自体は必ずしも発動の必要はなく、美神さんの心の動きを補助すればよかったわけですから、その意味では普段から“効いていた”とも言えます。 つまり、おキヌちゃんが生身になるに当たって椎名先生が施策した事は主役大事さのブレーキではなく、あくまで美神さんを張り合わせる方向(尚且つの主役を破壊しない)補強であり、そこらへんはさすがに分かってるなと。(というかプロなら当り前なんですけど) さて、ここまでは検証と分析。そっから「GS美神」がどういう性質になったかというのは、けっこう受け手の主観に拠るところも大きいでしょうね(笑) > おキヌちゃんは生き返った後も、かなり不自然な形で > 「自分の恋心」を封印させられることになりました。 …なので、僕の感覚になりますが、上記したようにいろいろ、おっかなびっくりに保険をかけて、生身おキヌの投入となったのですが、意外というか当然というか(笑)おキヌちゃんは“非常に聞き分けのいい”キャラで、生身になってもかなり椎名先生の制御が利く事が判明したという感じがします。それは多分、おキヌちゃんは椎名先生の妄想に最も傾倒したキャラという事も大きいと思われます(笑) けっこう踏み込んで動かしてみても、かなり制御が利いてしまう。恋敵・美神じゃなくても、保護者・美神で十分、止めれるなあ?という印象がありまして… 要するに、おキヌちゃんって「門限は守る娘」なんですよ(笑) 「今夜は帰りたくない娘」でもなければ「今家に両親はいない娘」でもないんですね(笑) その「おキヌちゃん、意外と聞き分け(制御が利く)がいいな?」という状態が、人によって変ってくる気がします。僕自身はけっこう、ギャグマンガ内ラブコメとしては、おキヌちゃんは務めを果たしていたな、という印象を持っていて、さりとて「門限守る娘」を「今夜は帰りたくない娘」にするのは、それなりのイベントが必要なワケで、そこらへんの機会を窺っている内に「ルシオラ」編に突入してしまったのではないかな〜と。 ところで、ちょっと三人組が心霊兵器の実験台にされる「サバイバルの館」編を読み返したのですが、ここでルシオラのプロトタイプともいうべき“グーラー”という女妖怪が出ていますね。これ、おキヌちゃん復帰後すぐの話なんですが、美神さんも、横島くんも、おキヌちゃんも、非常によく回っていて、尚且つ解決後、邪魔なグーラーをサラリッと放出する事に成功している(笑)ここでの経験を展開収束の見込みとして「ルシオラ」編の展開に行ったかなあという気もしないでもないです(?) > >その後のおキヌちゃんは、どちらかといえば > >“横島離れ”が進んでしまった状態に思えます。 > というLDさんの見解と対立する部分です。 まあ、そんなワケで「スリーピング・ビューティー」編後のおキヌちゃんの動きをどう受け止めているかによって、大分印象の変る部分という事でしょうね。 > 「パワーと引き換えにした分、寿命は短く作った」という部分が > 3人娘の設定の肝だったはずで、タイムリミットが(ペナルティーなしで) > 外せるなら、その原点がご破算になってしまう 僕も、そこはそう思ってました。ん〜……、まあ僕は「誰も言わないけど実はパワーは落ちていた」と解釈しています。 具体的に言うとメドーサと互角くらいに落ちていた(じゃないと、どう考えてもメドーサは鎧袖一触)かなと。「ベスパはおそらくパワーアップ処理されている」というのはルシオラの勘違い…かなと(笑)ちと苦しいですが(汗) > ここは、「おキヌ者」としてはむしろ逆の願望を抱いていて、 > おキヌちゃんが横島にはっきりと振られるシーンを描いて欲しかったです。 (中略) > おキヌの方はそれで一度は深く傷ついたとしても、また必ず立ち直れる陽性のキャラです。 > そして、作中ではおキヌちゃんの新たな恋の姿を描いてくれれば、 > それはこの上なく魅力的なシーンだったはずだ、という点は残念でなりません。 ふむ。いずれにしてもおキヌちゃんにはもうちょっと動いて欲しかったという事ですよね(笑) しかし、そこまで別路線的になっちゃうと…たとえば「うる星やつら」何かで、しのぶが後半、恩返しキツネとか、時空兎の因幡くんとか独自の物語を紡いでいましたが、あそこまでいくのは、中々並大抵ではないと思いますよ(笑) |
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#102 Re:スリーピング・ビューティー!!(眠れる獅子) |
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すっかりお世話になってます。このご時世に、「極楽」話でこんなに盛り上がれるとは嬉しい限りですよ、LDさん!このツリー、すぐ終わるかと思いましたがまだ続きますかね。 >では何故この時期、最終回用のこのエピソードを >持ってきたか?という問題が残ります。これは多分、 >本格的に「アシュタロス」編に入るための準備の >ため、おキヌちゃんを生身にする必要が生じてきた >からだと僕は見ています。 おー、なるほど。必ずしも賛同できるわけではないですが、ひとつの見方として面白いですね。 >それは不味いし様々な限界もある…という事で生身 >にする。 ただ、パワーアップ目的で生き返らせたとしたら、実際の所あんまりうまく行ってないんですよねー………上で「必ずしも賛同できるわけではない」と書いたのは、ひとつはこの辺の所です。「ヒーリング」というとってつけたような(と、はっきり書いてしまえ)能力も、「ネクロマンサーの笛」も定着せず、結局除霊活動のメンバーとしては巫女装束に幽体離脱、という特徴くらいしか残らなくて、正直言って「幽霊時代とどこが違うの?」というようなポジションに収まっちゃってる所は悲しい。ルシオラ編で新機軸となるか?と期待された「ヒャクメの心眼」も、結局は一発ネタに終わってしまいましたし。 それに、生身になった分、かえって荒事には向かなくなっちゃってて(「幽霊でなければ死んでたところでした」はもう使えない)、それが象徴的に現れていたのが、イスカンダルのスターシャ…じゃない、月の迦具夜姫の所に行ったときです。対魔族編の節目エピソードのひとつでしたが、このときおキヌちゃんは完全においてけぼりを喰っちゃってますね。あのときはもー歯がゆくて歯がゆくて(笑)。 この辺り結局全部結果論で、実際の所椎名先生にはそういう意図もあったのかもしれませんが、少なくとも「対アシュタロス戦に向けた、生身のおキヌにピッタリの戦闘(?)能力」の具体的な構想は、「スリーピング・ビューティー!!」当時にはなかったんだと思います。 (ちなみに、私が当時「スリーピング・ビューティー!!」に対して思っていたのは、「おキヌちゃんの引退エピソード用の花道」でした。というのは、その少し前、おキヌちゃんは出番も少なくなり、非常に類型的な登場の仕方しかしなくなっていましたから。それで「ああ、もう椎名先生はおキヌちゃんを描くことに情熱を傾けることができなくなったんだなあ。だから最後に、可愛い『娘』に精一杯華やかな退場エピソードを贈ってやろうとしているに違いない」と。 だから最後に、生き返っちゃったのには心底びっくりしました(笑)。もー腰を抜かさんばかりの勢いで。) >…そして生身にするなら、たとい一時退場が >あったとしても“一番いいもの”つまり最終回の >ネタを投入しよう!という事になったのでしょう。 話はだいぶ逸れますが、当時この「一時退場」にはえらく憤慨しましたね〜。いや、今でも憤懣やる方ないですが(笑)。いやだって、何で美神も横島も、おキヌちゃんをほったらかしなんですか!おキヌちゃんはふたりとの記憶を失ってしまうかもしれない、という身を切るほどのつらい決意の果て、生き返ることになったわけで。だとしたらあそこは、その決意に応えるため、何をおいてもおキヌちゃんを迎えに行き、失われた絆を回復しようと必死にならなければ、嘘!「記憶が自然に戻るのを待って…」なーんて後ろ向きな態度は、絶対にこのふたりには似合わないですよいや実際!?(←少し落ち着け(笑)) たとえ「おキヌのいない間に今後の展開用の『仕込み』をいれておく必要があった」という事情があったとしても、そこはもう断然、「そんな『作者の都合』を、物語の完成度・美しさに優先さすなー!!」と主張しちゃいます。どうしてもそれが必要なら、記憶を失った状態でもいいから、とにかく一度は三人を会わせてやれよ!「作り話としての面白さ」ってのはそーゆーことだろ!?それで押しても引いても、どうしても記憶が戻る気配が一向にない、ということで仕方なく一時撤退、という展開なら、それならまだ納得すっからー!!(←だから少し落ち着け(笑)) > 僕も、そこはそう思ってました。ん〜……、 >まあ僕は「誰も言わないけど実はパワーは落ちて >いた」と解釈しています。 LDさん自身もおっしゃってるように、やっぱり色々と苦しいところはあるんですよね。まあ、ルシオラ編終了時に、「もう、ルシオラ編についてはツッコミを入れることはすまい」と決めた(http://ikumi.revery.net/cwww/cnabbs/nbbs.cgi/free/1806)ことですので、ちょっと話題に出すだけにして、あまり深くは立ち入らないでおきます。 > しかし、そこまで別路線的になっちゃうと… >たとえば「うる星やつら」何かで、しのぶが後半、 >恩返しキツネとか、時空兎の因幡くんとか独自の >物語を紡いでいましたが、あそこまでいくのは、 >中々並大抵ではないと思いますよ(笑) そういう風に感じるのは、前回も書いた通り、恋心を封印されたおキヌちゃんが不憫でならないからなんです。例えば月から帰って来た直後のエピソードでは、おキヌちゃんは美神の面前で「横島さんは横島さんだから好きなんだもん……!」とはっきりと言い、元の横島に戻すためにいちかばちかのカケに出たりして、横島への恋愛感情が前面に出いています。だけど、一旦普段通りの横島が戻って来た後では、それは再び影を潜め、横島・美神とのぬるま湯的なれあいに甘んじてしまう、このギャップ。 つまり、おキヌちゃんの好意は、作者の話の都合上、必要になときだけ都合よく呼び出されるアイテム扱いになってしまっているわけで、これはつらいですよ。ファンとしては。で、前回書いたように、「実らぬことが約束された恋」の軛から解放されて欲しい、と切実に願ってしまいます。 ※ 以下余談。 > おキヌちゃん復帰後すぐの話なんですが、 >美神さんも、横島くんも、おキヌちゃんも、 >非常によく回っていて、尚且つ解決後、 >邪魔なグーラーをサラリッと放出する事に >成功している(笑) 余談ですがこのエピソード、深沢さんのウケがよくないんですよね(笑)。何でも、「絵がかなり荒れている」「唐突に『格闘大会もの』(ジャンプ的トーナメントバトルスタイル)になってしまっている」ということで。 http://ikumi.revery.net/cwww/cnabbs/nbbs.cgi/cwww/353 http://ikumi.revery.net/cwww/cnabbs/nbbs.cgi/cwww/362 http://ikumi.revery.net/cwww/cnabbs/nbbs.cgi/gs/102 個人的にはあんまりそういう感じはしなくて、むしろLDさんの見方の方がすっきりします。 |
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#103 Re:スリーピング・ビューティー!!(眠れる獅子) 投稿者:LD <2005/09/01 00:50>
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こんばんは。お待たせしました!(笑) > ただ、パワーアップ目的で生き返らせたとしたら、 > 実際の所あんまりうまく行ってないんですよねー……… (中略) > 期待された「ヒャクメの心眼」も、結局は一発ネタに終わってしまいましたし。 同感です(笑)しかし同時に“とってつけたような”この能力が僕の仮説を裏付けているとも思っています(笑)おキヌちゃんを戦闘的にパワーアップさせようという意志がなければ、幽体離脱できる元・幽霊という設定で充分“回せる”という結論に達したと思うんですよ。(というより生身にするイベント自体を興さないのだけど)勿論、パワーアップ論に誘導したのは、へ・ん・し・ゅ・う(笑) …で、何でネクロマンサーなんでしょうね?悪霊を静めるというようなギミックに拘ったのかなあ?「ヒャクメの心眼」はよかったんですが、実はおキヌちゃんは隊形としては“遊撃手”(ボランチ)に位置していて、これが心眼使いになると“後司令塔”(キーパー)になっちゃうんで、そこらへんの回し方が厳しかったかもしれませんね。 まあ、僕は素直に見目袴で“破魔矢”を弾いていれば正解だったのでは?という気がしていますが。 > 何をおいてもおキヌちゃんを迎えに行き、失われた絆を回復しようと > 必死にならなければ、嘘!「記憶が自然に戻るのを待って…」 > なーんて後ろ向きな態度は、絶対にこのふたりには似合わないですよいや実際!? 井汲 景太さんも下で書いていますが、横島くんが記憶を失ったときは、みんなで寄って集って記憶を戻そうと(?)しましたからね(笑)しかしですね、やっぱりですね、記憶喪失エンドはあれくらいの間合いだと思いますよ?記憶を失ってる事に、あんまり強烈に食いつくと記憶が戻らない“哀しさ”が際立ち過ぎになりますもん。あんまり強烈に食いつくと記憶が戻らない事には終れなくなってしまって、記憶が戻ったら記憶喪失エンドにならない(笑)……ただ「GS美神」の最終回としてはブルーなアイデアだと思います。すぐに復帰が決まっていたために、そして途中話だから、ある程度緩和されるワケですが、これが本当に最終回として採用されるという事はなかったかもしれませんね。 > > おキヌちゃん復帰後すぐの話なんですが、 > >美神さんも、横島くんも、おキヌちゃんも、 > >非常によく回っていて、尚且つ解決後、 > >邪魔なグーラーをサラリッと放出する事に > >成功している(笑) > 余談ですがこのエピソード、深沢さんのウケがよくないんですよね(笑)。 > 何でも、「絵がかなり荒れている」「唐突に『格闘大会もの』 > (ジャンプ的トーナメントバトルスタイル)になってしまっている」ということで。 んんん〜。そうするとfukazawaさん的には、いわゆる「妙神山」編や「横島GS試験」編なんかはどういう評価なんでしょうね?(笑) あの時は僕も意外に思うところがあったんですが、「サバイバルの館」編は「死亡遊戯」を下地にしていますが、いわゆるJ・トーナメントで陥り勝ちなシーケンス/シングル・タスクな展開ではなくパラレルな奥行きを持った展開になっていて好きですよ。 絵の方は元々、椎名先生は立体化し辛い絵を描いている人なので、デッサンの話は置いておくとして…問題はペンですが…そんなに荒れてたっけな?ちょっと記憶にないです。単子本で見る限りはそんなに崩れてはいないと思いますが…。 |
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#104 Re:スリーピング・ビューティー!!(眠れる獅子) |
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> 同感です(笑)しかし同時に“とってつけたような” >この能力が僕の仮説を裏付けているとも思っています(笑) まあ結局、それをはっきり否定する材料もない代わり、そこまで具体的に断定できる材料も見当たらないわけで…ここは、私としてはもうちょっと慎重な態度を取りたい部分です。椎名先生がその辺りの思惑をもう少し明らかにしてくれるといいんですけどね。 おキヌちゃんの蘇生・再登場に当たっての思惑については、23巻の作者コメントで説明してくれることを期待していたんですけどねー。なーんにも触れてなくてすっげーがっかりしました。あれは単行本39冊を買い続けた中で、一番がっかりしたことかもしれません(笑)。 > …で、何でネクロマンサーなんでしょうね?悪霊を >静めるというようなギミックに拘ったのかなあ? うーん、意図はちょっと読み切れませんね。単純に「周囲の雑魚霊を、まとめて撃退できるような能力があると、画面作りにメリハリが出やすい」とかそういったようなことかなあ。それまでの戦闘スタイルは、お札や神通棍、霊波刀などでチマチマ一体づつ退治していくやり方がメインだったので、エミの霊体撃滅波や冥子のバサラみたいな「大量破壊兵器」を調達しようとしたのかもしれません。って、今とっさに思いついた出任せですが。 一応、「サバイバルの館!!」後も引き続き校内武闘大会編で「笛」を活用しようとしている様が観察できますが、でも結局あんまり自然じゃなくて、うまく定着させられなかったですね。 >しかしですね、やっぱりですね、記憶喪失エンドは >あれくらいの間合いだと思いますよ? うーん、だとしたら横島がおキヌの身体を氷の中から解放した、あのクライマックスから手直ししないと。あれほどの悲劇的な状況の中、「必ずまた会って、3人の絆を取り戻してみせる」っていう熱い決意をたった一つの未来への光明として選択する、という描写でしたよね。なので、ひとまずそれを受けるシーンを用意してくれないと、読み手の感情の持って行き場がない! あのクライマックスがある以上、 >記憶を失ってる事に、あんまり強烈に食いつくと >記憶が戻らない“哀しさ”が際立ち過ぎになりますもん。 というなら、いっそのことその「際だった哀しさ」を描いてくれた方が、私としてはすっきりするんですよー。 >あんまり強烈に食いつくと記憶が戻らない事には >終れなくなってしまって、記憶が戻ったら記憶喪失 >エンドにならない(笑) うーん、それはそれで別にいいじゃないですか(笑)。記憶が戻って再び「三人一緒」になってもこれといった不都合があるわけじゃなし。LDさん仰るところの「美神の『対おキヌ用前世ブレーカー』の設置」話は、おキヌが不在でないとしても展開できますよね(前半の「今、そこにある危機!!」はちょっと苦しいかな。でも、後半の「デッド・ゾーン!!」は、それこそ月でもやったように「完全おいてけぼり」が効く話ですし)。 >「サバイバルの館」編は「死亡遊戯」を下地にして >いますが、いわゆるJ・トーナメントで陥り勝ちな >シーケンス/シングル・タスクな展開ではなくパラ >レルな奥行きを持った展開になっていて好きですよ。 うん、美神の反則めいた戦いぶりも(相変わらず)よく描かれているし、1戦1戦がダラダラ長引いてしまってる、というような弊害も別段見られず、構成的にそんなに問題があるようには思えません。 > 問題はペンですが…そんなに荒れてたっけな? >ちょっと記憶にないです。単行本で見る限りは >そんなに崩れてはいないと思いますが…。 私もこれと言って心当たりがないんですが、深沢さん以外にも何人か同じ意見を見かけた(今ちょっと捜し出せませんでしたが)ので、まるっきりの見当外れとも言い切れなくて困惑してます。「あるタイプの人には気になる絵柄が含まれていた」というようなことなんですかねえ。 ※ 以下、完全に余談。 このような「塔突破もの」と「死亡遊戯」という固有名詞との結びつきを初めて見たのは「奇面組」においてでした(笑)。そこでは「『死亡遊戯』とは逆のパターンだが…」というようなセリフだったので、「『死亡遊戯』というのは『主人公側が根拠地で敵を迎え撃つ話』なのか」とずっと思っていました(笑)。 そーじゃなくて、(「リンかけ」の影道編や阿修羅編のように)「主人公側が敵の待ち構えるフロアを次々突破していく」パターンだったんですね(恥ずかしながら「死亡遊戯」は未見です。いや、ちょっと変だな、とは思ったんですよ。どう考えても、そっちじゃないと話が作りづらいはずですし(笑))。ということは「逆」という奇面組のセリフは………そうか、ブルース・リーをパロったキャラが塔の最上階で待ち受ける大ボスになっている、という所を指して「逆」と言ってたわけですね。いやはや。 |
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#105 余談の余談 投稿者:LD <2005/09/07 02:48>
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> >あんまり強烈に食いつくと記憶が戻らない事には > >終れなくなってしまって、記憶が戻ったら記憶喪失 > >エンドにならない(笑) > うーん、それはそれで別にいいじゃないですか(笑)。 > 記憶が戻って再び「三人一緒」になってもこれといった > 不都合があるわけじゃなし。 そうですね。というよりその方が「GS美神」らしい“続き方”だと思えます。 ここらへんはもう、最終回として用意していた、その思い入れの強さ故に、継続連載の一話となってもそのプロットの修正がされなかったという事かもしれません。その意味でいうと、異質の一回ですね。 > このような「塔突破もの」と「死亡遊戯」という固有名詞との > 結びつきを初めて見たのは「奇面組」においてでした(笑)。 覚えています(笑)「ハイスクール奇面組」の一番脂が乗っているころのエピソードですね。あの頃のブルース・リー作品がマンガに与えた影響とかは大きいですね。…というか「プロゴルファー猿」なんかはモロの“竜”を登場させ最強の敵にしているぐらいですし(笑) 「リンかけ」に関して言えば「死亡遊戯」よりもほんの少し早く連載が始まっていますね。(影道編あたりになるともう「死亡遊戯」より下っているでしょうが)その「リンかけ」もその後のジャンプマンガに多大な影響を与えました。ここで構築されたメソッドは様々な作品に流用されて黄金時代作品群の文字通り礎になりましたね。 確かジャンプで最終回巻頭カラーはの初は「リンかけ」で後は「ドラゴンボール」と「スラムダンク」だけだったかな? |
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#106 話は「奇面組」と「リンかけ」へ |
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また新しいツリーを立てた方がいいですかね(笑)。 > ここらへんはもう、最終回として用意していた、その >思い入れの強さ故に、継続連載の一話となってもその >プロットの修正がされなかったという事かもしれません。 ちょっと自分の立場を補足しておくと、「記憶喪失エンド」そのものを否定しているわけじゃないんです。「あのクライマックス」との整合性がない、というのが気にかかっている点なので、逆に言えばクライマックスの描写がそれにふさわしいものだったとしたら、「記憶喪失エンド」も受け入れていたと思うんですけどね。 > 覚えています(笑)「ハイスクール奇面組」の >一番脂が乗っているころのエピソードですね。 豊年先生は一応高には赴任せず、一応中に残留したとばかり思っていたので、そこは衝撃のエピソードでした(笑)。 さて、「一番脂が…」という点には疑問が残ります。「奇面組」が、他のギャグマンガと一線を画した独自性で優れていたのは高校編の1年までで、それ以降は長期低落傾向が著しく、ずっと低空飛行を続けていた、というのが私の感覚です。 この辺については以前やはり Cna-BBS で触れたことがあったので(なぜ!?(笑))、リンクを張っときます。 http://ikumi.revery.net/cwww/cnabbs/nbbs.cgi/free/2497,2501 >その「リンかけ」もその後のジャンプマンガに >多大な影響を与えました。ここで構築された >メソッドは様々な作品に流用されて黄金時代作品群の >文字通り礎になりましたね。 でしたねー。で、そういう目の覚めるような斬新で画期的なメソッドが開発されたと同時に、「阿修羅編」のような箸にも棒にもかからない駄エピソード(笑)を含んでいるのも、当時の混沌とした、熱気溢れる状況を反映していますね。 何でも、「リンかけ2」をきっかけにして刊行された「1」の愛蔵版からは「阿修羅編」がカットされているそうで(つまり、ギリシア12神戦のあとすぐプロ編に突入する…らしい)、これを聞いたときは「そうか!車田御大も阿修羅編は闇に葬るべき失敗作だと判断するだけの分別を持っていたのか!!」と大ウケしてしまいました(笑)。その一回り前の愛蔵版を買っておいてよかった、ジャンプシステムの負の側面は、埋もれさせることなく次代に伝えていかないとね!と思っちゃいましたよ(なんぼのもんじゃい(笑))。 > 確かジャンプで最終回巻頭カラーの初は「リンかけ」で >後は「ドラゴンボール」と「スラムダンク」だけだったかな? その辺りはきっと研究しているサイトがあるに違いない…と「ジャンプ 最終回 カラー リングにかけろ」で Google 様にお伺いを立ててみたら、こんな御託宣が返ってきました。どうもそういうことっぽいですね。 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%ea%a5%f3%a5%b0%a4%cb%a4%ab%a4%b1%a4%ed 最終回の1回前で、ラストのコマを見たとき「ああ、これシルエットだけど髪型から竜児が勝ったってバレバレじゃん」と思っていたのを思い出します。 |
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#107 Re:話は「奇面組」と「リンかけ」へ 投稿者:匿名さん <2005/09/09 10:08>
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本当に余談で申し訳ないのですが。 > 何でも、「リンかけ2」をきっかけにして刊行された「1」の愛蔵版からは「阿修羅編」がカットされているそうで(つまり、ギリシア12神戦のあとすぐプロ編に突入する…らしい)、これを聞いたときは「そうか!車田御大も阿修羅編は闇に葬るべき失敗作だと判断するだけの分別を持っていたのか!!」と大ウケしてしまいました(笑)。 それなのに、嗚呼それなのに、「リンかけ2」本編に阿修羅族が復活してしまいましたね(爆笑)。 意表を突く展開を狙おうとしたんでしょうけど先生やりすぎです(苦笑)。 |
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#109 な、なんですってーーー!? |
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> それなのに、嗚呼それなのに、「リンかけ2」本編 >に阿修羅族が復活してしまいましたね(爆笑)。 それじゃ台無しじゃないですか車田先生!(爆笑) 何だか富士鷹先生とは別の意味で、島本マンガの登場人物をリアルで見ているような気がします…(笑)。 |
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#108 Re:話は「奇面組」と「リンかけ」へ 投稿者:真上 <2005/09/09 10:38>
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名前入力忘れました、すみません、失礼しました。 |
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#98 Re:極楽のハイエナ |
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解説ありがとうございます。ルシオラスキー・Rことルイさんにも大いに感謝です。今週はちょっと仕事の方が煮詰まってるので、3〜4日後にまた返答したいと思います。ではまた〜。 |
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#95 ルシオラは危険分子だったか否か 投稿者:ルシオラスキー・R(ルイ) <2005/08/21 06:29>
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個人的には、彼女は作品世界において結構な危険存在に"なりかかった”と思います。 故にルシオラは、ほぼ完全退場せざるをえなくなり 加えて、完全退場という窮余の策をとってはみたものの 結局、GS美神の基本線=美神と横島(+おキヌ)という構図に 最後まで、完全退場のまま密かに陰を落とすような存在になってしまった。 ↑まーここは個人的印象に過ぎませんが。 消し去ってなお、ルシオラという存在が「かつて、いてしまった」せいで メイン3人(2人+1でもいいや)のエピソードを、読者の意識レベルから抑制してしまったような。 そりゃ読者が抑制しちゃってたら、作者も自然抑制するわけで(逆も然り) それが連載終盤の閉塞感に繋がっていったのかなーという印象なのです。 > >これがファイナルエピソードなら完全退場者もありだったでしょう。し > >かし「GS美神」はその後も続けたワケで、あるいは先の展開でもう > >ちょっと詰めてもよいハズだった美神VSおキヌという構図にすっかり > >ブレーキがかかってしまったかもしれません。 > > むむ、この段落、ちょっと意図が取りづらいです。できれば噛み砕いて説明していただければありがたいです。前半は「普段は“完全退場者”なんて出さない椎名先生も、ルシオラ編がファイナルエピソードだったならルシオラをそういう扱いにしてしまってもさして不思議ではない」というような意味でしょうか。そうだとして、後半はその前半をどのように受けているのか、イマイチ関連がよくわかりません。 ファイナルエピソードなら、完全退場しようがしまいが そこで物語は収束するわけで、全キャラに「結末」が与えられるうちの1つと思えば さして考えられない選択肢ではない。 そもそも、作品世界を壊す壊さないにも影響しようがないですし(終わるから)。 しかし、ルシオラが破壊者の素質をもっていたがために 「完全退場」の名誉(笑)を、ファイナルエピソードでもない段階で与えざるを得なくなった。 ところが完全退場してみたところで、既に描かれたエピソードが消えるわけでもなく 結果、美神やおキヌと横島、という当初からの基本トライアングルを ドタバタと描き続けるような余地が相当なくなってしまったかもしれない。 よって、ルシオラは確かにGS美神という揺るぎない職人的マンガ世界に 小さくとも風穴を開けたのではなかろうか ・・と、いう感じの論法かも。いや、これは僕がそう言っているというだけかも(笑)。 ここらへん、ちゃんと考えないと 多少タマゴとニワトリどっちが先か、みたいな部分になってしまいそうなんですけど 要素を挙げてみると ●何故ルシオラを退場させたのか という風に事象だけおっかけると、誰もが素直に思うように 「結局ワンエピソードのゲストヒロインなのであって、美神達がいる以上 そりゃ、このエピソード内だけのハッピーに決まっている」 という程度に落ち着くのですが (そして、椎名先生の当初の目論見はコレだけだったとも思う) ●ルシオラが明らかに予想外に、キャラとして回り主張しまくって、そういった 「ワンエピソードヒロイン」の座に収まらなくなりそうだった ・・というヤバイ流れに(笑)。 ここが、ルシオラ破壊者候補説のキーポイントだと思います。 LDさんの研究に詳しいので、細部は割愛しますけど 初登場時は、ルシオラに対してスポットライトを明確にあてているワケでもなく その時点では作者のスキルとして「まぁ、彼女達の1人と横島を使って 今回のエピソードのゲストカップルにしよう」という計算が及ぶ状況を保っています。 ところがルシオラが強く自分を主張していった過程で ・・特に個人的に「ここだ!」と思ったのは 「私たちの一生は短いわ。恋をしたら――ためらったりしない・・・!!」 ですかね。このあたりの叫びが、ルシオラの口から発せられてしまった時点で 明らかに時間のサイクルに全く縛られない(GS美神自体がそういう作品世界だったし) 美神、おキヌの感情を遥かに凌駕しているじゃあないか!という事が読者&横島にとっての確定事項に。 そうなると、「ルシオラはどうせタイムリミットあるから、そのうち消えるよ」 というだけの感覚では、足りなくなってくる部分があるハズ。 その”部分”というのは「残された横島にとって、彼女の占めるウェイト」 。 だって、ルパンは不二子ちゃんがいるからクラリスを結局スッパリ切るしかないわけで(笑) ひとエピソードのアヴァンチュール、として期間限定ヒロインを構築する場合は 決して、メイン構造に立ち入ったり、メインの立ち位置を奪ったりしてはいけないんですよ。 しかし、ルシオラの描写が深くなればなるほど (加えてルシオラに対して、横島が堂々と「理屈&感情」でもって応えてしまう程に) 彼女の最後がどうあろうが、ルシオラという存在自体が 横島、ひいては読者の中で強く残りすぎてしまう危険性が出てきた。 生きていては?→途中慌てて積んでいった美神との関係性(作品世界)が 一気に崩される事になる。積み設定もほぼ水泡。作者としては不安でしょうね。 僕はソレもナマモノ連載、アリだと思いますが(笑)。 では、死んだ場合は?→存在が消え、形だけ元の鞘に納まろうが、横島の中に想いが残る限り (言い換えれば、横島の中の「ルシオラ積み」が浄化(昇華)されない限り) 結局美神との進展がほとんど望めなくなる。 横島が望まないだろうし、読者の多くにとっても 「望まない横島」が自然に見えるほど、横島は情と理でもってルシオラを選んだから。 ・・外から見れば「元の鞘」でも、その元サヤが 非常に歪な、ムリのあるものに見える危険性が出てきた、ともいえます。 あ、美神ほどの「強さ」でこうなんだからいわんやおキヌちゃんです。 もう、完璧に消されますね、ええ(笑)。 と、いうことで。 あの窮余にしてスキルフルな、ルシオラの処遇が決定されたのだと思っています。 つまり、ルシオラが作品にとって危険ではないなら それこそ生かしておいて、ちょくちょく「ヨコシマー!」とか言ってやってくる 美神事務所ラブコメリリーフ、程度に収まる事もできたかもしれないし もっと言えば、あんな作家としての技量を使ってまで ルシオラと横島2人同時に、幸せでありながら関係性を綺麗にリセットする手腕なんて 発揮する必要・価値はないんです。仰る通り タイムリミットに任せて、素直に消してしまってもよい。 でも、できなかった。というわーけでー。 > >では「GS美神」の予定調和に完全に与し、その世界構造を何ら傷 > >つけるものではなかったかというと……一矢報いてるかな?と(笑) > >個人的にはそう思いますね。 僕もここに同意なのですが 「雨宮現象」 のように、結果をねじまげる事はできなくとも (ルシオラがノンストップで、エピソードに自然に沿っていけば 美神にほとんど勝ち目が見えなくなっていた展開を冷静に読み返しても ルシオラ×横島のカップルは「公式に」最後まで存在していたと思います) キャラ自体の埋蔵エネルギーは、それに勝るとも劣らないものだったために 椎名先生がブレーキかけようが、結果GS美神に影響を与えた(最初に書いたように) ・・・と、いう論法になるのかなと。 まーこれLDさんじゃなく、ただのルシオラスキーRがいってるだけなんで(笑) LDさんの返答は返答で待って頂いて 一方で、ルシオラを破壊者たりえると見るのは こういう風に考えるからなんだよー、という一例だと思って頂けると コレ幸いです。 しかし僕も読み直しましたけど・・強いなルシオラ(笑)。 よく頑張ったよ!椎名先生にスキルがあと少しなかったら 案外、生き残って本当に壊したかもしれませんね。 それほど、ルシオラと横島の関係は崩せそうにないほど 見事なまでに描写できていましたから。 |
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#143 ばか 投稿者:匿名さん <2006/08/27 17:06>
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あほ |
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#97 強いぞルシオラ(笑) 投稿者:LD <2005/08/22 01:56>
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> ・・特に個人的に「ここだ!」と思ったのは > 「私たちの一生は短いわ。恋をしたら――ためらったりしない・・・!!」 > ですかね。 僕も“そこ”だと思います(笑) ちょっとあの話の別の視点としてベスパの話をすると、彼女はアシュタロスのキャラ性や心象説明を行うキャラとして回りながら、同時に“ルシオラの演出”の隠し味ともいうべき回り方をしている。細かく分析すると“脇”として非常に優れたキャラである事が分かります。 昆虫三姉妹って互いが非常に繋がっている事が描かれているんですが、たとえばベスパって、ルシオラが自分を爆砕させた直後にも関わらず、無条件でルシオラの霊体の回収に当たっている。あるいはルシオラが裏切りをして横島を逃がした後もドグラに何も教えないんですよね。そこから別にアシュタロスを裏切った事が許せないって事ではなくって、ルシオラの無事が最優先である事が分かります。 (アシュタロスに惚れてなければ10の指令が発動する事になってもルシオラと殺しあう事を拒否したかもしれない) そのベスパがルシオラを絶対に死なせたくない!という想いをぶつけるのが「ワン・フロム・ザ・ハート!!」なんですよね(笑) ルシオラは、そのベスパの想いを正面から受け止めて、そして勝ってしまうんですよね。それはつまり絶対に死んでもいい!って事なわけで!(笑) そういう死に方でいい。そういう生涯でいい。 …そりゃあ(笑)横島くんからも「俺にそんな値打ちなんかねえよ!!」と、あり得ないセリフも出てこようというものです(笑)件のエピソードはここらへんの“積み”がびっくりする程キレイに超高層に組み上げられていると思います。 > しかし僕も読み直しましたけど・・強いなルシオラ(笑)。 設定としては斬新さはなく、どこかで聞いたような設定を集めて作った“くの一”に思うのですけどねえ?………何でそんなに強ええのか?考えてみるとアシュタロスに「一年の寿命」で造られたというのが大きいのかもしれません。 そこら辺から実はルシオラって普通の女の子とものの考え方が全然違うのですよ。これが例えば元々は普通の天命を持っていた少女がアシュタロスの改造を受けて“裏切り防止装置”や“寿命”を埋め込まれてしまったとしたら話が大分変ってくる。少なくとも「横島とヤったら死んでもいい」という発想は絶対に出てこない(笑)要するに女の子じゃなくって蛍とか陽炎“的”なんでしょう。 (そういえば「火の鳥」の鳳凰編で我王の妻になった速魚というテントウ虫の化身がいたな) だから読者が重く受け止めていても、当のルシオラは明るいというかケロッとしたもんなんですね。改造されて、何でこんな事に!という思いがない。そこらへんは自分はもう、そういう生き物だからしゃーないし、その事に特に疑問も恨みもないと(笑)それが「ワン・フロム・ザ・ハート!!」の「逃げたわねーっ!!あのトンチキ!!」とかいったコメディタッチに繋がるわけで、強さがガンガン補強されて行くわけで……あかん、強過ぎ(笑)強えぇ……強ええぇょ。ルシオラ…orz 今となってはマンガ史の片隅に残るか残らないかって娘ですが。これだけ強い娘、ちょっとしばらくは出てこない(長期連載に耐えられないし)かもしれませんね。 |
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